写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.03.27
春の行楽シーズンが到来。そこで記念写真を撮るときに、カメラを持っている自分自身も、一緒の画面に写りたいということが、よくあると思います。そんなとき、1人で、または数人が並んで、自分(自分たち)にカメラを向けて撮影するのが“自分撮り”。写真愛好家ではない人まで含めた、一般のカメラユーザー全体では、実際のカメラの使い方として、最も多いパターンの一つが、この“自分撮り”ではないでしょうか? カメラ・写真が趣味ではないという人も、また、“作品”と呼ぶような写真は撮ったことがないという人も、“自分撮り”だけは、必ずしますよね。この撮り方、ユーザー全体の実態としてニーズが多そうな割には、そのテクニックを知る機会がほとんどないので、一通り、確認しておきたいと思います。
カメラは機種のタイプごとに、搭載機能が少しずつ違うため、“自分撮り”のやり方にも、それぞれに違った特徴があります。“自分撮り”の方法は、2つ。カメラを持った腕を伸ばして自分に向ける方法と、三脚・セルフタイマーを使って撮影する方法です。
ちなみに、「セルフタイマー」とは、シャッターボタンを押してから、実際にシャッターが切れて撮影されるまでの間に、一定秒数のタイムラグを設定できる機能。一般消費者の方は、「セルフタイマー」という用語そのものを知らない例が、実際には多いようですが、どのカメラにも基本的に「セルフタイマー」は付いています。
一般の方の場合、セルフタイマー機能のことを、“自動シャッター”など、別の名前を付けて呼んでいる場合もあるようですね。呼び方はどうであれ、撮影時に機能を使えればそれで良いわけですが、取扱説明書には「セルフタイマー」としか書いていないので、一応、正式名称も覚えておいてください。
手持ちでの自分撮りに限れば、おそらく、デジカメよりも、こちらのほうがいちばん便利です。液晶モニターの向きを反転すれば、構図を確認しながらの撮影が可能。レンズの画角も、腕を伸ばして自分撮りする場合に、だいたい、ちょうど良い設計になっています。ただし、写真の画質は、デジカメより少し下がります。「セルフタイマー」というカメラ用語を知らない方の場合、“自分撮り”という言葉を聞いて、最初に意識するのは、この撮り方ではないでしょうか?
普通のデジタルカメラでも、一部機種には、液晶モニター部分が可動式となっているタイプがあります。そのタイプでは、携帯電話と同じように、モニター画面を見ながらの自分撮りも自由自在。撮影時には、ズームをワイド側に引いて使うのが、手持ちで上手に写すコツです。デジカメでの自分撮りは、これが最も確実。
コンパクトデジカメや、最新型のデジタル一眼レフ(ライブビューに対応した機種の一部)には、顔認識AFが付いています。これを利用して自分撮りすれば、液晶モニターを直接見ることができなくても、確実にピントの合った状態で撮影することが可能。撮影直後に液晶モニターで、アフタービューの画像を確認して、もし失敗していたら、再度チャレンジしましょう。数をこなせば、きっと上手に撮れるようになります。
顔認識機能のないデジカメで撮る場合は、普通のAF機能を使用します。レンズの中心部が、自分の正面に見えるような位置でカメラを持って撮影すれば、だいたいは問題なく自分撮りできます。このとき、カメラのピントが合った時点で、電子音を鳴らすことができる機種であれば、可動式モニターがなくても、合焦を音で確認することが可能。一眼レフの場合は、ピントが合った瞬間に、レンズのAF駆動も止まるので、その作動音を手がかりにピントを推定することもできます。しかし、一眼レフは、片手で逆向きに持ってシャッターボタンを押すのが、コンパクトデジカメより難しいかもしれません。自分撮りするなら、小型・軽量のコンパクトデジカメは必携でしょう。なお、AFの測距点が選べるなら、中央1点固定を選択しておいたほうが、AFの的中率は上がります。
デジタルカメラと比較すれば、フィルムカメラは自分撮りに向きません。なぜなら、液晶モニターがないので、現像するまで撮った写真の出来がわからないからです。また、フィルム用コンパクトカメラでは、撮影に使うレンズと、ピントを合わせるためのレンズ(センサー)が別々になっているので、自分撮りができるほどの近距離では、正しくピントを検出できません。強いて言えば、一眼レフをAFで使う条件のみ、フィルムでも自分撮りできるはずですが、その場合も、広角レンズを使用し、勘だけを頼りにして撮影するので、やはり中心を外した失敗カットは多くなりがちです。そういえば、自分撮りしている人を、よく見かけるようになったのも、撮った画像を、その場で再生して確認できるデジカメの登場後であるように思います。
セルフタイマーは、シャッターボタンを押してから、実際にシャッターが切れるまでの間に、時間差を設定することができる、ドライブモードの1つです。「セルフ」(自身)の「タイマー」(秒数をカウントダウンする装置)という名前の通り、基本的には、撮影する人が自分のカメラで写るために、カメラを置いた位置から、立ち位置まで歩いて移動する時間を稼ぐ目的で使います。このセルフタイマーの標準的な秒数は10秒前後で、どのメーカーのカメラでも同様です。フィルムカメラしかなかった昔の時代では、自分撮りといえば、この方法を使うのが普通でした。カメラを設置するには、基本的には三脚を使用しますが、面倒であれば、机やテーブルや椅子などの平らな場所に、直接カメラを置いても構いません。
最新型のデジカメには、顔認識機能とセルフタイマー機能を組み合わせた機能が付いています。これは、あらかじめ指定した人数の顔をカメラが検出したときに、自動的にシャッターが切れるという機能。記念写真を撮る場合は、カメラを設置するときに、フレーム内に先に入っている人数プラス1名(自分自身)の数を、事前にセットしておけば、合計人数の顔を検出した時点で自動撮影します。自分撮りなら、0プラス1なので、1名とセットすればOK(人数設定が自動化された機種もあります)。これなら一般的なセルフタイマーと違って、必ずしも10秒ピッタリのときレンズの前にいなくても良いので、カメラを操作する人は、ゆっくり設定作業してから、ゆっくり移動しても大丈夫です。
一眼レフの場合は、リモートコード(有線方式)を購入すれば、三脚の上などにセットしたカメラのシャッターを、離れた位置から操作して撮影できます。また、一部機種では、無線リモコンが使える場合もあります。この方法は、腕を伸ばして手持ちで撮る方法と原理的には同じですが、カメラのシャッターボタンを直接操作せずにリモコンを使うので、より自由な姿勢での自分撮りが可能です。
セルフタイマーとは考え方が少し違いますが、コンパクトデジカメの場合、動画モードを利用すれば、結果的には自分撮りと同じ画像が得られます。三脚などにカメラを固定して、動画モードで録画を開始。そのまま、撮影者本人がカメラの前に移動して、しばらく映ったり、カメラに向かって何かを話しかけた後(音声も記録可能)、カメラの位置まで戻って録画を終了すれば、一応は、自分撮りになるでしょう。このやり方では、ピントを合わせる時点では、その対象となる被写体(自分)がいないので、立ち位置に目印を置いて、先にピントだけ合わせておく必要があります。なお、動画からパソコンで静止画を取り出すことも可能ですが、記録画素数が少ないので(静止画写真の最低画素数モードと同じ)、紙にプリントすると画質が荒れてしまいます。この方法で実際に撮影する場合は、画像の使い道を選んでください。動画でOKなら、シャッター操作がないので、自分撮りはわりと簡単。
番外編テクニックですが、自分撮りの方法として、鏡に映った反射像を撮るという“反則ワザ”があります。フィルムカメラで、まずは、左右が反転した鏡の中の自分を撮影。フィルムを現像した後、プリントする段階でフィルムを裏返しにしてしまえば、左右が元に戻るので、結果的には、自分撮りしたことになります。この場合は、店頭でオーダーするとき、「何番のコマを裏焼きに」と言ってください。まあ、実際に試す人は少ないと思いますけれど、こんなやり方もあるということです。モノクロフィルムの写真を自家現像する方なら、店で注文するより簡単にできるので、気が向いたらやってみてください。デジタル写真の場合は、フィルムのような裏焼きはできませんが、パソコンと画像処理ソフトを使えば、画像の左右を反転することは可能です。
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