写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2007.02.17
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
写真撮影の腕前を上達させるには、止まっているものより、動くものを撮るのが早道。露出や構図の変化が豊かになるだけでなく、シャッターチャンスのタイミングがそのまま結果に出るので、動くものを撮ると、カメラの特性や撮影する人自身の操作感覚が、確実に鍛えられます。
そんな「動く被写体」の中でも、趣味写真の王道とも言えるのが鉄道写真。「世界の車窓から」などのテレビ番組もあるように、もともと鉄道に関心がある方は多いのですが、本格派の鉄道ファンならずとも、旅行ついでに乗り継ぎ待ちのヒマつぶしで、めったに見ない列車を写真に撮ってみるのも、また良い思い出になるかもしれません。
今回は、静岡県にあるキタムラのショップスタッフが撮った、知る人ぞ知る、大井川鉄道の写真をご覧いただきながら、鉄道写真の魅力についてご紹介したいと思います。
大井川鉄道は、静岡県の内陸部を走る私鉄路線で、JR東海道本線の金谷から千頭、そして、さらに山奥の井川までを結んでいます。昔から、蒸気機関車(SL)を営業運転していることで知られ、時代物の映画やテレビドラマなどでも、昔の列車や駅のシーンでは、必ずと言っていいほど、この大井川鉄道のSLが登場します。また、大井川鉄道は全線が電化路線であるため、SL以外にも、いろいろなタイプの電車が見られるのも特徴で、全国各地の私鉄を引退してはるばるやってきた電車が、いまでも昔の塗装のまま、ここで現役復帰して走り続けています。
沿線は、日本茶の名産地であり、また温泉地としても名を知られますが、いまでは、大井川鉄道の路線そのものも一つの観光名所になっていて、日本全国の鉄道ファンから人気を集めています。
かつて、旧国鉄がSLの使用を廃止した後、最も早い時期からSLを復活運行していたのも大井川鉄道。そして、まだ「町おこし」という言葉すらなかった時代から、観光客誘致に鉄道を活用していたのも大井川鉄道で、いまでは、観光路線として他に類を見ないブランド力を持つまでになっています。
大井川鉄道が走っている静岡県下のキタムラショップスタッフが、休日を利用して撮影した写真で、昔ながらの姿をいまに伝える列車たちを紹介しましょう。ここにあるのは、撮影された写真のごく一部ですが、店舗ブログには、さらにたくさんの写真が掲出されていますので、興味のある方はリンク先の店舗ブログも合わせてご覧ください。
SL(蒸気機関車)は、石炭を燃料として機関車内の釜で火を焚き、お湯をわかして蒸気の力で走ります。そのため、走行中には煙と水蒸気が、煙突からモクモクと力強く立ち上ります。
この煙を画面内に収めるのが、迫力あるSL写真を撮るためポイント。よって、気温が下がり、人が吐く息も白くなる冬のほうが、SLらしい写真になります。この写真のSLはお正月に運転されたものなので、先頭に祝日の国旗が掲げられています。撮影場所は、単線で鉄柵のない架橋、さらに架線の電柱も列車の向こう側に1本ずつ立っているという、とても写真に撮りやすく、絵になる場所ですね。ちなみに、大井川鉄道のSL列車では、客車にも昔懐かしい旧型車両が使われているのが特徴で、この本物へのこだわりが映画やドラマの時代考証で、ロケに選ばれる理由ともなっています。(引用元/浜北・浜北店)
SLの場合、ほかの機関車と違って、前と後では形が大きく異なります。基本的には、前出の写真のように煙突側を前にして、運転台が後ろになるように走るのですが、大井川鉄道では、終点の千頭駅に蒸気機関車を180度回転する現役の設備がないため、復路ではSLはバックで運転することになります。
そのため、この路線のSLは、石炭を積む部分が小さく、バックでも運転しやすい小型機関車が多くなっています。この写真で見られるような後ろ向き走行も、大井川鉄道ならではの名物シーンです。(引用元/掛川・中央店)
関西一の路線長を誇る大手私鉄の近鉄で、かつては特急用として使われていた車両にも乗ることができます。
塗装も、現役当時の近鉄特急のまま。大井川鉄道は、SLだけでなく普通列車で旅するのも、鉄道ファンの方には面白そうですね。なお、踏切付近で鉄道を撮影される方は、電車に接触しないように十分ご注意ください。
この写真も、車両下部に赤いテールランプが灯っていることから、走り去る後ろ姿を撮っていることがわかります。
鉄道写真の撮影は、くれぐれも安全第一で。
(引用元/浜北・浜北店)
これも関西の方には馴じみの深い、元は京阪電車の特急車両です。ちなみに、車内でテレビは見られないそうで、いまは「テレビカー」ではありません。
鉄道写真を初めて撮る方は、まず駅に停まっている列車の撮影から始めると簡単です。
それにしても、近鉄と京阪が同じレールの上を走っているなんて、現役時代にはあり得なかった話ですね。
(引用元/浜北・浜北店)
大阪中心部の「なんば」から、高野山入口の極楽橋まで走っていた、元・南海電鉄の特急電車。
昭和30年代の設計で年式は古いですが、高野山への急勾配に耐えるパワーを持つ、当時の高性能車両でした。これも、いわば走る産業遺産です。背景に写っている駅の建物が、ローカル線らしく味わいある趣き。
電車だけでなく、まわりの景色も一緒に撮ると、旅の写真らしくなっていいものですねね。
(引用元/浜北・浜北店)
大井川鉄道とその車両に関する詳細情報や、沿線の観光案内などについては、大井川鉄道公式ホームページをご覧ください。なお、SL列車の運転は、毎日ではないのでご注意を。また、SL列車に乗車したい場合は、事前に指定席の予約が必要です。
(各地の私鉄から移籍した旧・特急車両は、もとの路線では特急用として使われていた経緯があるという意味で、大井川鉄道のダイヤ上では、特急ではなく普通もしくは急行として運行されます。)
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。