写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2010.05.07
コンパクトデジカメだけで使う機能があるなら、その反対に、デジタル一眼レフだけで使う機能もあります。こちらの機能についても、たくさんある情報の中から、「いらないもの」だけを、初心者が自分で考えて正確に省くことは、きっと難しいことでしょう。今回は、デジタル一眼レフにはあって、コンパクトデジカメにはない機能、つまり、コンパクトデジカメで覚えた知識が、そのままでは役に立たない例を取り上げて、その操作のコツを確認してみましょう。以下は、その各項目です。(コンパクトデジカメを使う場合、ここにある各項目は、「なかったもの」として無視した上で、前回・前々回の記事を参照してください。)
デジタル一眼レフは、光学式のファインダーがあればこそ、「一眼レフ」という名前で呼ばれます。(レンズ交換ができるタイプでも、液晶式のモニターしか付いていない場合は、「ミラーレス一眼カメラ」といって、「一眼レフ」とは、はっきりと区別します。)ちなみに、名称にある「デジタル」は、「一眼レフ」にかかる接頭辞なので、デジタルではない一眼レフは、「フィルム」が冒頭について、「フィルム一眼レフ」と呼びます。デジタル一眼レフでも、フィルム一眼レフでも、光学ファインダー部分の仕組みと機能は、基本的には、まったく同じ。電源を入れる前から、レンズを経由した光学像を直接、光学ファインダーで確認することができます。また、液晶式と違って表示にドット(光の点)を使わないので、細かい部分まで正確に被写体像を確認できる特徴があり、一眼レフの光学ファインダーは、近接撮影時などのピント合わせに有利です。
わざわざ「ライブビュー」という名称を与えて、この機能を強調するのは、デジタル一眼レフだけ。コンパクトデジカメの場合は、もとから光学ファインダー非搭載で、液晶モニターしか使えませんから、いつも使用時はライブビューのようなものです。だから、わざわざ、それをライブビューとは呼びません。「一眼レフ」という用語は、本来は、一眼レフ式の光学ファインダーを搭載したタイプのカメラを指しているので、もとはといえば、コンパクト機のような、液晶モニターでの被写体像の表示機能がないことが前提となります。しかし、最近では技術革新によって、一眼レフタイプでも、コンパクト機のように液晶モニターを使って、被写体のリアルタイム像を確認できるようになりました。そのような新しいデジタル一眼レフが持つ機能を、光学ファインダーだけを使う初期型のデジタル一眼レフと区別して、「ライブビュー機能」というわけです。なお、フィルム一眼レフには、ボディ背面のカラー液晶モニターがないので、ライブビュー機能もありません。一眼レフのライブビュー機能は、あくまで光学ファインダーの補助として存在するのですから、使用時間が長くなると、電池の消耗も早くなります。
デジタル一眼レフとコンパクトデジカメの、外見からわかる最大の違いは、一眼レフのほうがレンズ交換に対応していること。レンズ交換とは、カメラボディからレンズを取り外して、ほかのレンズ(マウントが共通であるものに限る)と、交換できるというものです。このような機能があるので、デジタル一眼レフでは、望遠レンズや広角レンズ、マクロレンズ(接写用レンズ)といった、様々な焦点距離のレンズを使い分けて撮影することができます。
コンパクトデジカメでは、複数の押しボタンで、使いたい機能を呼び出して設定する操作方法が、一般的に使われていますが、デジタル一眼レフの場合では、使用頻度の多い機能に関しては、押しボタンではなくて、大型のモードダイヤルや、電子ダイヤルなど、回して設定する操作方法が多くなります。これは、コンパクトデジカメよりはボディサイズが大きな、デジタル一眼レフだからこそ、あり得るものです。各機能は、原則として、それぞれ別々のダイヤルに割り当てられているので、操作に慣れてくると、表示を見て確認しなくても、手探りだけで正確に機能設定ができるようになります。したがって、一眼レフの場合は、光学ファインダーに接眼してカメラを構えた状態のままで、被写体の動きに意識を集中しながら、あらゆる設定操作を行うことができるので、コンパクトデジカメよりはシャッターチャンスにも強いと言えます。このように、一眼レフは手探りでも無理なく操作できるように設計されていて、その使い勝手が良いので、コンパクトデジカメのような、液晶表示を見てから操作する方式のタッチパネル機能が、ほとんど採用されていません。
ほとんどのコンパクトデジカメの場合、露出制御機能は、あえて露出モード名でいえば「プログラムAE」しか搭載されていません。「シーンモード」と呼ばれる機能は、プログラムAEのオプション機能なので、それは、あくまで「シーンモード」であり、「露出モード」ではないのです。露出モードとは、絞り値と、シャッター速度という2つの項目を、数値で設定する方法を選ぶための機能で、原則として4つあります。プログラムAEと、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、そして、マニュアル露出モードです。コンパクトデジカメの場合、この4モードの切替ができる機種は、一部にある高級機だけに限られますが、デジタル一眼レフでは、普及機から高級機までの全機種で、露出モードの切替機能が搭載されています。したがって、普及機の場合でも一眼レフであれば、マニュアル露出モードは必ず使用できます。
デジタル一眼レフの普及機を、レンズキットで購入する場合、ほとんどがズームレンズとの組み合わせになるので、基本的にはコンパクトデジカメと同様に、ズーム機能を利用することが多くなるでしょう。デジタル一眼レフのズーム機能では、原則としてデジタルズームがなく、光学ズームだけになりますから、操作はレンズ側のズームリングを回転して、手動で行います。コンパクトデジカメの多くは、電動ズームですから、この点では使い方が大きく異なるわけです。なお、一眼レフではズーム操作が手動で、なおかつ光学ファインダーを使用するので、カメラの電源を入れて起動する前でも、被写体像を確認して、画角を変える操作は可能。手動のため微調整もしやすいので、ズームできる焦点距離の両端(広角いっぱいと望遠いっぱい)だけでなく、その途中でも自由自在に撮影することができます。
コンパクトデジカメでは、ほぼ全機種が、ズームレンズのみを内蔵レンズとして採用していますが、デジタル一眼レフの場合は、交換レンズの選び方次第では、ズーム機能がない単焦点レンズも利用可能です。単焦点レンズは、常に同じ画角に揃えて撮影したい場合などに便利なほか、レンズの明るさ(開放F値)の性能がズームレンズより優れているので、なるべく速いシャッター速度を使いたいときや、暗い場所で撮影したいとき、あるいは写真の背景を、ぼかして撮りたいときなどに使うと効果的です。
デジタル一眼レフで使う交換レンズには、その先端部に溝(ネジ山)があるので、ここにレンズ用フィルターを取り付けて撮影することができます。コンパクトデジカメのレンズについては、電源を切ったときにボディ内に収納されるタイプが多く、レンズ先端部に溝がないので、原則的にはフィルターが使えません。したがって、フィルターが使えるという点も、デジタル一眼レフの特徴と言えます。レンズ用フィルターには、レンズを保護するだけの単純なフィルターもありますが、そのほかに、写真の画面に特殊効果を与えたり、色調を調整するためのフィルターもあり、そのタイプはさまざまです。実際の撮影では、被写体や光源、表現意図などに応じて、適切なフィルターを選択します。フィルターは、メーカーに関係なく、市販のものが使えます。
(次回に続きます)
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