写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.01.16
前回は、とりあえずレンズ付きフィルムを使って、自己流で自由に写真を撮影してみることから、人それぞれに、自分自身の撮り方について、その特徴と傾向を知っておこうという話をしました。それを踏まえて、今回は読者の皆さんそれぞれが、より上手に撮影するために、「自分と相性がいいカメラ」を探す方法を、具体的にご紹介していきます。ここで解説するのは、あくまでも「これから趣味としてカメラ・写真に取り組みたい方」を対象としたカメラ選びですので、事務作業などの実用目的でカメラを選ぶ方の場合は、少々、感覚が違うことがあるかもしれません。その点は、あらかじめご了承ください。今回の話は、レンズ付きフィルムでの撮影を1度、ご自身で実際に経験されていることを大前提として、進めていきます。
レンズ付きフィルムを使って自分で撮影した写真を見てみると、「もうちょっと、ここを変えてみたい」とか、「ここが不満」とか、「この調子で、もっと効率良く撮影したい」といったように、何らかの感想を持つことがあったと思います。あるいは、今後も撮り続けたい被写体が、より具体的に絞りこめたかもしれません。そんな、これまでの撮影経験を踏まえた、人それぞれの要望に対応できるよう、おすすめのカメラを状況別に挙げていきます。ここで選ぶのは、つまり、レンズ付きフィルムの次は、どこへ向かってステップアップすれば良いのかということです。ステップアップする方向は、人それぞれがカメラに対して持つ要望や、個別の撮影目的などによって違います。
【回答】レンズ付きフィルムの便利なところは、もともとカメラ本体にフィルムが入っていること。フィルムカメラにステップアップすると、自分でフィルムを装填・巻き戻しする必要があります。これが面倒なら、デジタルカメラの使用をおすすめします。
【回答】レンズ付きフィルムは、フィルムカメラでは最も小型・軽量。これよりボディサイズが小さいカメラは、コンパクトデジカメの中から選ぶことになります。具体的には、いわゆるスリムデジカメがおすすめです。
【回答】レンズ付きフィルムは、フィルム1本分だけの使いきりなので、カメラを雑に扱って壊れてしまう心配をしなくても済みます。でも、本格的なカメラの場合は、ぶつけたり落としたりすれば、すぐに壊れてしまうのではないか、キズを付けてしまうのではないか? と、思うことがあるかもしれません。(実際には、どのカメラでも、そんなに簡単には壊れません。)こんな場合には、オリンパスなどから発売されている、防塵・防滴・耐衝撃タイプの、タフなコンパクトデジカメを選んで、気軽に使ってみてください。
【回答】デジカメでは、普通は、電源を入れたとき、初期状態のズーム位置が広角端になるので、そのまま撮れば、レンズ付きフィルムの画角と、だいたい同じように撮影できます。コンパクト機の中でもエントリークラスの場合は、ズームの広角端が実はあまりワイドではないので、ズーム操作を省いても、違和感なく使い始めることができるでしょう。もともとレンズ付きフィルムにはズーム機能がないので、ここでの要望に合わせるなら、デジカメの光学ズームも、欲張らずに3倍くらいを選べばOKです。
【回答】コンパクトデジカメの場合、背面の液晶モニターのみで、光学ファインダーのない製品が増えています。よって、ファインダーを覗いて撮るタイプのカメラという条件を付けると、デジタルでは一眼レフ、または高級タイプのコンパクトデジカメのみが対象になります。ちなみに、フィルムカメラを選べば、必ずファインダーが付いています。
【回答】AF(自動ピント合わせ)と自動露出が、顔認識機能に対応しているコンパクトデジカメがおすすめ。旅先などで、景色や建物と一緒に写る記念撮影なら、これが最適です。また、ライブビュー対応のデジタル一眼レフで、なおかつAF駆動中に液晶モニターの画像表示が中断しない最新式の機種に限れば、一眼レフでも顔認識機能が使えるものがあります。こちらであれば、記念写真に限らず、交換レンズの光学特性を応用して、背景をぼかした写真も撮影できます。
【回答】本格的に風景を撮る場合は、レンズを自在に交換できる、デジタル一眼レフが最適です。風景や夜景の場合、被写体の形状や大きさ、撮影時の明るさなどの都合で、AFが効かないこともあり得ます。そのため、手動操作によるピント合わせがしやすい、光学ファインダーを搭載したデジタル一眼レフで撮影したほうが、実践での使い勝手としては重宝するのです。この用途では、ミラーと光学ファインダーがある、正真正銘の一眼“レフ”がおすすめ。
【回答】レンズ付きフィルムは、晴れた日中の屋外光か、フラッシュの光で、人物の記念写真を撮影したときに最適な露出となるよう、設定が固定されています。このため、夕暮れどきや、曇天・雨天、日陰などの状況で風景を撮影しても、レンズ付きフィルムでは露光量が不足して、その場で見た印象の通りには写らないことが多くなるものです。このように、カメラの設計にとっては不都合なシーンでの撮影が多い場合は、露出調整を自在に設定できるデジタル一眼レフを、ぜひ選んでください。「絵になるシーン」というのは、概して昼間の順光ではないので、技術的には撮影が難しいもの。魅力的な写真作品は、機械にとってだけ都合の良い時間帯には、撮影できないことのほうが普通なのです。
【回答】レンズ付きフィルムのシャッター速度は固定式で、「写ルンですシンプルエース」を例に挙げれば、1/140秒となっています。このように、レンズ付きフィルムのシャッター速度は、レンズの焦点距離に対して、かなり余裕のあるハイスピードに設計されているので、撮影時にカメラ本体をしっかりと構えていれば、普通は手ブレする心配などありません。しかし、実際にレンズ付きフィルムを使って撮影した写真が、このスピードでも手ブレしているとなると、今後の撮影が心配なので、手ブレ補正機能が付いているデジタルカメラ(コンパクト・一眼レフのいずれでも可)の使用をおすすめします。購入を計画している機種の仕様一覧を確認して、光学式手ブレ補正機能(レンズシフト方式または画像センサーシフト方式)と、自動感度式ブレ軽減機能の両方が付いている製品を選んでください。
【回答】レンズ付きフィルムの場合は、1コマ撮るごとに、手動でフィルムを巻き上げます。この作業と同じくらいの時間的ペースで、ゆっくり撮影しても構わないくらいの余裕がある場合、性能的にはコンパクトデジカメだけでも十分に対応できます。
【回答】シャッター速度の高速限界、および連写性能の点で、デジタル一眼レフが最も有利です。レンズ付きフィルムより、10倍以上も速いシャッター速度で撮影することができます。一眼レフであれば、動く被写体を追尾するだけでなく、あらかじめ特定の位置にピントを合わせて待ち伏せする、「置きピン」というテクニックも活用できます。
【回答】レンズ付きフィルムは、ピント合わせをしない代わりに、F値を絞り込んだポジションで絞り径を固定しています。その結果、被写界深度が必然的に深くなるので、背景はボケません。背景をぼかすには、焦点距離が長いレンズと、小さなF値の絞りを使うのが基本なので、レンズが交換式となっているデジタル一眼レフの使用をおすすめします。
【回答】レンズ付きフィルムで撮った写真の、被写体が小さく写ることが不満なら、望遠で撮影できるカメラを選びましょう。コンパクトデジカメなら、光学ズーム倍率が10倍以上の機種もありますし、デジタル一眼レフであれば望遠系のレンズに交換して撮影することもできます。なお、デジタル一眼レフには、原則としてデジタルズームがないので、すべて光学レンズで対応することになります。購入価格に対する望遠効果という点で単純に考えるなら、高倍率ズームレンズ一体型のコンパクトデジカメがお買い得です。
【回答】デジタル一眼レフを選んでおけば、標準ズームレンズ以外にも、広角専用のレンズを別途購入することで、どのような撮影状況にも問題なく対処できます。コンパクトデジカメの場合は、搭載されているレンズが「広角28mm対応」の機種を選んでください。なお、コンパクト機の「28mm」は実質焦点距離が本当に28mmなのではなく、35ミリ判フィルム用のカメラに換算したとき、28mmレンズ相当の画角に一致するという意味です。最近は、コンパクト機でも、28mm相当より、さらにズーム広角端がワイドな機種があります。
【回答】レンズ付きフィルムでは、至近距離で撮影すると、ピントが外れて写真全体がボケてしまいます。つまり、接写が苦手なのです。こんな撮影の場合では、コンパクトデジカメか、デジタル一眼レフがおすすめ。しかし、気軽な撮影ならコンパクトデジカメのほうが、実践では、むしろ役に立ちます。それはなぜかというと、コンパクトデジカメでは、画像センサーのサイズが小さい関係で、レンズの実質焦点距離が極端に短くなり、その結果として、より被写体に接近しやすくなるからです。
【回答】基本的に、いま発売中のカメラには、すべてフラッシュが内蔵されていると考えて良いので、プロ用の高級機を例外とすれば、どの機種を買っても問題はありません。ただし、フラッシュの光が届く範囲(到達距離)には限度があるので、望遠(高倍率ズーム)とフラッシュの併用は、実際の撮影では少ないことを知っておいてください。よって、極端に倍率の高いズームレンズは、フラッシュを多用した撮影ではオーバースペックなので、フラッシュ撮影を目的として実際に選ぶカメラは、コンパクトデジカメで、なおかつ光学3倍程度のズームレンズを内蔵した機種がベストということになります。一眼レフの場合は、内蔵フラッシュよりも強く発光できる、外付けフラッシュが使えるので、より広い室内での撮影に対応できます。
【回答】フィルムカメラの場合は、レンズ付きフィルム・コンパクトカメラ・一眼レフともに、撮った写真の縦横比率は同じです。しかし、デジタルカメラの場合は、コンパクト機と一眼レフで、標準となる画面の縦横比が微妙に変わります。そのため、プリントしたときの用紙サイズも、微妙に違います。したがって、フィルムとまったく同じ縦横比で撮影したいのであれば、デジタル一眼レフを選んでください。なお、コンパクト機にも、フィルムと同じ縦横比で撮れるモードを付けた製品があります。
【回答】家庭用カラープリンターは、コンパクトデジカメをケーブルで直に接続して使うようにできている機種が多いようです。したがって、プリント用紙のサイズにもよりますが、コンパクトデジカメで撮影しておいたほうが、デジタル画像をケラレなく用紙上にプリントできる場合があります。デジタル一眼レフでは、前述のように画面の縦横比が違うので、プリントしたときに画像の一部が欠けてしまうこともあります。なお、お店プリントする場合は、どのタイプのデジタルカメラで撮影しても、それぞれの縦横比に最適なサイズの印画紙を選べるので、必ず、欠損のない画像をプリントできます。
【回答】撮影するときの構図に凝りはじめると、どうしても1コマ撮るごとに時間がかかります。仮にコンパクトデジカメを使う場合、被写体の確認は液晶モニターのみで行うので、合計した表示時間が必然的に長くなり、バッテリーも浪費しがちです。一眼レフの場合は、基本的には光学ファインダーを使うので、じっくりと構図を考えても、電池はムダになりません。この理由から、作品志向で使うカメラを1台選ぶなら、やはり一眼レフが便利でしょう。
【回答】レンズ付きフィルムで撮影した写真を現像してみて それがフィルムであるということのほうに関心を持った方も、いるのではないでしょうか。その場合は、本格的なフィルムカメラが、有力な選択肢になります。最近では、新品の機種が少なくなってしまいましたが、一眼レフ・コンパクトカメラのどちらでも、一応、フィルムカメラの機種を選ぶことは可能です。ただし、現行機種では、基本的に上級者向けの高級機と、マニュアル操作専用機しか残っていません。より安いカメラを求めるなら、中古品も候補に入れて探してみてください。リバーサルフィルムで撮影してスライド上映したり、白黒写真の焼き付けを自分でやりたい場合は、フィルムを使って撮る必要があります。
【回答】この要望を満たす機種としては、いわゆる「トイカメラ」を選択してください。トイカメラは、固定焦点・固定露出方式なので、原則として、写り方はレンズ付きフィルムと同じです。ただし、フィルムが内蔵式ではないので、別途フィルムを購入して撮影してください。ちなみに、キタムラではトイカメラを扱っていません。(撮影したフィルムの現像・プリントは、ご注文いただけます。)
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。