写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.05.01
前回は、サービスサイズのプリントをご紹介しましたが、今回は、それよりも大きなサイズとなる、本格的な引き伸ばしプリントに注目します。キタムラ各店の場合、4切(W4切)までの大伸ばしサイズであれば、店頭でのプリントが可能となっているほか、価格もサイズにより1枚500~1000円程度。「作品」を撮るタイプの写真家・写真愛好家ではないという方も、お気軽に、記念写真などの大伸ばしプリントをご利用ください。
現在、お店で注文できるデジカメプリントは、フィルムからのプリントと、基本的には同じサイズの印画紙を共有しています。つまり、撮影したカメラがデジタルでもフィルムでも、お店に注文すれば、まったく同じようにプリントできるということです。しかし、デジカメだけの例外的なプリントサイズもあり、さらにAPSフィルムが流行った当時のプリントサイズも残っているので、規格全体を見ると、ラインアップが複雑であるように思えるかもしれません。
このうち、キタムラの店頭にある機械でプリントが可能なサイズのうち、2Lより上の本格的な大伸ばしサイズでは、6切、W6切、4切、W4切(小さいほうから順)といった、4種類が基本。この4種類は、フィルムの時代から使われている定番サイズです。ほかにA4サイズのプリントもありますが、まず今回は、伝統的な4種類のサイズにのみ注目します。
ほかのプリントサイズと違って、これら4つのサイズには、「○切」という数字と日本語の入った名前が付いています。ほかはアルファベットがサイズ名になっているので、初めて聞く人には、ちょっと違和感があるでしょう。しかし、歴史だけはLサイズなどよりも、この「○切」のほうが、実は古いのです。カラープリントも、自動現像機もまだなくて、暗室で白黒写真を現像していた時代にも、こちらの規格だけはあったわけですから。では、ここでいう「○切」の数字は、いったい何のことか?
印画紙のサイズでは、さらに大きなプリント用として、半切、全紙という規格があります。このうち、一般向けの写真プリントとしては、最大の面積となる印画紙が、全紙サイズです。この全紙を基準に、最大面積から何分割したかという意味で、「○切」という名前が、各プリントサイズに付けられています。これが、何となく謎めいた6切や、4切というサイズ名の由来。ちなみに、全紙を2分割したサイズのことは、2切とは言わずに半切(はんせつ)と呼んでいます。
なお、6切、4切で「W」とついたものは、35ミリ判フィルムをプリントしても、左右が切れないワイドなサイズということを表します。フィルムのアスペクト比3:2と、印画紙の縦横比は、サイズによって微妙に違うので、フィルムの周辺部分がプリントできずに切れてしまうことがあるのですが、そんなときは「W」という特別仕様のほうを使えば、写真が変なところで途切れてしまうこともなく、思い通りのプリントが得られるわけです。逆に、余分な背景部分の多い写真なら、「W」ではないほうのサイズを使うと、自動的にトリミングした状態になって、見映えも良くなります。
本格的な大伸ばしプリントでは、最も手軽なサイズ。額に入れて飾るほか、アルバムに収めることもできます。つまり、展示用と保存用のどちらにも、そのまま使えます。また、写真コンテストの応募作品用としても、利用可能です。商品ラインアップとしては、2Lサイズの1段階上の大きさ。印画紙の規格としては歴史が長く、35ミリ判フィルムが普及する以前から、広く使われていました。
中判カメラのニ眼レフで撮影すると、フィルムの上では正方形の画面となりますが、上下のレンズで視野が微妙に変わる部分を差し引いて、適切な構図で写った部分だけプリントすると、必然的に、正方形に近い長方形の写真になります。その昔、中判白黒写真の時代に、自家現像の手焼きプリントをしていた当時は、現在の感覚なら、ちょっと中途半端な感じの6切サイズも、非常に実践的で、都合が良かったというわけです。
過去においても、正方形という印画紙サイズは、一般的ではありませんでしたから、中判フィルムで撮って自分でトリミングするのが大前提なら、6切は、どうしても必要なサイズでした。
しかし、後に、35ミリ判一眼レフが主流になると、フィルムのアスペクト比が横に長くなったので、6切サイズのプリントでは、フィルム1コマの中央部分しか印画紙に露光されないという問題が出てきました。これでも、画面中央で被写体を撮影していて、背景をそれほど重視しない場合なら、それほど大きな問題はありません。
カメラ・写真業界の一部では“初心者”と呼ばれることも多い、ごく普通のカメラユーザーの方(一般のお客様)は、人物の記念写真を画面中央で撮ることがほとんどなので、プリントの周辺部が切れても、実際には、あまり実害がないものです。しかし、風景写真を撮る愛好家の場合、自然景観には被写体と背景の明確な区別がないので、隅が切れてしまうと困ることが多くなります。そこで、改善策として登場したのが、次に紹介するW6切サイズです。
35ミリ判フィルムと、それに準ずるアスペクト比のデジタルカメラ(ほとんどのデジタル一眼レフ)に最適化された、6切サイズの特別仕様。写真をプリントしたとき、元画像の横方向(長辺)が、途切れないのが特徴です。普通の6切より、横だけが5センチほど長くなっています。縦方向の長さは、変わりません。構図に凝って撮った写真は、この「W」が付いているほうのW6切サイズを選べば、撮影した通りの写真に仕上がります。ただし、お値段は普通の6切のほうが安いので、背景がボケているだけの写真などでは、こちらではなく普通タイプを選んだほうが良いという考え方もあります。どちらが良いかは個人の好みですから、その都度、使う目的に応じてサイズを選んでください。
こちらも、6切と並ぶ、伝統的なプリントサイズ。その特徴は、普通の6切サイズに準じますが、面積がひと回り大きく、額に入れて飾れば見応えあり。この4切サイズでは、高画質のデジカメ画像を生かした、大きく迫力のある写真プリントを楽しむことができます。ただし、写真を額に入れると、全体では相当な大きさと重さになるので、一般家庭では飾る場所をどこにするか先に考えて、6切サイズと使い分けてください。大きさの目安として、事務用ファイルのA4サイズを基準にすると、プリントの4切サイズはA4サイズ以上の大きさ、6切サイズはA4サイズ以下になります(W6切サイズは少しだけハミ出します)。
4切サイズの特別仕様。キタムラの店頭で即日プリントできる、最大の大きさです(これより大きなプリントは取次ぎ)。特徴はW6切サイズと同じですが、W4切サイズでは、寸法がひと回り大きくなります。事務用ファイルのB4サイズが、大きさの目安。プリントを額に入れて飾ると、被写体の存在感が際立つほか、画像の細かな部分まで、はっきりと見えるように再現できます。これほどの大きさになると、アルバムに収めて保存することは少ないので、主に展示する用途での利用が中心となるでしょう。いつも眺めていたい、とっておきの1枚にどうぞ。
キタムラでは、6切~W4切の大伸ばしプリントでも、ご利用方法は、普通のデジカメプリントと、まったく同じです。デジカメの場合は、店頭の受付機、またはネットプリントで、ご注文ください。また、店頭ではフィルムからのプリントも可能です(主に焼増しとして)。
6切~W4切は、もともとはフィルム時代からあったサイズなので、35ミリ判フィルムとアスペクト比が同じ仕様のデジタル一眼レフの場合は、目的に応じて、いずれのサイズも自由に選べます。ただし、コンパクトデジカメの場合は、画面の横方向(長辺)がフィルムより短いので、基本的には「W」ではない普通タイプ、またはA4サイズを選んでください。
デジタルカメラの場合、最大のW4切でも、推奨画素数は意外と少なく、400万画素以上です。現在発売されている機種であれば、どのカメラであっても、この400万画素の水準は、余裕で確保できる有効画素数があります。ただし、デジタルズームを使って撮影した場合や、超高感度撮影の場合、特殊なモードで高速連続撮影した場合などでは、実際に記録される画素数が、減っていることがありますから、あらかじめ画素数(縦×横の合計画素数)を確認した上で、プリントをご注文ください。
なお、写真を入れる額は、別売りとなっています。プリント代金のほか、額代も予算に入れて、サイズを検討してみてください。
価格などの詳細は、キタムラ「ネットプリント」のページに掲載されています。
//www.kitamura-print.com/digicameprint/standerd.html
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。