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写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー

※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

2006.08.19

ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!

【手ブレ対策の王道】
三脚を見直そう!

カメラの主力機種がフィルムからデジタルに移行して、かつては、ごく少数の一眼レフ用高級レンズだけで実現されていた手ブレ補正機構が、普及型のデジタル一眼レフやコンパクトデジタルカメラでも、当たり前のように搭載されるようになりました。

そのおかげで、カメラを初めて使う方や、写真撮影が趣味というほどではない方の間にも、美しい写真を撮るためには、ピントや露出だけでなく、「手ブレや被写体ブレを防ぐことが大切なのだ」ということが、広く認知されるようになったと思われます。

そこで、いま再び注目したいのが、ブレ対策の王道とも言える三脚。荷物がかさばる上に、操作が面倒というイメージがあって、従来は何かと敬遠されがちでしたが、最近では小型・軽量の製品も登場しており、ブレ対策にこだわりのある方には、自信を持っておすすめできるようになっています。

カメラ本体が軽くなり、替えのフィルムをカバンに入れておく必要がなくなった分、三脚を持ち歩く余裕もできたはず。というわけで、持っていれば必ず役立つ、いろいろな三脚を挙げてみました。

三脚の用途と選び方

カメラには、手ブレしない限界とされるシャッター速度があります(1/レンズの焦点距離・秒)。物理的に光学系を駆動するタイプの手ブレ補正機構が付いているカメラでも、それより2~3段分遅いシャッター速度が限界で、また必ずしも完璧にブレが止まるわけではありません。そこで、どんな低速シャッターでも、確実に手ブレを止めたいと思うなら、三脚を使って、カメラを固定するのが唯一の方法となります。また、望遠レンズやマクロレンズの場合、シャッターを切る前にファインダーを覗いている時点でも、手ブレによって画面が激しく揺れ、それゆえに高速シャッターで撮影して、ブレそのものは防ぐことができても、シャッターを切った瞬間に構図が狙いからズレてしまう場合が、かなり多くあります。このような場合に、構図を安定させる目的としても三脚の使用が有効です。

三脚を選ぶ場合は、とにかく軽い製品のほうが持ち運びがラクで良いと思われがちですが、撮影時のブレ防止効果を重視するなら、カメラの重さに合わせたサイズ・重量のものを選ぶのが正解。普及型デジタル一眼レフに標準ズームレンズを付けた場合と、プロ用高級一眼レフに超望遠レンズを付けた場合では明らかに重さが違うので、使って便利な三脚もそれぞれに違います。三脚は、製品ごとに積載可能重量の上限が決められているので、小さな三脚に重いカメラを載せると、風が吹いただけでもブレやすくなるほか、最悪の場合、脚の部分より頭のほうが重くなって、カメラごと転倒する場合もあります。実際、水平方向にカメラが向いている場合は意外と大丈夫そうですが、下向きのアングルにカメラをセットすると、サイズが合わない三脚ではバランスを崩して、前向きに倒れてしまうことも多いようです。ただし、三脚は常に「大は小を兼ねる」というわけではありません。大きい三脚は、概して重くて持ち運びに不便で、しかも価格は高くなります。だから、使うカメラに合わせて、必要な三脚を選ぶのがベストということになるでしょう。

三脚を持っていると、風景撮影の場合では、被写界深度が広くなる小さな絞り(数字は大きいほう)と低速シャッターを組み合わせて、隅々までピントが合った写真を撮影することが可能。また、夜景や花火、あるいは天体写真(星の軌跡)などの撮影では、三脚は必ず必要になります。

三脚の選びどころ

サイズ・重さ
ベルボン EL Carmagne645

脚を伸ばしたときの全長が、自分の身長に合っているほうが、撮影はラクです。身長の高い方が小さな三脚を使うと、姿勢が中腰になるので、長時間の撮影では疲れやすくなります。

三脚は、電気掃除機の付属品に入っている最も長いパイプと同様の多段式構造で、脚を数段階に短く縮めて収納できるようになっているので、選ぶ際は収納時の長さも重要。なるべく短くできたほうが、徒歩での持ち運びはラクでしょう。

重さは、脚の太さにほぼ比例します。重いカメラを使う場合は、脚が太い三脚のほうが安心。材質も注目したいところで、カーボン製の三脚なら、大型でも比較的軽いので持ち運びにも便利です。

写真: ベルボン EL Carmagne645


ステーの有無
スリック プロ333DX

三脚には、3つの脚がそれぞれ別々に開くタイプと、3つの脚がステーと呼ばれる支柱によって連結されたタイプがあります。ステーなしのタイプは、それぞれの脚が違う角度に開くので、斜面に設置するときや、超ローアングルの場合でも、使い勝手が自由になります。

ただし、セッティングには少々手間がかかります。ステーありのタイプは、脚を1つ開けば、連動してすべての脚が開くので、操作に慣れていない方でも容易に使用できます。

写真: スリック プロ333DX


エレベーターの有無
スリック ザ・プロフェッショナル

三脚では、カメラを載せる雲台の下に1本のポールが連結されていて、これを上下することで高さの微調整が可能。

この微調整を行う方法として、クランクの回転のみで動かすことができるエレベーター付きタイプと、手で雲台を持って引き上げたり、押し下げたりしてポール全体を動かすタイプの2つがあり、これも三脚選びのポイントとなります。

写真: スリック ザ・プロフェッショナル


ネジ式とツメ式

三脚の脚を伸縮させるときは、伸ばした脚が自重で再び縮まないように固定します。そこで脚を固定する方法には、ネジ式(ナット)とツメ式(レバー)の2タイプがあります。

どちらが良いかは、使う方の好みの問題で、現在の製品では強度的には大差はありません。ただし、使用実感としては、ワンタッチで操作できるツメ式のほうが、セッティングと撤収が早くできるように思われます。


雲台
ベルボン QHD-51

ほとんどの三脚では、脚の部分と、カメラを載せる雲台の部分がセパレート構造になっています。
多くの製品は、3ウェイ雲台を採用し、前後(上下)・縦横(画面位置)・左右の各方向の動きを、3つの別々のネジで開放・固定する方式が基本です。購入時には、このタイプの雲台が最初からセットされています。

風景など、同じアングルで複数カットの写真を撮る機会が多い場合は、このタイプが便利でしょう。雲台には、単体で販売されているオプション製品もあり、ネジ1つであらゆる方向への動きを開放・固定する自由雲台などを選んで、雲台だけ付け替えることもできます。

自由雲台は、動物など動きの激しい被写体を望遠レンズで撮影する場合などに向いています。

写真: ベルボン QHD-51


あると便利な関連製品

ケース
スリック ザプロフェッショナルケース

三脚は、むき出しのままだと運びにくいので、専用のケースに入れたほうが携行には便利です。ケースは、三脚の収納時の長さに合わせたサイズを選びましょう。
ケースのほか、三脚専用のストラップで縛って、ケースの代わりとする方法もあります。

写真: スリック ザプロフェッショナルケース


卓上型ミニ三脚
スリック ミニ

小さくても意外と頑丈で、普及型デジタル一眼レフくらいの重さなら余裕で対応できます。テーブルの上に置いて、セルフタイマーで記念写真を撮りたい場合などに便利。
直にカメラをテーブルに置く場合より、アングルの調整が自由にできます。

また、バッグに入るサイズなので、旅行などに持っていくと屋外でも重宝する場合があります。
ベンチや石造りの柵など、ちょっとした平面があれば置けるので、展望台などから夜景を撮影する場合にも活躍してくれるでしょう。

写真: スリック ミニ


一脚
ベルボン ULTRA STICK 50

脚が3つの三脚に対して、脚が1つの製品を一脚と呼びます。これは、超望遠レンズを使った撮影などで、画面の揺れを防いで構図を安定させたい場合などに、あると便利です。

三脚よりかさばらなくて良いのではないかと思われることもありますが、一脚は三脚とは別の用途で使うものと考えるのが適切でしょう。重い三脚を持ちたくなくて軽さだけで選ぶのであれば、一般の方の場合は、どちらかというと、一脚より卓上型ミニ三脚のほうが使う機会が多いかもしれません。

写真: ベルボン ULTRA STICK 50


コンパクトカメラ専用三脚
キング 超小型ニューリーチ5段三脚 ガンメタリック

コンパクトデジタルカメラのボディは、三脚の雲台よりも奥行きが薄い場合があり、広角側で撮影すると、画面に雲台が写ってしまう可能性もあります。

そこで、コンパクト機の場合では、雲台が小さい専用タイプの三脚がおすすめ。カメラに合わせて三脚も細くて軽い設計なので、持ち運びにも邪魔になりません。ちなみに、重い一眼レフでこれを使うと、転倒しやすくなります。

写真: キング 超小型ニューリーチ5段三脚 ガンメタリック


 
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