写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2010.03.19
デジタルカメラでも、写真を撮るときには、その事前準備と、撮影終了後の整理・後片付けが、必ずあります。デジカメの場合は、フィルムカメラと比べて、さほど特殊な技能を必要としなくても、簡単に写真撮影を楽しむことができますが、やはり、撮影前後の準備と整理だけは付きものです。では、デジカメの場合は、どんなことをやれば良いか? フィルムカメラにはあり得ない、デジタルに特有の付帯作業もありますから、前回で取り上げた項目との違いを比べながらご覧ください。
実際に撮影する前に、デジタルカメラの場合では、次のような準備作業が必要です。なお、機材のカメラは、すでに持っているものと仮定します。
デジタルカメラには、電力なしでシャッターが切れる製品は、一つもありません。何をするにも、とにかくデジタルでは、バッテリーが不可欠なのです。デジカメの場合、撮った画像を電子的なデータとして記録する点が、化学反応で画像を記録しているフィルムの場合とは、大きく違いますから、バッテリーの電力がなければ、それは、まさしく「ただのハコ」になるのです。また、ほとんどのデジタルカメラ製品では、バッテリーを専用充電池方式としているので、撮影前には、付属品の充電器と、家庭用電源を使って、忘れずに充電作業を行う必要があります。残量ゼロの状態から充電するには、数時間程度を要することもあるので、撮影の予定があるときには、充電時間を見越して、早めに充電器をセットしましょう。外出する直前になってから、充電忘れに気が付いても、対応策がありません。なお、一部の機種には、市販の単3形乾電池が使える機種もあるので、その場合はアルカリ乾電池があれば、すぐに撮影できます。
デジタルカメラで撮影した画像は、電子的なデータとして、SDメモリーカードや、CFカードなどの記録媒体に保存されます。これがないと、画像データを記録・保存する手段がなくなってしまうので、各デジカメ製品の仕様に合う記録媒体を、忘れずに、カメラにセットしておきましょう。メモリーカードは、基本的に、カメラ本体とは別売りで、記録可能な最大データ容量などによって、同規格のカードの中にも、いくつかの異なる製品が発売されています。記録容量が大きいカードほど値段も高くなりますから、自分自身にとってのカメラの使い方に合わせて、カードの値段と容量のバランスが良いものを選ぶのが、購入時のコツ。「大は小を兼ねる」とは言っても、本当に必要な記録容量よりも、空き容量のほうが多くてムダにならないよう、メモリーカードは、適切に使い分けてください。ちなみに、コンパクトデジカメでは、大半の機種に内蔵メモリーも付いています。ただし、その記録容量には、あまり余裕がないので、原則としては、メモリーカードを使ってください。メモリーカードの場合は、フィルムとは違って、何度でもデータを消去して再記録できますから、常時カメラに入れっぱなしで構いません。
デジタルカメラのメモリーカードは、1枚だけでも大量の画像データを保存できるので、よほど莫大なコマ数を続けて撮影しない限り、使用途中でカードを交換することはないでしょう。しかし、その代わりに、フィルムカメラの場合なら、フィルムを事前に購入する段階で行っていた判断を、撮影時点でカメラのモード設定を操作して行う必要があります。
デジタルカメラでは、自分の意思だけで、自由自在にモード設定したISO感度を、そのときの撮影感度として使うことができます。つまり、フィルムの場合なら、事前の購入時に、商品を選ぶ作業として行っていたISO感度の判断を、デジカメの場合では、撮影時点に先送りして、カメラの設定で行う必要があるわけです。ISO感度の変更は、1コマ単位で可能となります。この点を逆に言えば、デジカメの場合は、同じ感度のままで、ずっと撮り続けなくても良いということ。フィルムに慣れていると、露出設定を、絞り値とシャッター速度だけで決めようとしがちですが、デジタルならISO感度を、露出の調節手段としても使えるので、撮影場所や、時間帯、被写体の明るさなどが変わったら、忘れずにISO感度を確認・再設定しましょう。なお、デジカメの場合は、最高感度がISO6400以上という機種もあるので、フィルムでは絶対にあり得ないような、超高感度で撮影することも可能です。ただし、難点として、滅多に使わない感度で撮影した後、その設定を元の感度に戻す操作を忘れていると、延々とその異なる感度で撮り続けることになるので、解除忘れには注意が必要。フィルムの場合では、フィルム交換時にISO感度が自動的に再設定されますが、デジタルには、そういった機能がないので、自分自身で十分に気を付けるしかありません。こうしたミスを防ぐには、ISO感度設定を、自動モードにしておきましょう。
被写体を照らしている光源の種類に合わせて、画像上の色調再現をチューニングするのが、デジタルだけにある、ホワイトバランスという機能。これはフィルムでいう、デーライト(太陽光用)と、タングステン(写真電灯光用)の使い分けを、電子的なモード切替だけで行うものです。ただし、ほとんどの一般ユーザーの場合、フィルムでは、デーライト用しか使ったことがないと思われますから、基本的には、ホワイトバランスはオートに設定しておけばOKです。
デジタルカメラの画像データは、原則として、JPEG形式です。このJPEGデータは、画像センサー本来の撮像性能を基準とすれば、圧縮ファイルになるので、データ記録時に圧縮される度合いを、撮影前に決めておく必要があります。具体的には、画像のキメ細かさを意味する「画像サイズ」のモード(1画像の縦×横の記録画素数)と、画像の圧縮率(「画質」と呼ばれるもの)などです。これらの設定には、自動モードがありませんから、ユーザーが自分で判断して決める必要があります。ちなみに、JPEGモードではなく、RAWモードで撮る場合には、原則として、画質などの設定はないので、フィルムの機能をそのままデジタルに置き換える場合は、RAWモードを選ぶことになります。要するに、画質などの設定は、デジタルカメラの撮影操作というより、撮影後にパソコンで行う操作を、カメラ内の機能で先取りしたものになるわけです。この部分の考え方では、フィルム時代の知識が役に立たないので、慣れないと、少し難しく感じるかもしれません。
デジタルカメラの場合は、撮影した直後から、画像データを再生して、液晶モニターで確認できます。したがって、フィルム現像のような事後処理の工程は、少なくとも、JPEGモードで撮影してさえいれば、やる必要がありません。しかし、デジカメの画像は電子的なデータであり、その1つ1つは、再生装置がなければ画像としては見られないわけですから、撮影完了後にも継続して、画像ファイルの管理作業を続ける必要があります。
撮影した画像データを、紙の写真にプリントしておけば、再生装置がなくても、画像を定着して見ることができます。写真をプリントしたい場合には、お店で印画紙にプリントする方法と、家庭用プリンターでインクを使ってプリントする方法の2種類が選べます。キタムラのお店で、印画紙にプリントする場合は、まずメモリーカードをカメラから取り出して、そのカードを店頭にある受付機にセットし、手順に沿って操作するとプリントの注文ができます。
メモリーカード内の画像データは、パソコンを使って、ハードディスクやCD-Rなどに、転送・コピーすることができます。購入時に付属しているケーブルで、デジカメとパソコンを接続し、同じく付属品のCD-ROMに入っているソフトを利用することで、画像データの転送ができます。詳細な手順は、各機種の取扱い説明書をご覧ください。パソコンへの画像データの転送を先に行えば、インターネット経由で、自宅のパソコンを使って、キタムラのお店プリントを注文することも可能です。
以上の工程が完了すれば、撮影時に使ったメモリーカード内のデータは、消去しても構いません。デジタルカメラの機能を使えば、カード内の全データを一度に消すことができます(一部の画像だけ消すことも可能)。データを消去すれば、同じメモリーカードを何度でも繰り返して、撮影に再利用できます。
デジタルカメラを使用した後は、バッテリー残量が低下しているので、すぐに充電しておくと、次の機会に使うとき、充電を忘れて慌てることを防止できます。
デジカメが、フィルムと比べて最も便利なところは、撮影してから画像を見るまでの時間を、極めて短くできる点、そして、撮った画像を消して「なかったことにできる」という点で、時間的・金銭的コストの削減に効果があります。ただし、これはカメラ背面の液晶モニターで、低画質の画像を見ているだけならという条件に限った話。写真を高画質でプリントしたり、CD-Rで画像データを長期保存する場合まで考えると、やはりデジタルでも、整理には手間がかかります。家庭にあるプリンターやパソコンで作業する場合でも、写真プリント用紙やカラーインク、CD-Rのディスクなどを、あらかじめ買っておく必要はあるわけですから、デジタルでも消耗品は必須。フィルムカメラのように、事前にフィルムを買いに行く手間がなくても、撮影した後で使うものを買いに行く手間はあります。その点については、フィルムとデジタルのそれぞれに、一長一短があると言えそうです。こうした特性を理解し、撮影に失敗したコマなどの不要な画像データを除外した上で、写真プリントやデータ保存を利用すれば、デジタルカメラを、フィルムカメラよりも効率的に利用することができます。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。