写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2008.09.19
有効画素数や、光学ズーム倍率など、デジカメの機能として当たり前に書かれている数字が、カタログを開けば、たくさんあります。しかし、こうした数字の何が、どう良いのかは、意外と知られていないようです。今回は、コンパクトデジタルカメラを選ぶときに役立てるべく、仕様書を読みこなすための、基本的な注目ポイントをガイドします。実際の購入時には、候補となる複数のデジカメを比較検討する条件として、ご利用ください。
デジタルカメラは、いろいろな部品を集めて組み立てた工業製品。カメラの性能を細かく見れば、それは部品の性能で、それぞれの機種に搭載された部品が持つ実力に左右されて、カメラ全体の性能が決まります。ここでは、各搭載部品ごとに分けて、注目すべきポイントを挙げていきます。
カメラ愛好家ではない一般ユーザーの方でも、有効画素数だけは比較的、関心が高いようです。数年単位でのデジカメ全体の進化として見れば、被写体をとらえる画像センサーの面積が同一サイズでも、機種の年式が新しくなるごとに、受光素子のキメが細かくなり、その結果として、有効画素数が増加傾向にあることは確かです。つまり、新しい機種ほど、原則として有効画素数は多くなります。これを逆に考えると、「有効画素数が低い機種は古い」という見方もできるので、年式が古くなった機種の場合は、在庫があれば実売価格は下がる傾向にあります。その点で、年式落ちの機種は、画質にそれほどこだわらなければ、お買い得とも言えます。
有効画素数が機種によって変わる背景には、1画素ごとのキメ細かさのほかに、実は、別の理由もあります。それは、画像センサーそのもののサイズ。コンパクト機ではレンズを交換しないので、一眼レフの場合ほどに大きな関心を持たれることはありませんが、コンパクト機の各機種でも、画像センサーのサイズは微妙に変わっています。一般的には、画像センサーの面積が大きくなるほど、そこに集積する画素の数は増やせるので、比較的、大きなセンサーを採用している上位機種のほうが、スタンダードクラスの機種より、有効画素数が多くなります。
どの機種でも基本的に、光学レンズだけで3倍以上のズーム倍率はあります。ただし、最近では、これを上回る光学ズーム倍率を持つ機種も増えています。一般的な傾向として、ボディが薄くて四角い、いわゆる普通のコンパクトデジカメでは、光学ズーム倍率の数字は多くても1ケタだけ。光学ズーム倍率が10倍を超えるタイプでは、デジタル一眼レフに外観が似ている、高倍率ズームレンズ一体型となります。服のポケットにも入るような、持ち運びがラクな機種を好むなら、光学ズーム倍率は、あまり欲張らないほうが現実的かもしれません。なお、画像センサーのサイズが変わると、同じ画角を得られるレンズの焦点距離も一緒に変化するので、ズーム倍率の数字は同じでも、それぞれの機種によって、実際のミリ数(実質焦点距離)が微妙に変化することがあります。
ズームレンズは、望遠のミリ数にだけ関心が行きがちですが、もう一つ、レンズの明るさを表す「開放F値」も確認しておく必要があります。これは、絞りをいっぱいまで開いた状態の絞り値で、数字が小さいほど明るい像が得られます。ズームレンズは、一般的に望遠側のほうでF値が大きくなり、像が暗くなっていくので、あまり光学ズーム倍率が高いと、露出の兼ね合いで、望遠側での高速シャッターが切りにくくなってしまいます。また、内蔵フラッシュも、レンズの開放F値が暗いと、光が届く距離は短くなります。この点から、フラッシュ撮影が多い場合は、光学ズーム倍率は低めに抑えたほうが、常に明るい像を得られるので、結果的には都合が良いというわけです。
広角28mmや、広角35mmというような、光学ズームレンズの「35ミリ判換算焦点距離」は、デジカメの機能説明では必ず登場する用語ですが、いくらデジカメのボディを見ても、そういった表記はまったくありません。ボディのレンズ部に書かれているミリ数は、換算しない光学上の実質焦点距離。「35ミリ判換算焦点距離」は、フィルムカメラを引き合いに出して、デジタルカメラの性能を説明するためにカメラメーカーが使っている“宣伝文”なので、カタログやホームページにしか書かれていないのです。ただし、コンパクトデジカメの場合は、ボディとレンズが一体化しているので、換算した焦点距離がわかれば、感覚的な画角だけは理解できます。
内蔵フラッシュの物理的な発光量(明るさ)は、どれも、だいたい同じです。しかし、フラッシュ撮影が可能となる、カメラから被写体までの距離、言い換えると、光が届く範囲は、ISO感度が上がれば理論的には長くなります。そこで、コンパクトデジカメの性能を判断する場合は、フラッシュ光の到達距離を、いずれの感度を基準としてカタログに書いてあるのか、忘れずに確かめてください。一般的には、ISO100を基準に、発光量をガイドナンバーで示しますが、例外的に、オート感度の場合のフラッシュ到達限界を、フラッシュ性能として表記する機種もあります。このオート感度の設定範囲は、機種によって異なるので、結果としてフラッシュ性能の表記が、本来のガイドナンバーを反映しない場合があるのです。よって、メーカーの違う機種を比較するときは、発光量を錯覚しないようにご注意ください。
大多数のデジタルカメラでは、その発売元メーカー専用のリチウムイオン充電池を採用。このバッテリーは、デジカメの購入時点で1個だけ付属しています。違うメーカー間に、バッテリーの互換性はありません。しかし、一部の機種では、市販の単3形電池を使用するタイプもあります。単3形タイプは、アルカリ乾電池のほかに、市販のニッケル水素充電池を使用することも可能です。リチウムイオン充電池タイプでは、購入時に専用の充電器も付属していますが、単3形タイプで充電池を使うときは、その充電器も別途購入することとなります。
コンパクトデジカメには、電源を起動したとき、レンズが前に出てくるタイプと、出てこないタイプがあります。出てこないタイプは、ボディを正面から見たとき、右上の端にレンズが搭載されています。なお、防水対応モデルの場合も、電源投入時に外観の変化はありません。なお、レンズが出るタイプの場合、カタログやメーカーWEBサイトの製品写真は、電源を入れてレンズが出ている状態で写してあることが多いようです。電源を切ると、思ったよりもスリムになることが、よくあります。
コンパクト機では、ボディの色を複数の候補から選べます。ただし、カラーバリエーションが多いのは、スタンダードクラスだけで、コンパクトでも、高価なフラッグシップモデルと、お手頃価格のエントリーモデルには色の設定が1種しかないことが普通です。デジカメを、見た目重視で選ぶなら、スタンダードクラスに限るということでしょうか。なお、昔のカメラでは最も多かった黒色ボディは、コンパクトデジカメの高級機に集中しているので、黒にこだわるなら、必然的に高級機の候補が多くなるでしょう。ちなみに、色は性能に関係ありません。
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