写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
2007.07.13
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
コンパクトデジカメには、まだ機種の数こそわずかですが、本体だけで特別な装備を必要とせずに、水中撮影ができる製品があります。
デジカメでは、100枚以上の写真をメディア交換なしで連続して撮影できるので、フィルム用カメラと違って、最高36枚撮影するごとに陸に上がってフィルム交換する必要がなく、水中撮影には非常に有利。この水中対応という機能も、意外に知られていないですがデジカメならではのものなのです。そして、水中撮影可能なデジカメでは、防塵と、落下衝撃耐性にも優れているので、陸上でのレジャーやスポーツなどのシーンにも幅広く利用できます。
いまどきの防水デジカメは、昔の水中カメラとは違って、地上でもかさばらずに普通に使えますから、デジカメの防水機能は付加価値としても魅力大。そして、完全防水なら水洗いもOKで、カメラに化粧品などが付いてしまっても簡単に洗い落とすことができるので、女性の方にもおすすめです。この夏にコンパクトデジカメを買うなら、防水タイプに注目! 今回は、現在発売中の水中撮影対応コンパクトデジカメの特徴をご紹介します。
オリンパス「μ770SW」
深さ10メートルまでの水中撮影に対応。これだけの水深に耐えれば、プールのほか海に持って行っても存分に活躍できます。現行機種のデジカメで、本体のみの防水機能としては、これが最高レベル。有効画素数は710万画素、CCDは「1/2.33型」でコンパクト機としては普通サイズ。
ズーム機能は、光学レンズがワイド端38mm相当(換算値)の3倍ズーム、これに最高5倍までのデジタルズームを併用して、最大15倍までの望遠撮影に対応可能です。最高感度はISO2500まで対応し、ブレ軽減機能も使用可。防塵・耐衝撃性にも優れているので、モーターボートやジェットコースターに、カメラを入れた荷物を持ち込む場合、「この重力でカメラは大丈夫なのだろうか?」と思うようなときにも、安心できそうです。
オリンパス製は、記録画素数モードの低画素側が充実しているので、プリントだけでなく、撮影画像をWEBやメールで使いたい場合にも有利。メモリーカードは、xD-ピクチャーカード(最高2GB)を使用します。価格は、ここに挙げた3つの中では、中程度のレベル。ちなみにオリンパスでは、防水は「ミュー」シリーズのみ。その多くは陸上での水しぶき程度を想定した生活防水ですが、この機種を含めた「SW」モデルに限って水中撮影ができます。
「キャメディア」シリーズは防水ではないので、間違えて水をかけないようにご注意ください。一眼レフ各機種も、防水ではありません。
リコー「Caplio 500Gwide」
ほかの2機種とは、使用目的がちょっと違うタイプ。工事現場での記録撮影のために設計された、業務用の防水カメラです。水中撮影機能は、水深1メートルで30分以内。
価格は、特殊用途のため、この3機種では最も高額です。有効画素数は813万画素で、CCDは「1/1.8型」。ズーム機能は、光学ズームレンズがワイド端28mm(換算値)の3倍ズーム、デジタルズームが最高4倍、両ズーム併用で最大12倍となり、撮影性能も高くなっています。SDメモリーカード(最高1GB)で、撮影画像を記録。
プログラム露出のシーンモード選択は、工事記録用の特殊仕様。そのほか、オプション装備にも特色があります。最高感度は、ISO1600まで。電源は、単3形電池にも対応します。水深1メートル程度の浅瀬で水中観察するなら、ほかの機種に比べて余裕のある28mmで広角撮影ができて便利かもしれません。
ペンタックスOptio W30
水中での連続撮影が、2時間までOK! 水深3メートルまでの圧力に耐えます。価格は、この3つの中では最もお手頃な水準。
画像センサーは、有効710万画素の1/2.5型CCDで、最新のコンパクトデジカメとしてはスタンダードな機能。光学ズームレンズの焦点距離は、35ミリ判換算ではオリンパスと同じですが、開放F値はこちらのほうが少し明るめです。デジタルズームは最高4倍、光学レンズと併用して最大12倍まで対応しています。
オリンパス製との最も大きな違いは、SDメモリーカード(SDHC仕様も可)を採用している点。最高感度は、ブレ軽減機能により、ISO3200まで使用可能です。動画撮影では、電子式ブレ補正可。このほか、顔認識AF機能、自動追尾AF機能、1センチまで接近できるマクロモードも採用。水中・陸上どちらでも、普通のデジカメの使い勝手で気軽に撮影できます。
泳ぐのが苦手な方には、これがベストかも。
水中撮影できるデジカメは、夏のレジャーに便利であることは言うまでもなく、水洗いできるメリットまで含めれば、季節を問わず潜在的ニーズは意外に多いのではないかと思われます。そして、カメラは輸出製品でもありますから、日本が冬でも、それ以外の地球上のどこかでは、常に安定して防水カメラのニーズはあるでしょう。
しかし、現状では、まだ水中撮影可能なデジカメの機種数は少なく、ラインアップは上記3点、および同じメーカーが以前発売していた旧モデルのみ。これら各機種で、防水機能以外の、デジカメとしての基本撮影性能は、エントリークラスより少し上のスタンダードクラスに相当し、一般的な撮影では画質・操作性ともに十分なレベルを達成しています。ただし、上級者の期待にも応えることが可能かどうかといえば、まだ現在は発展途上であることは否めません。露出制御は、いずれもプログラムモードのみ(シーン選択は可能)で、マニュアル露出機能は搭載なし。また、内蔵されている光学ズームレンズについても、ワイド側の起点がリコーを除いて38mmである点などにも、まだ改善の余地があります。水中では広角レンズを使う機会が多いので、防水機能の向上と合わせて、ワイド対応も今後の課題となりそうです。
前述の製品のほかに三洋電機からも、水中撮影が可能な動画・静止画兼用のデジタルムービーカメラが発売されています。ちなみに、デジタル一眼レフでは、本体のみで水中撮影できる機種は現在のところ存在しませんが、水中撮影用のハウジング(専用アクセサリー)に普通のデジタル一眼レフカメラを入れて、水中撮影することは可能。潜水性能的には、専用のハウジングを併用するシステムのほうが優れています。
水中撮影への対応は、コンパクトデジカメならではのメリットを発揮できる分野なので、これからの新製品の登場にも期待したいところです。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。