写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
2008.10.03
カタログの仕様書に掲載されている、機能や数字の意味を知るシリーズ。コンパクトデジカメを取り上げた前々回、前回を踏まえ、今回は、デジタル一眼レフカメラの各部品が担っている機能について、話を進めます。撮像・記録系の機能については、デジタル一眼レフも、コンパクトデジカメも同じなので、ここでは一眼レフだけに付いている部品に注目。一眼レフの機種選びに、役立つ内容とします。
コンパクトデジカメになくて、デジタル一眼レフにはある固有の機能のうち、代表的なものを見てみましょう。レンズの像を画像センサーがとらえた後のデータ記録や、モニター表示に関わる部分は、基本的にはコンパクト機と変わらないので、前回、前々回の各項目も、必要に応じて参照してください。
一眼レフが、そのような名前で呼ばれているのは、ファインダーが光学式で、なおかつ一眼レフ方式だからです。これは、レンズが結ぶ像を、ボディ内のミラーを介してスクリーンに投影し、光学ファインダーで覗いて見る仕組み。ファインダーの中は、光学像を映す部分と、測光した露出値を表示する部分で構成されています。使用する部品の種類によって2タイプあり、普及機では合わせ鏡のペンタミラー式、高級機ではガラス素材のペンタプリズム式となっています。プリズム式のほうが、被写体を明るくクリアに映し出すことができ、ピントの芯(ヤマ)もわかりやすいので、マニュアル操作が多くなる、夜景などの撮影が難しいシーンでも適切に対応可能です。しかし、主に晴れた日の屋外などで使用し、ほとんどAFしか使わないのであれば、ファインダーは見えていれば良いので、安価なミラー式でも実用上は問題ありません。
コンパクトデジカメでは、撮像機能を担う画像センサー(フィルムに相当するもの)として、実質的にCCDだけが採用されていますが、一眼レフの場合は、CCDとCMOSの2タイプがあります。CMOSを採用している例は高級機に多いようですが、キヤノンEOSシリーズだけは、普及機も含めた全グレードでCMOSを使用。ユーザーニーズの多い普及機だけを見れば、そのほかのメーカーでは、CCDを使用している例が多く見られ、CMOSは高級機向けといった印象があります。CCDとCMOSは、画素1個ずつの信号を取り出す方式などに違いがあり、また、CMOSのほうが電力消費が少ないという特徴もあります。
現行機種のデジタル一眼レフでは、最も多いものがAPS-Cサイズ、次いで35ミリ判フルサイズが多く、APS-Cサイズのほうが小型です。そのほかに、オリンパスとパナソニックのフォーサーズ規格などがあります。具体的な画像センサーの寸法は、仕様書に必ず書いてあるので確認してみてください。画像センサーのサイズは、装着したレンズの焦点距離に対する、「35ミリ判換算倍率」と密接に関係。35ミリ判フルサイズ用のレンズを流用した場合、APS-Cサイズでは、レンズに書いてある焦点距離に対して、約1.5~1.6倍相当のミリ数(35ミリ判の感覚を想定した見かけの画角)で撮影されます。そのほかの画像センサーサイズについては、仕様書に換算倍率が書いてあるので、それぞれ確認してください。なお、一眼レフのアスペクト比(横:縦の比率)は、基本的にはフィルムの実効画面と同じ3:2ですが、フォーサーズ規格の機種だけは、コンパクトデジカメと同じ4:3を採用しています。この比率の違いは、プリント時のペーパーサイズに影響します。
一眼レフでは、レンズを取り外して、ほかのレンズと交換できます。ただし、レンズマウントが共通するレンズしか、装着はできません。レンズマウントとは、レンズとボディをつなぐ、連結器のような機構。その形状は、メーカーごとに異なります。したがって、ボディと同じカメラメーカー製ではなく、レンズメーカー製レンズを購入したいときは、レンズマウントの名称をはっきりと指定する必要があります。
現在の一眼レフでは、ファインダー内の四角い視野を細かく分けて、各部分ごとの明るさの違いを計算しながら、総合的に自動露出を演算する分割式の測光モードを、いずれのメーカーでも標準仕様としています。メーカーによって、この機能の名前は違いますが、仕組みや考え方としては、いずれも同じです。ただし、分割の細かさは、メーカーや機種によって異なります。一般的に、機種の年式が新しいほど、また高級機になるほど、分割精度は細かくなるのが普通です。マニュアル露出ではなく、自動露出で撮影する機会が多い場合は、分割測光の細かさが、どれくらいの数字になるのか確認しておくと良いでしょう。
一眼レフのAF機能は、コンパクトデジカメとは構造が違う、位相差検出方式という仕組みです。このAF方式では、ピント合わせの目標となる複数の指標が、あらかじめファインダーの中に示してあり、その指標を「測距点」あるいは、「AFフレーム」といいます。これは画面の中央だけでなく、周辺部にも幾つか設けられていることが、現行機種では普通です。ただし、その搭載個数は機種ごとに異なり、高級機になるほど多くなります。AF測距点の選択位置は、分割測光時には自動露出の決定にも関係するので、ピント・露出を厳密に設定したい場合は、高級機のほうが、その精度は高くなります。
一眼レフは、コンパクト機よりもシャッター速度の上限が、より高速になっています。これは、シャッターの構造そのものに違いがあって、一眼レフのほうが高速シャッターの制御に有利だからです。コンパクト機のシャッターは、基本的には画像センサーを直接制御する電子シャッターで、上限はだいたい1/2000秒程度。これは、フィルムのコンパクトカメラよりは速いですが、シャッター速度の尺度では、それほど速いわけではありません。これに対して、一眼レフでは、シャッター幕が露光量を調節するメカシャッター(フォーカルプレーンシャッター)を採用。結果として、高級機の場合は最高1/8000秒。グレードが一番低い普及機であっても、最高1/4000秒の高速シャッターが利用できます。そして、フラッシュ撮影時の同調速度は、高級機で上限1/250秒か1/300秒、普及機で1/160~1/200秒程度。高級機の場合は、日中屋外の逆光撮影などで比較的速いシャッター速度を使ってフラッシュ撮影するような条件でも、柔軟に対応できます。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。