写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.09.25
夏休みも終わったところで、カメラをしまう前には、ボディやレンズに付いてしまった、ホコリや汚れを落としておきましょう。今回は、簡単にできる、カメラ・レンズの手入れのやり方をご紹介します。
デジタルカメラには、本体だけで水中撮影もできる本格防水タイプと、そうではない陸上専用タイプ(普通のデジカメ)の2種類があります。基本的に、デジタルカメラは精密機器・電子機器なので、水を嫌うのですが、水中撮影ができるタイプに限っては、水で洗うこともできます。これは、つまりカメラを手入れするときに、洗ってはいけないものと、水で洗っても良いものがあるということです。以下、カメラを手入れするときのやり方を、それぞれのタイプごとに分けて解説します。なお、防水タイプでも、水中撮影ができない生活防水仕様(雨や水しぶき程度)や、防滴仕様の場合は、分類上は陸上専用として扱いますので、水をかけないでください。また、現状のデジタル一眼レフで、水洗いできる製品は、一つもありません。
一眼レフの全機種と、水中撮影ができない、普通のコンパクトデジカメが、このタイプに該当します。これらは、以下の手順で清掃します。
ゴム球にノズルが付いた道具を、手で握って開く作業を繰り返して、勢いよく空気を送り出し、ホコリを吹き飛ばすのが「ブロワー」です。(「ブロアー」と書いてある商品もあります。)まずは、これでレンズ表面と、ボディ全体のホコリを吹き飛ばします。なぜ、ブロワーから先に使うかといえば、いきなり機材を布や紙で拭くと、小さなホコリで傷をつけてしまうことがあるからです。
カメラのボディを拭くための専用クロス(布)があるので、それを使って、脂や指紋の跡などを拭き取ります。このときは、特に、洗剤のようなものを付ける必要はありません。家庭用の普通の洗剤などを付けると変色や故障のもとになるので、流用して使わないでください。このとき、カメラボディ用クロスでは、レンズを拭かないようにします(傷が付きます)。
レンズを拭くための専用クリーニングペーパー(紙)があるので、これを使って、レンズ表面の汚れを拭き取ります。拭く前に、必ずブロワーで、ホコリを吹き飛ばしておいてください。指紋などの脂分があって、レンズがキレイにならない場合は、レンズ用ペーパーに、レンズクリーニング液を1~2滴だけ付けて、少し濡れた状態で拭きます。湿ったペーパーで拭いた直後に、別の、乾いた新しいペーパーで2度拭きすると、だいたいの汚れはキレイに落ちてくれます。なお、このとき、レンズに直接、クリーニング液をたらすことは避けてください(内部に浸水します)。
一眼レフの場合は、レンズを外して、ボディの内側と、レンズの後ろ側(後玉マウント部)を、ブロワーで軽く吹いておきます。内側部分は、普通なら、それほど汚れませんから、これくらいで十分です。逆に、掃除するときに、いじり壊さないよう注意してください。レンズの後玉に指紋を付けてしまった場合は、レンズ用ペーパーで拭きますが、傷を付けないように、慎重に作業を。画像センサーを清掃する場合も、ブロワーを使いますが、そのときは、カメラの取扱い説明書を確認し、示された清掃の手順を守って、丁寧に行いましょう。デジタル一眼レフには、清掃目的でシャッター幕を開ける専用のモードがありますので、露光用のバルブ機能(B)は使いません。デジタル一眼レフのバルブ機能は、露光用に画像センサーを通電するので、ホコリを引き寄せてしまい、逆効果になります。フィルム一眼レフの場合は、裏蓋を開けて、フィルム室(装填部分)にもブロワーをかけますが、シャッター幕の本体だけは、ブロワーの風を当てたり、指で触れないでください(シャッター速度制御の精度が落ちます)。
本体だけで水中撮影ができる、本格的な防水タイプのカメラが該当します。現状は、コンパクトデジカメの一部機種のみ、この方法で手入れができます。水洗いが必要なほどの汚れが付いていない場合は、前述の陸上専用タイプと同じように、拭き取り作業だけで清掃しても構いません。
汚れが気になる場合は、まずは水洗いします。海で使った場合は、海水の塩分を洗い流すため、必ず真水(水道水)での水洗いを行いましょう。カメラは、必ず手で優しく洗うようにします。洗濯機や、食器洗い機(中で高温のお湯が出ます)の中に入れたり、スポンジやタワシでこすったりなどは、絶対にしないでください(カメラが壊れます)。洗い方は、自分の手や顔を洗う要領でOK。ただし、注意点として、水洗いするときには、メモリーカードや電池、USB接点などがある部分の蓋を、絶対に水中で開けないでください。汚れが落ちにくい場合は、指先だけで、こすって落とします。水道水の圧力を上げて汚れを落とそうとすると、浸水の原因になるので避けましょう。
洗った後は、水滴を拭き取ります。普通のティッシュペーパーで拭くと、湿気を吸ってボロけるので、より丈夫で吸水性の良い、キッチンペーパー(食器用)を使うと良いでしょう。
カメラの水気が完全に飛ぶまで、しばらく自然乾燥します。直射日光の当たらない、室内に干してください。衣類ではないので、吊るさずに置いて乾かせばOKです。電池やメモリーカードを出し入れするのは、完全に乾いてからにしましょう。ドライヤーで乾かすのは、おすすめしませんが、どうしても使いたい場合は、熱風ではなく、必ず冷風にしてください。熱風を当てると、プラスチック部品が溶けたり、変形することがあります。
水洗い作業の過程で、レンズ部分に指紋などが付いてしまった場合は、レンズ用ペーパーで拭きます。やり方は、普通のデジカメの場合と同じです。
カメラのクリーニング用品を持っていない方は、最寄りのキタムラのお店で、この機会に、お買い求めください。ブロワーと、ボディ用クロス、レンズ用ペーパー、レンズクリーニング液の4点が基本で、これらは、持っていれば必ず使います。クリーニング用品が、ワンセットになった商品もあります。わかりにくい場合は、店頭で、お気軽にお尋ねください。使い方は、それぞれの製品パッケージを見れば、詳しく書いてあります。ペーパーは使い捨ての消耗品ですが、1パック(紙の束)を購入すれば、数十回分のクリーニングに使えます。ブロワーやクロスは、使い捨てではないので、何度も繰り返して利用可能です。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。