写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2007.12.14
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
デジカメが本格普及してから、かなりの月日が流れました。実際に使ってみて、コンパクトデジカメの機能にどこか納得できないところがあったり、逆に、デジタル一眼レフに面倒くささを感じてしまったりという方も、そろそろ増えているのではないかと思います。そんな、人それぞれの撮影目的と、選んだ機材のミスマッチ対策として、いままで使ってきたカメラに感じている、ちょっとした不満から発想して、より適したカメラを選ぶためのガイドをまとめてみました。
コンパクトデジカメの多くは、ズームの画角調整をボタン操作で行う、電動式ズームを採用しています。これは操作そのものはラクですが、狙った位置でズームをピタリと止めることが、実はかなり苦手でもあります。風景撮影などで、電柱や煙突など余計なものを避けつつ、なるべく広い画角で撮影したい場合などには、ズームレンズによる微調整の良し悪しがモノをいいますが、こうした状況ではコンパクト機よりも一眼レフのズームレンズを使ったほうが、手動で細かく操作できるので、ストレスなく撮影できます。
フィルムカメラを使っていた経験が長い方の場合、光学ファインダーがないカメラは、構え方が違うので馴染みにくいかもしれません。アマチュア写真愛好家には、もともと中高年層が多いですから、こういう問題を抱えている方は、意外に多いように思われます。最近のコンパクトデジタルカメラは、デジタルズーム使用時の使い勝手を良くする目的もあって、液晶モニターのみでファインダーがない機種のほうが多数派。キヤノンでは、コンパクト機にも光学ファインダーを搭載した機種がラインアップされていますが、原則として、光学ファインダーで撮影したいのであれば、デジタル一眼レフを選ぶしかない方向へ、カメラ開発のトレンドは傾いています。いまフィルムカメラと同じ使い勝手という条件に合うデジカメを選ぶなら、おすすめは、やはり一眼レフです。
写真撮影では、被写体の明るさに応じて露出の調整が必要。露出を決める方法には、カメラ任せの自動露出と、自分で考えて数値を設定するマニュアル露出の、大きく分けて2通りがあります。ただし、多くのコンパクトデジカメでは、自動露出、それもシャッター操作に連動するプログラムAEしか付いていません。このため、コンパクト機を使って同じ場所で2コマ以上撮ると、微妙な画角や構図の違いで、各コマの露出が変わることがあります。1コマしか撮らない場合は、露出のバラつきに気が付く由もありませんが、複数コマの撮影となれば露出差が気になる場合もあるでしょう。もし、同じ明るさを保って連続撮影したいのであれば、マニュアル露出モードに切り替えて、先に露出(シャッター速度と絞り値)を合わせてから、必要な回数だけシャッターを切ればOK! 一眼レフであれば、どのメーカーの製品であっても、このような撮影テクニックが使えます。
カタログに書いてある撮影枚数(電池寿命)よりも、実際に撮れる枚数が少ない気がする。。。という方は、おそらく撮影時にデジカメの電源を入れっ放しにして、そのまま被写体を探して歩いている時間が長いのではないかと思われます。コンパクト機の場合、起動状態でシャッターボタンに指をかけておくと、ずっと液晶モニターを表示し続けるので、電池の消耗が早くなりがちです。すぐにシャッターが切れる状態を保ちながら、(実際には撮っても撮らなくても)いろいろな被写体にカメラを向けて見ている撮影待機の時間が長いのなら、その撮り方は、まさしく写真愛好家スタイルなので、使用機材としては光学ファインダーが使える一眼レフがおすすめです。コンパクトデジカメで電池を長持ちさせるには、液晶表示時間を短縮するのが節約のポイント。芸術表現を目的として、撮影の前に被写体を探すという作業プロセスがない、人物の記念写真などに、コンパクトデジカメは適しています。
カメラが重く感じるという方、その重さを感じるのは、カメラを構えたときですか、それともカバンに入っているときですか? 現在では、本体が重すぎて満足にシャッターが切れないカメラは存在しませんから、おそらくカメラが重いという不満が出てくるのは、収納して持ち歩いているときのことでしょう。人それぞれに、これまでのカメラの使い方をふりかえってみて、もし実際にシャッターを切っている時間よりも、カバンの中で場所をとっている時間のほうが長いようであれば、撮影の機会そのものが少ないことになるので、一眼レフよりコンパクト機のほうが便利で、お得かもしれません。コンパクトカメラでも、デジタルのコンパクトは、フィルムのコンパクトとはまるで構造が違うので、一眼レフに対して著しく画質が劣るということもなく、記念写真などに目的を限れば、十分に満足できるレベルの写真を撮ることができます。写真を撮ることを主目的に出かけるのではなく、普段の外出時に一応はカメラを持って行きたいというような場合は、コンパクト機がベストの選択です。
液晶モニターで被写体を確認できるライブビュー機能を搭載したデジタル一眼レフが注目されていますが、コンパクト機であれば、もともと液晶モニターしかないので、いつでもフルタイム・ライブビューです。小さな動物や植物を撮影するとき、あるいは雑踏の中で手を上に伸ばして景色や大道芸などを撮影したい場合には、概して不自然な姿勢でカメラを操作することになるわけですから、一眼レフよりも軽いコンパクトデジカメを選んだほうが、何かと都合が良いという考え方もあります。いまお使いのデジタル一眼レフがライブビュー対応ではないという方は、ローアングル・ハイアングル用にコンパクトデジカメも1台持っておけば、大半の撮影はこれで解決できます。
一眼レフカメラは、いくら小さく軽くなったとは言っても、さすがにポケットの中には入りません。また、交換レンズがあればバッグも必要で、重い荷物が多くなります。大きな荷物と服装のおしゃれは、なかなか両立しにくいもの。一昔前までは、カメラマンの服装というと、どこへ行くにも必然的にカジュアルウェアになってしまうもので、スーツを着て一眼レフを持つのはかなり窮屈でした。ハイキングに行くなら一眼レフも良いのですが、パーティーに一眼レフを持っていくのは、他人の目から見れば、ちょっとばかり大げさな感じだったかもしれません。しかし、いまどきのスリムデジカメなら、紳士服の内ポケットにも、女性のハンドバッグにも無理なく収納して、持ち歩きできます。そして、色やデザインは一眼レフより選択肢が多いので、服装に合わせたカメラも選べます。その上、軽さだけでなく写り具合の点でも、最新型のコンパクトデジカメは十分な精度を達成できています。いまや、カメラは画質本位だけでなく、見た目でも選べる時代。写真撮影という目的だけを優先するために、ユーザーの服装や行動範囲まで限られてしまうことは、もう過去の話でしかありません。行き先に応じて最適なタイプのカメラを使い分ければ、これまでより、きっといい写真がたくさん撮れるはずです。
一眼レフは取り外しできる部品や電気接点が多いので、基本的には水に弱い構造です。中級以上のモデルでは防滴性能を高めた機種もありますが、それも「防水」とまでは、カタログに書かかれていません。これに対して、コンパクトデジカメは、“幕の内弁当”のように、もともと必要な機能全部を1つのボディに詰め込んだ設計なので、防水への対応にも強みがあります。屋外で雨が降ってきたとき、一眼レフではカメラを保護するために撮影をあきらめることも多いのですが、一部のメーカーにみられる防水コンパクトデジカメなら、そのまま濡れるに任せても大丈夫。水しぶきに耐えることができる生活防水タイプと、本体だけで潜水もできる水中撮影可能タイプから、目的に合う機種を選ぶことができます。せっかくの旅行が雨続きになった場合など、屋外で写真が撮れないと、楽しみも思い出も一緒に流れてしまったような気分になるものですが、防水カメラさえあれば雨の街角だって、それもまたいい感じ。何でもかんでも一眼レフではなくて、ときにはコンパクトデジカメを併用すれば、雨天も最高の撮影日和になるはずです。
☆デジタル一眼レフ、コンパクトデジカメは、いずれにしても得意、不得意な使用状況があり、現状では相互に弱点を補完する関係となっています。ユーザーの皆さんそれぞれのご都合で、両者から目的に合う可能性が高い製品を選んでお使いください。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。