写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2010.04.23
「デジカメが難しい」、というか、より実感に近い表現に置き換えるなら「面倒くさい」と、ユーザーからいわれるのは、本当にシャッターを切って撮影するより前に、予習として覚えなくてはならないことが、あまりにも多すぎるから。だとすれば、急いで覚える必要がない、ムダ知識を除外してしまえば、デジカメは、もう少し初心者の方にも、わかりやすくなれるはずです。「いらないもの」を、初心者が自分で考えて正確に省くことは、やはり難しいでしょう。というわけで今回は、コンパクトデジカメにはあって、デジタル一眼レフにはない機能を取り上げ、その操作のコツをおさらいしてみます。以下は、その各項目です。デジタル一眼レフを使う場合、ここにある各項目は、「なかったもの」として、無視してください。
コンパクトデジカメの現行機種では、ほとんどすべての機種について、光学ファインダーが付いていないので、被写体の確認には、必ず液晶モニターを使用することになります。この状態は、一眼レフの場合に例えるなら、「フルタイムライブビュー」ということで、コンパクトデジカメなら、どのような安い機種でも、常にライブビュー表示だけを使うことになるのです(一眼レフではライブビュー機能の搭載がないモデルもある)。液晶モニターは、被写体のリアルタイム画像を確認するだけでなく、撮影済み画像の再生や、機能・モードの設定などにも使用するので、目的によって、同じ液晶モニターで表示内容を切り替えることになります。よって、機能の設定状態を表す記号が、液晶モニターの画面内に表示されますから、あらかじめ、よく見られる記号と、その意味の対応関係だけは、取扱い説明書を読んで、覚えておく必要があります。
液晶モニターの画面表示が、操作ボタンの役割も代用できる、タッチパネル機能を装備した機種がありますが、この機能に対応しているものは、原則として、コンパクトデジカメの一部にある、上位モデルに限られます。タッチパネル採用機では、ボディ背面の押しボタンが省略可能。カメラの見た目についても、デザインの自由度が高くなります。ただし、反面で、指先にボタンの触感がなくなるため、カメラを使い慣れてきても、手探りだけでは、機能の選択・設定ができないという弱点があります。だから、タッチパネル採用機を選ぶのか、普通のボタン操作方式を採用した製品を選ぶのかということは、ユーザーそれぞれ、自分の好みで考えてください。
コンパクトデジカメの多くでは、本体の背面部に、複数の押しボタンがあり、それぞれに機能・モード設定などの役割が、割り当てられています。撮影時には、液晶モニターの表示を見ながら、この押しボタンを操作。コンパクトデジカメでは、一眼レフのような大型の回転式ダイヤルを備えている機種は少ないので、必然的に、ボタンを垂直方向に押す操作が多くなります。その特徴として、選択中のモード次第で、ボタンの機能が、逐一切り換わる場合があるので、あらかじめ取扱い説明書を読んで、各機能の意味を知ることも必要。逆に言えば、コンパクトデジカメの場合は、よく知らない未知の機能を使うことが、やや難しく感じるということもあります。使いこなすコツは、外から見える「ボタンの役割」をそのまま覚えるのではなくて、「必要な機能を、どのようにして呼び出せば良いか」を覚えることです。
コンパクトデジカメのレンズは、取り外しや交換ができない、カメラボディ内蔵式になっています。したがって、いま使っているコンパクトデジカメについて、レンズの性能が気に入らない場合は、ボディを含めて丸ごと全面的に買い替えということになります。コンパクトデジカメでは、画像センサー(CCDなど)のサイズが、一眼レフよりも、はるかに小ぶりで写る面積が小さいことから、そのような画像センサーに対応するレンズも、極端に焦点距離が短くなることが特徴(換算しない焦点距離が小さな数になる)。また、一眼レフよりも倍率の高いズームレンズを作りやすいので、普通でも光学5~10倍程度、高倍率タイプであれば、光学20~30倍といったズーム倍率性能を持つ機種もあります。このため、35ミリ判換算した焦点距離(に相当する画角)の数字が大きくなるので、一眼レフよりも気軽に、超望遠レンズでの撮影にまで対応OK。ただし、コンパクトデジカメのレンズでは、実質的な焦点距離(35ミリ判換算しないレンズ本来の光学性能)の関係で、レンズの描写による背景ボケが出にくいという特徴もあり、その意味では、一眼レフと適切に使い分ける必要があります。
ズームレンズは、広角端から望遠端までの間で、無段階にレンズの焦点距離(画角)を変えることができ、中間の焦点距離でも撮影できます。このようなズームの操作については、コンパクトデジカメの場合、基本的には電動方式となっていて、ボディの背面、または上面に付いている「W(広角)」と「T(望遠)」のボタン2つを操作して、画角を変更。このズーム操作だけは、カメラが自動的にセットすることがないので、ユーザーが自分で操作方法を覚えて、液晶モニターを見ながら、対象を写す大きさや画角を調節する必要があります。ちなみに、コンパクトデジカメの場合、電源を入れた後でなければ、液晶モニターが見えないので、ズームの調節もできません。それが理由で、カメラの起動スピードも、性能の一つとして重要なのです。
コンパクトデジカメでは、有効画素数の性能いっぱいの画素数を、全部は使わないで、それより少ない記録画素数で撮影するモードを選んだ場合に、画像センサーの余力を利用し、画像の一部分だけを電子的に抽出した状態で、拡大像として撮影することが可能。これを、デジタルズーム機能といいます。光学ズームレンズを望遠側で使用し、さらにデジタルズームも併用すると、拡大効果が上乗せされるので、見た目のズーム倍率を、より高くすることができます。ただし、デジタルズームというものは、画像のキメ細かさを犠牲にして、画像を部分拡大するだけの機能なので、ほどほどの記録画素数は確保しなければ、写真をプリントしたときに画質が荒れてしまうので注意が必要。最近のコンパクトデジカメに、光学ファインダーがまったく搭載されなくなった理由は、有効画素数の性能向上につれて実現された、デジタルズームの超高倍率化とも関係があります。デジタルズームの拡大表示は、画像センサーを通った像だけに生じる効果なので、光学ファインダーがあっても、倍率が反映されません。
コンパクトデジカメの性能を、購入前に製品カタログや、メーカーのホームページで知る段階では、レンズの性能は、35ミリ判フィルムカメラの画角に例えた焦点距離として、感覚的に書かれていることが普通です。このようにして、レンズのミリ数を示す場合に、見た目の画角で置き換えた数字のことを「35ミリ判換算焦点距離」といいます。ただし、実際には、レンズの焦点距離が光学性能として伸びたわけではなく、写真に撮ったときの画角が、あくまで見た目として、だいたい同じくらいになるという条件で、単純に示されただけです。ちなみに、コンパクトデジカメの実物を手に入れて、レンズ部分に書かれた表示を見ると、35ミリ判換算した焦点距離ではなくて、光学性能としてレンズが持っている本当の焦点距離(換算しない焦点距離)だけが刻印されており、あまりに数字が違うので、間違いなのではないか? と心配される、初心者の方も多いことでしょう。そうなる理由は、コンパクトデジカメの画像センサーが、35ミリ判フィルムの実効画面よりも、面積として極めて小さいから。画像が写る面積が違うと、同じ画角を得るためには、まったく異なる焦点距離のレンズを使う必要があるというだけのことなのです。なお、レンズの画角は換算可能ですが、その描写特性は、換算しないほうの焦点距離に応じて決まるので、コンパクトデジカメと一眼レフでは、同じ被写体を、同じ画角で撮った場合でも、背景部分の写り方では、それぞれに違いが生じることになります。
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