写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.11.13
一眼レフでは、レンズマウントが共通であれば、カメラボディとレンズを別々に選んで、自由に組み合わせることができます。したがって、カメラボディを先に選ぶのではなく、まず最初に、使いたいレンズを決めてから、後でカメラボディを決めるという順番でも、購入する機材を選ぶことが可能です。しかも、レンズには、メーカー純正レンズのほかに、各カメラメーカーに対応した、レンズメーカー製のレンズもありますから、正味の光学系がまったく同じ仕様のレンズで、好みに合うカメラボディを選んで使うということもできます。そこで注目したいのが、レンズマウントそのものの仕様。今回は、メーカーの数だけ違いがある、レンズマウントのスペックを探ってみました。
一眼レフに、「レンズマウント」という部品があることは、共通しています。しかし、レンズマウントの形は各社ごとに違っていて、原則的には互換性がない、つまり、どのメーカーでも、自社製品のレンズしか使えないようになっています。このあたりが、特に初心者ユーザーにとっては難しいところで、結果としては、実際にカメラを持つ以前に、勉強しなくてはいけないことを増やしています。
カメラに詳しくない方にとって、こうした状況は、とても不思議に思えるかもしれません。しかし、一眼レフの基本概念ができたのは、もう50年以上も前のことなので、現在のパソコン周辺機器や、オーディオ機器のようには、製品規格が全体的に統一されていないのです。また、デファクトスタンダードだと言い切れるようなレンズマウントも、いまのところは、ありません。
かつては、ビデオデッキのメーカー間に、VHSとベータの覇権争いがありましたが、それと同じように、ユーザーの囲い込みを目的とした古風な競争環境が、まだ一眼レフカメラ市場には残っているのだと思えば、わかりやすいでしょう。
カメラシステム全体の設計思想として、AFや、手ブレ補正機能が使えるようになっていることは、どのメーカーの製品でも同じですが、その動作の方法や、実際に機能が対応している、個別のレンズ製品の数などには、違いが出ることもよくあります。だからこそ、ユーザー側では、カメラの購入前に、レンズマウントの性能を知る必要があるわけです。
各カメラメーカー(一眼レフカメラのボディを作っている会社)ごとに、採用されているレンズマウントの特徴を確認してみましょう。ガラス素材を使っている光学系が、ほとんど同じ設計になるレンズでも、レンズマウントが違えば、実際の撮影性能には、かなり大きな違いが出るものです。
現行機種の場合に限れば、手ブレ補正機能は、どのメーカーでも一応は対応済みなので、写真に撮った状態で「効果が得られるかどうか」は、とりあえず心配する必要はありません。ただし、シャッターを切って写真を撮る以前に、光学ファインダーや、液晶モニターを覗いている状態では、手ブレ補正の効果に、各メーカーごとの違いが出る場合があります。
光学ファインダーの像でも、手ブレ補正機能の効果をリアルタイムに反映できるのは、レンズ内蔵タイプの手ブレ補正機能を採用しているメーカーのカメラに、手ブレ補正機能付きの専用レンズを装着して使った場合だけです。レンズに手ブレ補正機能を動かすための電気を供給しているのは、レンズマウント部分の電気接点なので、この機能もレンズマウントの仕様と直接関係があるのです。カメラボディ内蔵タイプの手ブレ補正を採用している機種では、使用するレンズを細かく選ぶことなく、マウントが合うレンズは旧式も含めて、すべて撮影時の手ブレ補正が可能ですが、その代わりに、光学ファインダー像はブレます(手ブレ補正はシャッターを切ったときだけ有効)。
また、ライブビュー使用時の液晶モニターで、手ブレ補正機能の効果を反映することは、原理的には、レンズ内蔵タイプでも、カメラボディ内蔵タイプ(画像センサーシフト方式)でも、どちらでもできますが、構造の問題として、撮影用の画像センサーをライブビュー用としても兼用する方式でなければ、手ブレ補正の効果は、液晶の表示に反映されません。したがって、ソニー独自方式では、ライブビュー中に手ブレ補正は反映されないことになります。しかし、その代わりにAFセンサーは光学ファインダー使用時と同じものを常に使って、ライブビューの途中でもコントラストAFに切り替えないので、AFの精度は一定レベルに維持されます。
原則として、レンズマウントに互換性がないことを考えれば、カメラメーカーを選ぶということは、つまり、レンズマウントの性能を選ぶことになります。そのとき、どのレンズマウントを選べば、カメラを自分が使うときに、最も撮りやすくなるのか? この点は、単純にカメラボディと標準ズームレンズのセールスポイントを見ているだけでは、意外と気が付きにくいものです。したがって、新しくカメラを購入する際には、いずれ将来的に、交換レンズを買い足したときの使い勝手まで注目しておくと、自分自身の好みや、撮影目的に合わせた機材選びに役立つのではないでしょうか。
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