写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.11.27
一眼レフ用のレンズには、カメラボディを作っているメーカーが発売している「純正レンズ」のほかに、レンズ専門のメーカーが発売している、「レンズメーカー製レンズ」というものがあります。今回は、前回に引き続いて、純正レンズと、レンズメーカー製レンズの違いを確認してみましょう。
カメラメーカー純正レンズと、レンズメーカー製レンズの違いを、いろいろな観点から比べてみましょう。
交換レンズでは、レンズの鏡筒側面や、レンズキャップなどに、メーカーの社名(もしくはブランド名)が書いてあります。この社名ロゴは、純正レンズを装着した場合は、カメラボディに書いてある社名ロゴと、すべて一致するわけです。一方、レンズメーカー製の交換レンズでは、鏡筒やキャップに、レンズメーカーの社名ロゴだけが付いているので、カメラに装着した場合には、カメラ側とレンズ側で、違う社名ロゴが見えることになります。実際の撮影時に、画面内に社名ロゴが写ることはないので、レンズメーカー製レンズでも、実用上は何も問題ないのですが、人通りの多い街中で撮影するときや、人物のポートレートを撮影する場合など、カメラマン側が誰かに見られる際に、外見にもこだわる方にとっては、多少は、このような社名ロゴの不一致という点が、気になるかもしれません。
レンズメーカー製レンズが、純正レンズに比べて、平均的な描写性能の点で、著しく劣るということはありません。特に、普及クラスの一般用ズームレンズの場合は、ほぼ同等と考えて良いでしょう。ただし、最高級クラスのレンズでは、やはり純正レンズの性能が勝ることもあります。ズームレンズの性能を比較する場合は、開放F値が広角と望遠で異なるものが普及クラス、どの焦点距離で使っても一定の開放F値であるものが高級クラスとなるので、それぞれ同じクラスに相当するレンズ製品について比較し、純正レンズとレンズメーカー製レンズのどちらを選ぶか、考えてください。レンズの描写性能を知るには、カタログにある、MTFチャートというグラフを参照します。その読み方については、カタログに書いてあります。
レンズメーカー製のレンズには、標準ズームレンズもありますが、「2本目需要」、つまり、中級者・上級者のレンズ買い増しニーズに適した焦点距離のレンズが、多数、用意されています。純正レンズにはない焦点距離の超広角レンズや、魚眼レンズ、超望遠レンズ、マクロレンズなどがありますから、撮影目的に合わせて、必要な交換レンズを選ぶことが可能です。また、レンズメーカーならではの、変わり種の製品例として、原則はボディ内蔵方式の手ブレ補正機能を使う、ソニーやペンタックスのカメラでも、本来の純正レンズにはないはずのレンズ側手ブレ補正が、シグマ製の補正対応レンズを使うと可能になります。ちなみに、レンズメーカー製レンズの製品ラインアップとして、対応する交換レンズの数が最も多いレンズマウントは、キヤノン用とニコン用です。
レンズメーカー製レンズの光学性能が、純正レンズより著しく劣ることはありませんが、それ以外の操作性などの点を細かく比較すると、やはり多少の違いはあります。そのような操作性の違いは、ユーザーの好みレベルの問題ですが、購入を検討する際には、一応、確認してみてください。例えば、レンズメーカー製レンズでは、基本的に、どのカメラメーカー向けのマウント仕様でも、マウント以外のレンズ本体(鏡筒)部分は共通仕様なので、ズームリングやピントリングの回転方向、および回転角度が、純正レンズとは違うことがあります。また、フィルター枠の直径や、レンズフードの取り付け方などにも、違いが見られることがありますから、光学性能だけでなく、こうした点も確認してください。フィルター枠の直径は、すでに所有しているレンズと、なるべく一致させたほうが、特殊効果フィルターの使い回しができて便利です。
AF機能には問題なく対応できているレンズメーカー製レンズでも、手ブレ補正機能への対応だけは、まだ搭載製品が少なく、ラインアップの構成として完全ではない部分があります。したがって、手ブレ補正付きレンズのラインアップでは、純正レンズのほうが、現状においては、より充実していると言えそうです(一部には、手ブレ補正付きのレンズメーカー製レンズもあります)。とはいえ、キヤノン用およびニコン用の手ブレ補正付きレンズは、原則的にズームレンズ限定であることが多く、ほとんどの単焦点レンズでは手ブレ補正機能が使えません。その一方で、ソニーやペンタックスの場合は、手ブレ補正機能がカメラボディ側に付いているので、単焦点レンズを含めて、純正・レンズメーカー製を問わず、どのレンズを装着した場合でも、手ブレ補正は原則可能。ただし、手ブレ補正機能の対応・非対応を別にしても、ソニー用とペンタックス用のレンズ製品については、レンズメーカー全社を合わせた製品ラインアップが、キヤノン用・ニコン用に比べて、もともと少ないという一面もあります。いずれにしても、いまのところは純正レンズのほうが、手ブレ補正機能の利用を条件とするなら、選択候補となる製品が多いようです。
レンズメーカー製レンズと、純正レンズを価格面で比較した場合、焦点距離(ミリ数)と、開放F値が同じ性能なら、レンズメーカー製レンズのほうが、基本的には安くなります。ただし、必ずしも完全に性能が一致するわけではないので、価格だけが選択基準になるとも言い切れません。最近では、カメラメーカー純正レンズも、レンズメーカーに負けないほどの安さで出ている例があるので、先入観を持たずに検討してみてください。キャンペーンの期間中であれば、実質的に、純正レンズのほうが安くなる場合もあり得ます。とはいえ、あまり出番が多くない、超広角レンズや超望遠レンズを、比較的、手頃な価格で買えるのは、レンズメーカー製レンズならではのメリットとも言えるでしょう。
現在、AF対応レンズを発売している、主なレンズ専業メーカーは3社あります。特に、マクロレンズをお探しの方は、いずれのレンズメーカーについても、一見の価値あり。各社のレンズメーカー製レンズにも、純正レンズと同じく、主に普及型デジタル一眼レフで使うAPS-Cサイズ専用と、フィルムカメラでも使える35ミリ判フルサイズ兼用の2タイプがあり、さらにレンズメーカーによっては、そのほかの特例もあるので、用途に適したレンズ製品を選んでください。なお、レンズメーカー製レンズでも、絞りリングが付いているレンズ製品は少なくなっています。ニコンとペンタックスの古いカメラをお使いの方には、事前に互換性の確認をおすすめします。
製品ラインアップ、カメラメーカー別のマウント対応とも、最多となるレンズメーカー。キヤノン、ニコンはもちろん、ソニー(コニカミノルタ・ミノルタα互換)、ペンタックス、そしてフォーサーズ用の交換レンズも発売しています。さらに、シグマブランドの自社製デジタル一眼レフボディを発売しており、そのためのシグマ専用マウントの交換レンズも発売中。どのメーカーのカメラボディを使っている方にとっても、レンズ選びの楽しみを提供してくれるメーカーです。なお、シグマの自社製デジタル一眼レフでは、APS-Cサイズでも、フォーサーズでもない、独自規格の画像センサーを採用。同社はフォーサーズ規格に対しては、レンズだけで参加しています。
開放F2.8の大口径標準ズームレンズや、高倍率ズームレンズ、超広角ズームレンズなど、画質を重視したズームレンズを中心にラインアップ。レンズマウントは、キヤノン、ニコン、ソニー(α互換)、ペンタックスなどの各社に対応しています(一部に例外あり)。高級感の漂う、外観デザインも特徴。タムロンは、一般向けの交換レンズ専業メーカーというよりは、各種光学レンズのOEM生産(最終製品メーカー向けの部品供給)で定評のある会社ですが、伝統的に一眼レフ用交換レンズは、自社ブランドで製造・販売しています。
フィルターメーカーとして知られるケンコーが発売している、交換レンズのブランド。APS-Cサイズ専用レンズを中心に、現在は、キヤノン用とニコン用をラインアップしています。ソニーとペンタックスの各マウントには、現行製品は対応していません。なお、ケンコーではマニュアルフォーカス専用のフィルム用機械式一眼レフボディを発売していますが、現在、自社ブランドのトキナー製にMF専用レンズはなく、仮にトキナー製レンズを使うなら、AFレンズを流用する形になります。そして、MF機でも使用可能なレンズは、ニコンマウント仕様の絞りリング付き限定で(絞りリングのないレンズはフルマニュアル機での撮影に向きません)、なおかつ35ミリ判フルサイズ兼用タイプの製品のみ。現在では、その条件に該当するトキナーレンズの数が少ないので、ご承知おきください。また、同社からは、ペンタックスとヤシカ(コンタックス)の35ミリ判マウントに互換性があるフィルム用MF一眼レフボディも発売されていますが、これらに対応するトキナーレンズも、現在は発売されていません。つまり、「ケンコー製カメラボディ+トキナーレンズ」の、“ケンコー純正セット”では、実際に使える組み合わせが極めて少数になります。
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