写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
2010.03.12
カメラを使って写真を撮るときには、当然ですが、その事前準備と、撮影終了後の整理・後片付けが、付いて回ります。カメラの自動制御性能が進化したので、現在では、シャッターを切って写真を撮ることだけは、本当に簡単になりましたが、それでも、撮影前後の準備と整理だけは、やはり自分自身で考えて作業する必要があるので、それなりの手間はかかるものです。では、いったい、どんなことをやれば良いか? まずは、フィルムカメラの場合を、一通り確認してみましょう。フィルムの手間を知っておくと、デジカメの便利さも、わかりやすくなると思います。
実際に撮影する前に、フィルムカメラの場合では、次のような準備作業が必要です。なお、機材のカメラは、すでに持っているものと仮定します。
フィルムカメラは、それだけでは撮像機能がない“単なるハコ”なので、撮影時には、忘れずにフィルムを装填しなくてはなりません。しかも、フィルムはデジカメと違って、ISO感度が1製品ごとに決まっていて、カラー用・白黒用などの画像タイプも、すべて1製品ごとに区別されます。そして、どんなに長くても、フィルム1本では36コマしか撮れません。そのため、どんなフィルムを、どれくらいの本数だけ用意するのか? ということを、まず撮影前に自分で考えて予想します。屋外撮影ならISO100、室内ならISO400、夜景を撮るならISO1600というように、撮影目的や使用機材によって、最適なフィルムが変わるので、これから撮る予定の、まだ実物を見てはいない被写体に対して、想像力を持つことが重要になります。
フィルムは、1回露光するだけの消耗品ですから、撮影前には必ず、未現像の新品を購入する必要があります。つまり、フィルムカメラの場合は、撮影前に1回、フィルムを買うために、写真店に行く必要があります。また、フィルムは薬品を塗布したナマモノですから、未現像状態での品質保証に有効期限の日付があるので、あまり大量に買い込んで余らせると、実質的なコストとしてムダになります。必ず使い切る量のフィルムを、撮影の機会があるごとに買うことが求められますから、ここでも想像力で先を読むことが大切です。
フィルムカメラでは、デジタルカメラと違って、充電しないタイプの電池を使う機種が大半を占めます。1980年代の半ば以降では、単3形・単4形のアルカリ乾電池や、充電しないリチウム電池が普及しましたが、それ以前の古い機種では、小さなボタン型電池だけを使う場合もあります。なお、フィルムの露光は化学反応によるので、基本的に電力は必要ありませんから、機械式のカメラをマニュアルで操作すれば、電池なしで撮影することも可能です。ただし、AF方式の比較的新しいカメラの場合は、電池がないとシャッターが切れません。したがって、できるなら電力消耗に備えて、あらかじめ予備の電池を用意することも、おすすめします。
フィルムカメラでは、撮影中に、フィルムを管理する作業が伴います。
撮影前には、カメラの裏蓋を開けてフィルムを装填し、裏蓋を閉じます。フィルムを入れ忘れると空撮りになり、何も写りません。機械式カメラのカウンターは、フィルムが入っていない状態でも動くことがあるので、注意が必要です。このとき、フィルムの箱に書いてあるISO感度をカメラにセットすることで、内蔵露出計を正常に作動させることができます。1980年代以降に登場したフィルムカメラの多くでは、フィルムを識別して、自動的にISO感度がセットされるので、感度設定はカメラ任せでも構いません。なお、デジカメとは違うので、撮影中にISO感度の変更は不可です。カメラのISO感度設定だけを変えても、フィルムの感度は上がりません。一旦フィルムを装填したら、1本を撮り終わるまでは、絞りとシャッター速度だけで、すべての露出を調節することになります。
フィルムカメラでは、絵巻物のように、長いフィルムを1コマずつ巻き取りながら撮影していくので、1回撮るごとに巻き上げ操作があります。旧式のカメラでは、手動でフィルムを巻き上げるレバーが、カメラの上部に付いているので、これを自分で操作して巻き上げるほか、外付け式のモータードライブを使用し、シャッター操作に連動して、電動でフィルムの巻き上げを行うこともできます。1980年代以降に登場したフィルムカメラの場合は、以前は外付け式だけだったモータードライブ機能を、カメラの中に内蔵しているので、手動で巻き上げる必要がなく、そのため巻き上げレバーもありません。
フィルムは最終コマ(36コマ/24コマなど)まで撮ると、軸に引っかかって止まります。そのときは、裏蓋を開ける前に、必ず、フィルムの全コマを巻き戻します。このとき、うっかりして巻き戻す前に裏蓋を開けてしまうと、フィルムが感光して、せっかく撮った画像が消えてしまうので要注意。ちなみに、裏蓋を開けてしまった場合、画像本体が明らかな実害を受けるのは表面に出ている5コマ分程度ですが、フィルムの端のほうから光が入り込んで、周辺部には、全体的に感光した跡が残ってしまいます。モータードライブ内蔵の機種では、自動操作でフィルムを巻き戻す機能が付いている場合もあるので、実際の使用時には、それぞれの機種ごとに使い方を確認してください。
フィルムで撮った写真は、現像するまで結果を見ることはできません。そこで、撮影が終わったら、現像作業を行うことになります。デジタルカメラと比べて、フィルムカメラでの撮影が、初心者の方にとって最も難しいところは、撮影直後に結果を確認できる液晶モニターのような装置が、まったくないこと。フィルムカメラのユーザーには、露出計の数字などを頼りにして、撮影時点から、見えない結果を予測する技能が求められるのです。
通常は、撮影済みのフィルムを写真店に預けて、現像を行います。(現像用の機材を揃えれば、自分で現像することもできます。)フィルムは、そのタイプによって、使う現像液の種類が異なり、カラーネガ、カラーポジ、白黒など、いずれも違う現像工程になりますから、写真店に撮影済みフィルムを持って行ったら、フィルムに合った適切な現像方法を、店頭でオーダーしましょう。ただし、カラーネガ(いわゆる普通のフィルム)の場合、お客様からは特に何も言わなければ、写真店では、「同時プリントでよろしいですか?」と確認した上で、フィルム現像と各1枚ずつ全コマのプリントとして、ご注文をお受けすることが常です。なお、フィルムのタイプによって、現像の仕上がりまでにかかる待ち時間は異なります。
一定時間後に、写真店での現像処理が終わったら、注文した店と同じ場所で、現像済みフィルムと、写真プリントを受け取って、代金のお支払いとなります。写真店で現像する場合は、オーダー時と受け取り時で合わせて2回、お客様には、ご来店の必要があるわけですが、事前のフィルム購入時も合わせると、撮影の機会が1度あるごとに、その前後で最大3回にわたって、写真店に通う計算になります。
以上のように、フィルムカメラの場合では、準備と整理のために、いろいろな手間がかかります。しかし、現在では、インターネットがあるので、事前にフィルムを購入するときに、カメラのキタムラのネットショップを利用して、宅配でフィルムを調達することもできます。プロ用のリバーサルフィルムなどを、まとまった数量で購入したい場合などでも、確実に商品を入手できるので、ぜひ、ご利用ください。ネットショップをご活用いただけば、フィルムを買うだけのために写真店まで1回、足を運ぶ手間を省くこともできます。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。