写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2009.12.11
1台のデジカメを、どれくらい長く使えば、買った値段のモトが取れるのか? これは、買い替えのタイミングを計る上でも、気になる問題です。デジカメは、タイミング良く買い替えれば、メーカーキャンペーンなどの特典を利用できますし、また、いま使っているデジカメを、中古品として売りに出すことで、手に入れた現金を、新しいデジカメの購入費の足しにすることもできます。フィルムカメラと違ってデジカメの場合は、1台を壊れるまで使うより、早めに買い替えたほうが、コスト的にお得なこともあるので、買い替えどきの決断が大切。では、その判断基準を、どうすれば良いか? ということについて考えてみたいと思います。
同じ累計コマ数の写真を、フィルムカメラと、デジタルカメラで、それぞれ撮影し続けた場合について、総額でかかるコストを、ざっと試算してみましょう。フィルムカメラの場合は、最も一般的なネガフィルムを使用し、印画紙のLサイズで同時プリント(フィルム現像+全コマプリント)する条件。写真の用途は限定せず、ポジ像、つまり被写体と同じ色の画像が、肉眼で確認できる状態になれば撮影工程が完了したものとして、フィルムカメラとデジタルカメラの撮影コストを比較します。
ネガフィルムの場合は、フィルムを現像しただけ(現像のみ)では、色が反転したネガ像になるので、ポジ像を得るために印画紙プリントは必須です。つまり、フィルムの場合は、同じ被写体を撮影した重複コマや、撮影に失敗したコマでも、現像・プリントにコストがかかります。
一方のデジカメでは、液晶モニターやパソコンの画面で、ポジ像の画像を直接、見ることができるので、印画紙プリント代はコストに含めません。ここでは、「デジカメプリント」については、フィルムの場合でいう、「焼増しプリント」(同時プリントではないもの)とみなし、計算から外します。
フィルムカメラとフィルムを購入して、実際に写真を撮影し、現像・プリントまで行うと、以下の合計額に相当するコストが、最低でもかかります。
ここで、デジタルカメラの場合では該当するコストがない、フィルム購入費と、フィルム現像・プリント代金の部分に注目します。それぞれの値段の目安は、以下の通りです。(価格は、あくまで目安としてご理解ください。)
実際のフィルム購入費(製品価格)には、フィルムのメーカーや、製品の種類、撮影枚数によって、若干の差がありますが、一般的に、ネガフィルムの需要が近年は減っているので、フィルム購入費や現像代は、意外に高くつきます。フィルムには単品のほか、複数本で一組のセット品もありますが、実際の使用には注意が必要です。フィルムには、生の化学薬品が使われているため、有効期限の日付があるので、大量購入したフィルムを、その期限の日までに使い切れないで放置すると、購入費が丸損になります。フィルムの持ち腐れ防止のためには、実際に使う分だけの本数を考えて、撮影する機会ごとに買わなくてはなりません。
ここで得られた事例をもとに、フィルム1本を使うごとに必ずかかる購入・現像コストを、メーカー・製品別の価格差も考慮して、わかりやすく「単価=2500円」と仮定します。その上で、一定量のフィルムを使って撮影した時点での合計コストを算出すると、その額は以下のようになります。
したがって、カメラの購入費やバッテリー代などを含めると、ネガフィルム20本分まで使った時点で、フィルムカメラの使用にかかったコストの総額は、安くても6万円以上にはなるとみられます。ちなみに、フィルムカメラで使う電池は、単3形アルカリ乾電池や、リチウム電池(リチウムイオンではない)などの、充電しない電池が多いので、バッテリーは消耗品としてコストに反映されます。
すると、上記のコスト総額よりも、エントリークラスのデジタルカメラ(コンパクトデジカメ)の実勢価格のほうが、はるかに安いと言えそうです。
過去に買ったデジカメ1台の値段が、いくらだったのかにもよりますが、36枚撮りフィルムで10本分撮影した段階と同じ条件まで使えば、つまり、累計360コマまでデジカメで撮影すれば、安い機種では、十分にモトがとれている計算になります。ちなみに、現在販売されている最新型デジカメの価格を見ると、コンパクトデジカメの普及機であれば、1台=1万5000円前後です。
実際には、36枚撮りフィルム10本分を、どれくらいの期間で使い切るのかという問題がありますが、写真を仕事や趣味とはしない、一般消費者の方の場合では、毎日、カメラを使うわけではないので、10本分を撮影するのに、だいたい2年くらいはかかるのではないでしょうか? デジカメの製品開発スピードという点から言っても、使い始めから2年経てば、買い替え時期としては概ね適切でしょう。
以上のように、デジカメの買い替えどきは、いま使っている機種で撮影した累積コマ数を、36枚撮りフィルムに置き換えた場合の想定コストを考えて、その総額が、デジカメ本体の値段を追い抜いたかどうかで判断すれば、一応の目安にはなります。実際に計算してみると、意外にも早い段階で、デジカメ購入の初期投資額は回収可能であると、わかるはずです。
使用済みのデジカメは、中古品として売却することも可能です。したがって、適切な時期を考えられるなら、デジカメの買い替えは、決して、ぜいたくでも、モノを粗末にしているわけでも、もったいないことでもない、と言えます。キタムラでは、中古カメラの買取も行っていますので、お気軽にご利用ください。
なお、フィルムカメラの撮影コストは、使用フィルムを、ポジ(カラースライドフィルム)にした場合など、比較条件を変更すると、大きく変わることがあります。より正確に比較する場合は、ご自身で使用されることが多かったフィルム製品に合わせて、コスト総額を計算し直してみてください。
デジタルカメラを、別の新しい機種に買い替える場合は、3つのパターンが考えられます。1つは、従来機と同じグレードの新型機種への切り替え。もう1つは、同じ種類のカメラで、上位機種へのステップアップ。そして、もう1つは、コンパクトデジカメと、デジタル一眼レフの使い分けです。このほかに、フィルムカメラから、デジタルカメラへの買い替えというパターンもあります。それぞれ、カメラの使用目的や、購入予算に合わせて、検討してみてください。もし、わかりにくい場合は、いまお使いのデジカメを持って、お近くのキタムラ各店にご来店いただき、店頭でスタッフにご相談ください。
いま手元にあるデジカメの機種と同じグレードで、各搭載部品の性能が、最新仕様に進化した製品を選ぶパターンです。価格については、従来機を過去に買ったときの値段より、現在の最新機種のほうが高性能で、なおかつ安くなっていることもあります。
いま手元にある機種がコンパクトデジカメなら、同じく新しいコンパクトデジカメを、一眼レフなら、同じく新しい一眼レフを、というようにカメラの種類だけは同じものを選びながら、買い替えと同時に、上位機種にステップアップするパターンです。一眼レフについては、メーカー(レンズマウント)と画像センサーのサイズが共通する製品であれば、ボディだけを買い替えて、レンズは手元に残すことで流用できます。中古品として売りに出す場合も、一眼レフは、ボディだけを売ることができます。
コンパクトデジカメから、デジタル一眼レフへ、種類を超えた買い替えを考えている場合は、いま手元にあるコンパクトデジカメを手放すのではなく、一眼レフの購入後も、そのまま併用すれば、撮影用途に合わせたカメラの使い分けができます。コンパクトデジカメと一眼レフでは、画像センサーのサイズと、レンズの焦点距離(換算しない焦点距離)が大きく異なるので、背景の写り方などに、それぞれ違う特徴が現れるものです。デジタル一眼レフから、コンパクトデジカメへの買い替えを考える場合も、使用中の一眼レフは手放さずに、新しいコンパクト機と併用し、使い分けることができます。
フィルムカメラしか使っていない状態から、デジタルカメラに買い替えると、フィルムの購入費と現像代金がすべて浮くので、機材購入の初期投資だけは必要ですが、実際に撮影するときのコストが大きく下がります。ただし、最初にデジカメを買うときだけは、メモリーカード代が別途必要です。これまで使ってきたフィルムカメラは、中古品として売却する方法もありますが、そのまま所有し続けて、デジタルカメラとフィルムカメラを使い分けることも可能。フィルムカメラは、現在では、ほとんど生産されていない状態なので、一旦手放すと、欲しいと思ったときに中古品を再購入することは、極めて難しくなります。どちらが良いかは、各ユーザーご自身の都合に合わせて決めればOKです。ちなみに、中古でフィルムカメラを売る場合は、年式が古い機械式カメラのほうが、高い値段が付くこともあります。買取価格の査定については、キタムラの中古取扱い店にて、お気軽にご相談ください。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。