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写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー

※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

2008.11.07

【液晶モニターを使いこなす】
直感だけに依存しないデジタル思考の撮影テクニック

デジタルカメラ、特に一眼レフタイプでは、ボディ背面の液晶モニターに、さまざまな情報が表示できます。これには、撮影した後に写りを確認するための再生画像だけでなく、各種の露出データや、画像の分析などもあるので、それらのデータを利用すると、カメラ任せの自動機能や、見た目の直感だけに頼らず、より論理的に、思い通りの写真を撮ることも可能です。そこで今回は、普段の撮影時に利用が想定される各機能に対して、背面液晶モニターに出てくる表示と、その見方を解説したいと思います。

いろいろな表示を兼用する液晶モニター

光学ファインダーが付いてるデジタル一眼レフの液晶モニターは、画像を再生表示することが第一の目的ですが、それ以外にも、いろいろな情報表示機能を兼ねています。その表示の内容は、カメラの操作に応じて自動的に変化するので、どんな場合に、どんな表示が出るかを、お手持ちのカメラで実際に確かめてみてください。なお、表示の出方(デザインやレイアウト)はメーカー・機種によって、微妙に違いがありますが、製品購入時に付いている取扱い説明書を参照すれば、わかりやすい図解が出ています。

電源起動時/カメラの設定状態の表示

主電源をONにすると、撮影可能コマ数、AFモード、撮影モード(露出モード)、ISO感度、ホワイトバランス、バッテリー残量など、カメラの設定状態が液晶モニターに表示されます。マニュアル露出モードの場合は、現在設定中の絞り値とシャッター速度も、一緒に表示されます。露出補正をセットする場合は、この状態の画面で行います。カメラを90度回転して縦位置に構えると、モニター表示が縦位置用に切り替わる機種もあります。

シャッターボタンにタッチ/自動露出データの表示

電源起動した状態で、シャッターボタンに軽く触れると、内蔵TTL露出計の測光がスタートします。いずれかの自動露出モードを選択している場合、測光値に応じた露出データの、絞り値とシャッター速度が表示されます。プログラムシフトは、この状態で行います。なお、露出データの表示は、普及機では背面の液晶モニターを使用することになりますが、高級機の場合は、背面の液晶モニターを使わないで、露出データだけを別表示する専用液晶パネルを、ボディ上面右に付けていることがあります。


  • ペンタックスのデジタル一眼レフで上位機種となる「K20D」の上面にある、データ表示専用の液晶パネル。他社でも、中級機・高級機の多くで、撮影データ用として、このタイプの表示方式を採用しています。レンズ側のズーム位置や、距離目盛りなどと合わせた場合に、カメラ全体の一覧性に優れていることが特徴です。

  • ソニーのデジタル一眼レフαシリーズで、APS-Cサイズとしては最もグレードが高い「α700」に搭載されている背面液晶モニター。この機種では、上位モデルながら、背面モニターだけの一括表示方式をとっています。他社を含めた普及機の多くは、これと同じ背面表示方式です。このタイプの表示を好む方にとっては、「α700」は他社製より、使いやすいと言えるかもしれません。特徴は、文字を大きく表示できることです。

撮影中/消灯(表示なし)

背面液晶モニターのデータ表示は、カメラを構えると自動的に消灯する機種が多くなっています(消灯しない設定も選択可能)。これは、ファインダー部の下に付いているセンサーが、撮影者の接眼を検知して作動する仕組み。液晶が表示されていると撮影中にまぶしいので、こういった消灯機能があるわけです。ファインダーから目を離すと、自動的に液晶モニターの表示が復帰します。高級機の場合は、もともと上面パネルをデータ表示用に使う仕組みなので、背面液晶モニターには、特に消灯機能がなくても問題はありません。

ライブビューモード/被写体像のリアルタイム表示

ライブビューは、搭載されている機種と、搭載されていない機種の2つがあります。搭載機では、所定の操作によってライブビューモードを選ぶと、レンズを通した被写体像を、コンパクト機と同じように、液晶モニターで見ることができます。ライブビューの選択中は、光学ファインダーは使えません。ライブビューを選んだ場合、AFフレームは、画面上の被写体像に合成表示されます。マニュアルフォーカス時に、ライブビューの被写体像がぼけているときは、レンズのピントが合っていないことを意味しています。

撮影直後/アフタービューの自動表示

シャッターを切った後すぐに、背面の液晶モニターを確認すると、直前に撮影した1コマの画像が、自動的に数秒間だけ再生表示されます。表示される秒数は、変更も可。アフタービューは、デジタルカメラなら全機種に搭載されています。これを確認することで、シャッター速度を反映した露出の良し悪しなどの判断も可能。もし、思ったように撮れていなければ、露出などの設定を変更して、再撮影します。アフタービューを使わない設定も可能で、電池の節約には有効です。

再生ボタンを操作/撮影済み画像を呼び出して表示

自動のアフタービューではなく、手動で再生ボタンを押すことによって、液晶モニター上に、メモリーカード内の記録済み画像を呼び出して、再生表示することができます。画像は、1コマずつ過去にさかのぼったり、撮影画像をまとめて一覧化したり、スライドショー機能を使って自動的に連続表示(コマ送り再生)することも可能です。また、ピントの確認などに使える、拡大表示機能もあります。なお、特定の画像を指定して削除したい場合は、この再生操作の画面で行います。

再生オプション/1画像ごとの撮影データを表示

通常の画像再生では、背面液晶モニターの画面全体を使って、写真画像を1点ずつ表示していますが、切替操作により、撮影時、画像と一緒に記録された各種の設定データを参照することもできます。絞り値、シャッター速度やISO感度などが、画像と合わせて確認できるので、撮影結果が適切であったかどうか、数値を対照しながらの判断が可能。また、画像上に、露出ミスによる白とび、黒つぶれがあったときに、写りに問題がある被写体の位置を警告表示する機能が付いた機種もあります。こうした機能を応用すると、露出補正時、どのくらいの補正量が良いか知りたいときなどに、まず1コマの試し撮りをしてみて、その撮影データをもとに補正量を加減すれば、単なるカンや経験だけに頼ることなく、より論理的な計算に裏付けられた露出補正の判断、設定が可能です。さらに、撮影データは数字だけでなく、ヒストグラムの表示にも対応しています。このヒストグラムの分布を確認すれば、液晶モニターの見た目以外の方法で、露出や発色の状態を知ることが可能。ヒストグラムの使い方に慣れておくと、明るい屋外で液晶モニターの表示が見えにくい場合でも、撮影結果だけは、数値とグラフから適切に把握することができます。


  • ニコン「D300」の、ヒストグラム表示。画像全体の輝度(明るさ)のほか、R・G・Bの3原色に分解した輝度の分布を表示します。これは、1画像を構成し得る、最も暗い画素(黒)から、最も明るい画素(白)までを横軸にとり、そのグラデーションに対応するように、縦軸には、各段階の明るさ(横軸の変化)に応じた、実在する画素の合計数をグラフ表示したもの。つまり、ある画像の中で、いちばん多くの画素数を占領しているのは、どの明るさの画素なのか? ということを、超微細な棒グラフで端的に表示しています。画像上で発色している画素は、すべてヒストグラムに反映されるので、逆に言うと、このスケールに入りきらない画素は、黒つぶれ、または白とび、ということになるわけです。適正露出で撮影された画像では、概ね、ヒストグラムの中央部にピークがある、きれいな正規分布に近いラインが得られます。もし、ピークが偏っている場合は、露出が合っていないので、露出補正などの対応策と、再撮影が必要です。この例では、ヒストグラムのピークが2つありますが、主要被写体の部分に対して、背景の部分が明るいことで、そのようなグラフになったものとみられます。しかし、2つあるピークについて、それぞれに正規分布が成り立っており、グラフの傾きが途中で不自然に切れているような部分はありません。よって、この写真の露出状態は、適正と判断できます。ヒストグラムの傾きが、変な位置で切れないように露出を調整して撮れば、ほとんどの撮影ミスは防ぐことができるのです。

オプション設定/各種の機能・モードを呼び出して表示

連続撮影やセルフタイマー(ドライブモード)、AFモード、測光モード、パラメーター、JPEGの画質、アフタービューの表示時間など、デジタル一眼レフでは、オプションで設定できる機能が豊富にあります。これらの機能は、ボタン操作により液晶モニター上に、各モードの専用画面を呼び出して設定します。高級機では、機能別に独立したボタンやダイヤルが付いている例もありますが、普及機では、設定操作の場合も、液晶モニターの役割が重要なのです。オプション設定の具体的な設定方法は、お使いの機種に付いている取扱説明書をご覧ください。

 
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