写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2007.09.21
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
普段は何気なく使っている「写真」という言葉ですが、これ以外にも、写真を表す同義語がいろいろとあります。それぞれ、ニュアンスが少しずつ違うので、いくつかの具体的な用語を挙げて、意味を比べてみました。今回は、いつもと少し違った趣きの用語解説です。
デジタルカメラが登場して以降、写真と同じ意味を表す言葉として使われています。広義では、写真とまったく同じ意味ですが、狭義では、デジカメの背面液晶モニターやパソコンの画面上で、再生して見ている写真のことのみを、画像と称する場合があります。この場合、紙にプリントした写真と区別して、「デジカメの画像を写真にする」などと、表現される例もあるようです。フィルムで撮影した写真を指して、画像ということは、ほとんどありません。
なお、カメラ用語で画像といえば、デジカメで撮影した写真のことだけですが、パソコン用語の場合は、写真以外のイラストや図表まで含めた、文字情報以外のファイルを、すべて画像と呼びます。パソコンの話題の中で写真について述べた文脈では、「デジカメの画像」もしくは「写真画像」と表現して、パソコン一般の画像と区別したほうが、誤解を少なくできるでしょう。
写真に対して、特に趣味というほどの関心がないパソコンユーザーの方にとっては、デジカメの写真も、マウスで描いたCGも、ファイル形式が同じなら、感覚的にはどちらも同じ画像(テキストの対義語)でしょう。この場合、写真という言葉が、かつてフィルムの時代に持っていた芸術性や記録性のニュアンスは、画像という言葉には、もはや重なっていないと考えるべきかもしれません。
動画撮影機能のあるコンパクトデジタルカメラでは、普通の写真(画像)を指す用語。仕様を説明する場合に、動画機能と区別するために、普通の写真を特に静止画と呼んでいます。ビデオカメラでは、通常の動画撮影の付加機能として搭載されている、高画質静止画撮影機能を利用して撮った写真のことを表します。いずれも、静止画であれば、フィルムと同等の高画質で紙にプリントできます。
動画は一時停止すれば、モニター上に静止状態で再生することもできますが、現在では一時停止した動画1コマのことを指して静止画ということは、ほとんどありません。なお、デジタル一眼レフおよびフィルムカメラでは、動画撮影ができないので、あえて写真を静止画という表現は、あまり一般的ではないようです。
前述の静止画と同じ意味。テレビや映画などは、動画専用カメラやビデオカメラなどで撮影されますが、ロケの際に番組宣伝用の写真を、普通の写真用カメラで同時に撮影することがあります。その写真を、動画の本編映像に対して、スチルまたはスチールと呼びます。この言葉を、アマチュアの一般カメラユーザーが使うことはまれなので、基本的にはプロだけが使う業界用語でしょう。番組のエンディングに流れるテロップを、全部じっくり見ていると、スチルを担当した撮影スタッフの名前も入っていることがあります。
もとは、戦前の昭和初期において1年半だけ出版されていた、伝説の芸術系写真専門雑誌のタイトル。転じて、芸術志向のもとに表現された写真作品を指す意味で、この用語が使われる場合があります。写真を芸術の1ジャンルとして考える場合、絵筆を持ち人の手で描く絵画に対して、写真は光と化学反応を使って「自動的」に絵柄を描く表現技法となるもの。それゆえに光で描画するという意味で、光画という言葉が語り継がれたようです。いまとなっては、淡いノスタルジーさえ感じさせる、雅びな言葉でしょう。
ちなみに、性能の良い印刷機やコンピュータ・グラフィックスの技術が開発されるより以前の時代には、その代わりとして、光学・化学技術を応用した写真の印画法が、普通の写真撮影だけでなく、グラフィックデザインなどの用途でも幅広く活用されていたので、写真=光で描いた絵という感覚にも、現在よりは実感があったと思われます。
写真という意味を表す一般的な英語ですが、ピクチャーには、絵画や、心像(想像上のイメージ)、映画などの意味も含まれています。英語文法の中で使う場合は、後述のフォトグラフよりは、口語的で会話に向く言い方です。また、どちらかというと、芸術的なニュアンスもあるようです。
「写真を撮る」は、take a picture と表現して、テイクという動詞を前に付けます。pictureのみ1語を動詞として使うと、普通は、写真を撮るという意味になりません。なお、日本語文法の中で、外来語として写真のことを、わざわざピクチャーと表現する例は、日常会話ではまれですが、カメラの機能名にはピクチャーという表現が一部に入っている場合があります。
ピクチャーと同じく、写真を表す英語。写真のほかに、含みのある意味はありません。どちらかというと技術的なニュアンスも感じられます。フォトグラフには、フォトグラフィー(写真術・撮影術)、フォトグラファー(写真家・カメラマン・撮影者)などの派生語がありますが、ピクチャーには、撮影技術を表すような派生語はありません。
photographは、1語だけで「写真を撮る」という意味の動詞としても使われます。また、口語ではフォトグラフを縮めて、フォトとだけ言うこともあります。日本語の外来語としても、ピクチャーよりはフォトグラフが、写真という意味で使われている例が多いようです。
カメラとフィルムを使わず、印画紙だけで制作する写真作品、またはその手法のこと。写真の同義語というよりは、広い意味では写真の中に含まれる特別な技法を、特に限定して表した言葉です。
暗室内で、印画紙の上にいろいろなモノを直接載せ、そこに光を当てて、置いたモノの形を焼き付けた上で現像することにより、黒ベースに白抜きの、影絵のような絵柄をプリントすることができます。絵柄は、コンピュータグラフィックスのように抽象的なもので、白黒印画紙なら制作も比較的、簡単です。プリント上では、感光した部分が黒くなり、光がモノで遮られた部分は白く残ります。
カメラを使わないため、写真本来の写実性や記録性がほとんどないので、主として、芸術的な創作を目的とすることが多いようです。フォトグラムは、デジタルでは表現できない銀塩写真ならではの技法で、普通の撮影とは違う、もう一つの写真の楽しみ方として、暗室作業の経験がある人の間では、昔からよく知られていました。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。