写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2006.06.10
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
デジタルカメラの機能を説明するときに、必ずと言っていいほど出てくる専門用語を取り上げて、カメラ選びに役立てようというシリーズ企画。今回は、意味がよくわからないままで使ってしまいがちなことも多い、ちょっと複雑な機能の名前をリストアップしました。ここで紹介する機能が、カメラのグレードの違いや、価格の違いを決める要素になることもありますので、前回までより少々難解かもしれませんが、ぜひご参考に。
多くのコンパクトデジタルカメラでは、露出の調整を自動処理で行っています。この自動露出は、一定のパターンに沿って演算されており、ほとんどの一般的な撮影では問題なく対応可能です。しかし、逆光や夜景といったような、特殊な条件での撮影では、期待通りの露出結果を得られないことがあるので、この場合に、撮影者が絞りとシャッター速度を任意でセットできるようにしたのが、マニュアル露出機能です。
正確なカメラ用語としては、マニュアル露出は、絞りとシャッター速度の2つとも、ユーザーが自分で数値によって設定できる場合のみを指します。これ以外の設定状態について、マニュアル露出と表現するのは誤用です。マニュアル露出機能を搭載している機種では、多くの場合、絞り優先AE、シャッター速度優先AEも使用できます。これは、絞りまたはシャッター速度を数値で設定すると、被写体の状況に応じて適正露出が得られるように、対になるシャッター速度または絞りをカメラが自動設定するモードです。コンパクト機の場合、マニュアル露出に対応していない機種が多いですが、現行機種の一眼レフであれば、マニュアル露出モードは必ず付いています。
デジタルカメラの自動露出を微調整するための機能。自動露出で1枚撮影した結果、画面が明るすぎる、あるいは暗すぎる場合に、適正露出の基準点を少しずらして、カメラの露出演算をコントロールすることができます。明るすぎる場合はマイナスに、暗すぎる場合はプラスに補正。逆光の場合は、被写体以上に明るい背景に露出が合っている状態なので、画面内では相対的に暗くなる被写体に合った露出となるよう、プラス側に露出を補正します。
露出補正は、撮影済みの画像に対して明るさが修正されるのではなく、補正を設定した後から撮影する画像に対して効果が与えられます。したがって、基本的には、露出補正はシャッターボタンを押す前に、撮影者の経験則に基づいて、「勘」で行う必要があります。写真の明るさはデジタルカメラなら液晶モニターで確認できるので、撮影失敗の原因が露出によるものなら、露出補正を適宜セットして再撮影することで問題は解決できます。撮影後は、補正の必要がない撮影まで誤って影響を与えないように、露出補正の設定を忘れずに解除しておきましょう。なお、露出補正の設定値は、測光方式や、画面の中で背景が占める割合などでも変わるので、使用するカメラや被写体の状況によって判断してください。単純な逆光程度なら、露出補正をカメラまかせにできる機種もあります。
撮影した画像の「縦横比」ですが、カタログ上で表記するときは、横が先で縦が後の並びで“横縦比”になっている例が多いようです。デジタルカメラの場合、コンパクト機は4:3、主な一眼レフでは3:2が標準。コンパクト機では、3:2の比率にも切替ができる機種が増えていますが、一眼レフには切替機能がありません。ただし、コンパクト機の3:2画面では、画像センサーがトリミングされた状態になるので、使用する画素数は少なくなります。
パソコンや普通のテレビで画像を見る場合は4:3が、プリントする場合はプリント紙の規格に適合する3:2が最も適しています。また、機種によっては、16:9という横長の比率に対応したモードもあり、これはハイビジョンテレビやワイドテレビで画像を再生した場合に、縦横のサイズがピッタリ一致します。
もとはといえば、フィルムの感度を表す用語でしたが、そのままシミュレートした形で、デジタルカメラでも利用されている用語です。ISO感度は、感覚的に言えば、「どの程度の暗さまで問題なく撮影できるか」という相対的な指標として使われており、数字が大きいほど、暗い場所でも適正露出での撮影が可能です。
本来の意味は、昼間の晴天屋外で撮影する場合で、レンズの絞りをf16まで絞ったときに、適正露出となるシャッタースピード(1/分母)を示した数値。同じ露出条件なら、ISO200ではISO100より1段分、ISO400ではISO100より2段分の、高速シャッターを選べることになります。これを逆の意味として読めば、絞りとシャッター速度が一定とすれば、ISOの数値が高いほうが暗さに強いというわけです。しかし、コンパクトデジタルカメラには、f16という絞り値がレンズに存在しない機種が多いので、あくまで暗さへの適応力を示す、相対的な指標と考えて良いでしょう。
手ブレ対策としては、ISO感度が高いほうが、高速シャッターを使えてブレにくいことになりますが、高い設定値では画像内にノイズが発生しやすくなる例もあります。ISO感度は被写体の状況に合わせて相対的に判断し、高すぎず低すぎずといったレベルに設定するのが使いこなすためのコツです。
カメラ映像機器工業会(CIPA)が指定した規格により、一定の使用条件でデジタルカメラの撮影テストを行った場合に、電池交換または再充電しないで撮影可能な画像の枚数。電池寿命とほぼ同じ意味で、テストでの撮影枚数が多ければそれだけ消費電力が少なくて済み、電池切れの心配が少ないということになります。
撮影テストは、2回撮るうちの1回はフラッシュ発光するなど、現実の使用状況にも近い厳しい条件が規定されているので、相当レベルまで正確に省電力性能を表していると考えられます。ただし、運転者によってクルマの燃費が変わるのと同じく、カメラも個々の被写体やユーザーの使い方次第で電池寿命が変わるので、カタログに記載されている撮影枚数は、あくまでも目安として参考にするのが良いでしょう。フレーミングに手間取ったりして、カメラの起動から実際にシャッターを切るまでの時間が長くかかったり、撮影結果が気になって液晶モニターで画像を確認する回数が増えると、電池の消耗も早くなりがちです。
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