デジカメプリント・フォトブック・カメラのことはおまかせ!
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写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2007.08.17
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ！
雨上がりの空に大きな虹が架かったときとか、夕日がグリーンフラッシュになったとき、それから突然、円盤型の未確認飛行物体が出現したとき（？）。あなたが、もし、その場に居合わせて、都合よくカメラを持っていたとしたら、きっと絶対、写真に撮りたいと思うはず！ というわけで、千載一遇のシャッターチャンスを前にしたときに、舞い上がって慌てることなく、冷静に「証拠写真」が撮れるように、ひとまず非日常のシーンに対応できる、スピーディーなカメラの操作も予行演習してみましょう。
誰が見ても驚くような被写体は、待っていても現れてはくれません。すべては、偶然の賜物。写真を撮る用意ができていないときにこそ、シャッターチャンスは訪れがちで、さらにはカメラを持っていないときのほうが、なぜか写真に撮りたいシーンに遭遇しやすいものです。だから、珍しい光景を写真に撮りたいと思っている方は、とりあえずカメラをいつでも持ち歩くことが、その目的を果たすための近道。そして、二度とはないシャッターチャンスを確実に生かしたいなら、カメラの操作も、ムダのない流れるような動きで、迅速かつ正確に行う必要があります。幸い、現在のカメラでは、全自動撮影が設計仕様の基本になっているので、これを上手に使いさえすれば、きっと誰でもビックリするような写真が撮れる。。。かもしれません。ただし、そういうシーンに、いつどこで出会えるかは、完全に運まかせなのですが。
「こんな風景を見たら、きっと、誰でも写真に撮りたくなるはず！」という、まるで絵に描いたようなシャッターチャンスの例を、実際に、ご覧いただきましょう。キタムラの富山・豊田店のスタッフが撮影した、魚津名物の「蜃気楼」（しんきろう）です。ここは、日本国内で蜃気楼が見られる場所として、広く知られています。しかし、地元在住でも、そう滅多に見られるものでは、ないみたいですよ。写真は拡大しているそうなので、少し画像が粗くなっています。
海上を航行する、貨物船の影。こちらは蜃気楼ではない、本来の船の形をした、普通の見え方です。
これが蜃気楼。船の喫水線より上の部分が伸び上がって、いくらか背が高くなって見えます。2つの写真を比べると、こちらは空中を航行しているようにも見えます。蜃気楼は、空気が温度差によって2つの層に分かれているとき、光の屈折に影響することで、遠くにあるものの見え方が変わってしまうという光学的な自然現象です。蜃気楼は「見え方」の変化なので、もちろん、船が本当に浮いてしまうのではありませんし、また、船に乗っている人が、蜃気楼の中にいると自覚することもありません。「逃げ水」も同様の現象で、蜃気楼のミニサイズ版です。
自然現象や未確認飛行物体（？）などに遭遇したときには、その被写体を、じっくりと作品的に凝った構図で撮るだけの余裕がない場合が多いと思います。前述の蜃気楼の場合も、蜃気楼が発生する気象条件が整ったところに、タイミングよく船が通過してくれないと、蜃気楼を見ることはできません。自然現象の場合、それだけシャッターチャンスも少ないと言えるでしょう。したがって、限られたチャンスを生かして素早く撮影できるよう、このようなときはカメラを信用して、原則的にはフルオートで撮影する場合が大半となるはずです。写真は、狙ったものが写ってこそナンボのもの。マニュアル設定で露出や構図に凝れるのは、十分な余裕があるときだけです。そうであれば、たった1枚が撮れるかどうかというチャンスに賭けるなら、せっかく、いまのカメラにはフルオート機能が付いているのですから、撮影経験の長さに関わらずそれを活用するのが、やはりベストでしょう。そこで、こうした急な撮影に役立つカメラの機能を、以下にまとめてご紹介します。
とっさのシャッターチャンスへの対応力について言えば、一眼レフ（デジタル・フィルムどちらでも可）のほうが、光学ファインダーを使える点で、圧倒的な強みがあります。液晶モニターでは動く被写体の表示が少し遅れる場合がありますが、レンズを通った光学像をそのまま見ることができる一眼レフなら、シャッターを切る前後も含めて、被写体を確実に観察できます。以下は、一眼レフでは、必ず搭載されている機能です。
ファインダーの中に、複数のターゲット指標が設けられているＡＦフレームを、全部使ってピント合わせを行う設定で、ＡＦフレーム選択機能の中に専用モードがあります。メーカーや機種により、ワイドフォーカスエリアと呼んでいたり、ＡＦフレームの自動選択機能と呼んでいたりします。ＡＦフレーム1つを手動操作で任意に選択しようとすると、それなりに手間もかかってしまいますが、自動選択モードにセットする操作なら素早くできるので、急なシャッターチャンスでは、このＡＦ機能を使うと便利でしょう。画面を横切って動く被写体へのＡＦ追尾も、自動選択モードに設定しておけば確実に動作します。ちなみに、じっくりと構図を考える余裕があるときは、任意選択のほうが便利なこともありますので、状況に応じて使い分けてください。
自分で露出を確認する余裕がないときは、プログラムＡＥに任せれば、最も失敗を少なくすることができます。プログラムＡＥなら、とりあえず手ブレはしないシャッター速度が自動的に選ばれるほか、絞り優先ＡＥのように、絞り値の開き過ぎ、または絞り過ぎで、測光した結果のシャッター速度が連動範囲外になってしまうリスクも防げます。プログラムＡＥを最も正確に動作させるには、多分割系測光（メーカーにより呼び名が異なる）とワンセットで使う必要があるので、いつもはマニュアル露出と中央部重点測光、またはスポット測光を使っているという方は、急なシャッターチャンスで、露出モードをプログラムＡＥに切り替えたときには、忘れずに測光モードも多分割系に切り替えましょう。プログラムＡＥとスポット測光を組み合わせると、被写体が真ん中にない場合に、大きく露出を外してしまう場合があります。
現行機種の自動露出機能には、測光値1つへの連動だけでなく、露出補正（写真の明るさを変えること）も自動化して、最低でも3コマを連続して撮影できる機能が付いています。この機能を使うことで、露出計の測光値に生じた誤差が原因となる、自動露出のミスも防止できます。ここで連続撮影したうちの1コマでも、露出が「当たり」であれば、撮影は成功です。この機能は、カメラ本体と取扱い説明書には、「ＡＥＢ」「ブラケット」などと書かれています。
以上をまとめると、急なシャッターチャンスに対応するには、いわゆる初心者用の自動機能を、ひと工夫して使うということになると思います。状況に応じて、カメラに任せられるところは任せるという撮り方が、いまどきのカメラを使いこなして、撮りたいものを確実に撮るための最大のコツ。初心者もベテランも、手が回らないときは、カメラの自動機能に頼ってＯＫというわけです。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。
