写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2008.04.18
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
キタムラの本部がある横浜市では、すでに桜の花は散ってしまいました。でも、まだ少し気温の低い、東北や北海道なら、春はこれから。今年の桜を見逃してしまった方も、まだ見ていない方も、お花見のアンコールで、もう一度、満開の桜に会いたい方も、ゴールデンウィークあたりに、桜前線を追いかけて旅に出てはいかが? キタムラのスタッフが撮った昨年の記録写真を例に、北国に咲く桜の魅力をご紹介します。
東京近郊では、桜の見ごろというと、学校の入学式がある4月上旬くらいになりますが、東北・北海道地域では、だいたい5月上旬、ゴールデンウィークの連休前後が、桜の見ごろになるようです。昨年の開花例として、北海道内にあるキタムラ各店のスタッフが撮影した写真を見ると、道内の地域にもよりますが、だいたい5月上旬~中旬くらいが見ごろになるようです。桜は、その年の気候しだいで開花日が変わりますから、今年の正確な見ごろ情報は、観察する場所に合わせて、天気予報などで確認してください。
桜の花びらの色は、記憶の中のイメージとしては淡いピンク色ですが、思っている通りの色を、写真で表現するのは、なかなか難しいものです。実際に撮影された写真を見ると、花の色がピンクではなくて、白や灰色に写ってしまう例が、結構たくさんあります。
桜の花は、普通、人の背丈より上側に咲くので、カメラでは見上げるようにして、空バックで撮影する場合が、どうしても多くなります。すると、背景のほうが明るいので、オートでは露出アンダーになりやすく、写真では色がくすんでしまうことが、よくあります。
しかし、だからといって、単純にプラスの露出補正をかければよいというわけでもないのが難しいところ。桜の花は、色が淡いだけでなく、花びらが薄いので透過光を伴うことがあり、プラス補正すると、花びらのピンク色部分が露出オーバーで白トビして、全体的に白っぽく写ってしまう例も見られます。ほどよいピンク色を忠実に再現して写すには、このあたりの露出のさじ加減が重要なのです。
そんな制約がある中で、桜を美しく撮影するには、花の咲き具合だけでなく、光の向きや強さ、あるいは当たり方をよく観察して撮る必要があります。桜の咲いている枝の広がりを見せるなら、晴れた日の青空をバックに選び、順光で撮影すれば、オートでも失敗は少ないようです。また、いわゆる「花ぐもり」の日に、日なたと日陰の輝度差がない状態で、花のアップを狙えば、本来のピンク色を再現しやすくなると思われます。ただし、曇りの日には、空が白色になるので、背景を広く取り込むなら、露出アンダーに注意が必要です。
都会で桜を撮影する場合、ビルなどが多いため背景が雑然としやすいので、花だけをクローズアップにすることが多くなるでしょう。しかし、地方の自然が豊かな場所へ旅行に出かけたときには、桜並木を画面に取り入れて、自然風景にからめた写真とすることもできます。
使用機材としては、一眼レフなら高倍率ズームレンズや、望遠系、広角系の交換レンズを持って行って、いろいろと画角や構図のパターンを変えながら桜の花を撮っておくと、後になって写真を見たときに、よい思い出になるでしょう。クローズアップの場合、AFでは狙い通りにピントが合わないこともありますから、光学ファインダーが使える一眼レフのほうが、マニュアルフォーカスを使って臨機応変に対処できる点で、便利かもしれません。最新機種のデジカメは、ダイナミックレンジが改善されているので、以前よりは桜の写り方も良くなっていますが、作品づくりなら露出誤差に強いネガフィルムも、捨てがたいものがあります。
桜を撮影できるチャンスは、1年に1回。しかも、満開のピークは、1~2日くらいしかありません。だから、撮りすぎを心配するよりも、気前良くシャッターを切って大量に撮影し、その中から後でじっくりとお気に入りの1枚を探したほうが、撮り逃がしたことを後悔しなくて済みます。限られた機会を存分に生かして、桜の撮影をお楽しみください!
桜の花を撮影するときは、デジカメのカレンダーと時計を、まず正確に合わせておきましょう。この日付と時刻が、撮影した写真1枚1枚の画像データと、一緒に記録されるからです。デジカメで記録された日付・時刻情報は、画像内に写し込むのではなく、データとして別に記録され、パソコンで表示して見ることができます。タイムスタンプが付いていると、後で時間軸に沿って写真を整理することが簡単にできますし、また次の機会に桜を撮影するとき、開花のタイミングを知る資料にもなるからです。
このほか、ソニーのデジカメ(一眼レフのαを含む)には、別売りでGPSデータを関連付けするためのアクセサリーがあります。これなども利用すると、単に桜の美しさを芸術的に表現するだけでなく、気候や植生についての観察・研究記録を、写真を撮る作業だけで、誰でも自動的に作れることになります。
桜を撮影した写真の画像データは、できるだけ削除せず、CDなどに転送した上で、全部保存しておいたほうが、観察の資料としては後々、活用しやすくなります。デジカメなのですから、「作品として絵になるかどうか」とは別の新しい価値観で、桜の写真を活用しても良いでしょう。その他、プリントの場合でも、気に入った写真をいくつか選んで、大伸ばしやクリスタルプリントにするなど、いろいろな用途で楽しむことができます。
北海道内には、「キタムラ」ブランドの直営店だけでも、合計21の店舗があります。お近くにお住まいの方も、旅の途中の方も、お気軽にご来店ください。キタムラの地方店は駐車場がある店舗も多いので、自家用車やレンタカーでのご来店も大歓迎です。また、「この近くで、桜を撮るならどこがいい?」といった地元情報に関するご質問も、現地のキタムラ各店でどうぞ。写真愛好家ならではの視点で、桜の穴場を発見できるヒントが見つかるかもしれません。
いつもご利用の店舗と同じ品質でのデジカメプリントや、メモリーカードの補充、フィルムの調達、「レンズキャップをなくした」など、カメラまわりのトラブル対策などの際も、お客さまのお役に立てると思います。手ぶらで旅に出て、カメラは現地調達! なんていう使い方も、キタムラなら対応OKです。
北国からの桜の便りが届いたら、現地のキタムラ各店を、ぜひ訪ねてみてください。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。