写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2010.05.21
催し物の会場や、動物を飼育している場所などでは、撮影禁止とまでは言わなくても、フラッシュを発光させた撮影を禁止している場合が、よくあります。しかし、このようなときに、何でもカメラ任せのフルオート設定で撮影してしまうと、意に反して、フラッシュが光ってしまうこともあるでしょう。そこで、周囲の人に迷惑をかけないように撮影するため、今回は、フラッシュを発光させない設定にする方法を、解説します。
現在、発売されているデジタルカメラでは、一部にあるプロ用一眼レフタイプ以外は、すべて小型フラッシュが内蔵されています。そして、フルオートに設定しておけば、暗い場所で撮影する場合には、カメラが判断して、自動的にフラッシュが発光するようになっています。(カメラ用語でいう「フラッシュ」とは、シャッターを切ったときに瞬間的に発光して、被写体を明るく照らす光源のこと。「ストロボ」と同義。WEBサイト上で動画を表示するソフトの名前とは、関係がありません。)
フラッシュの自動発光とは、フラッシュが必要なシーンだと、カメラが判断した場合にだけ、自動的に光るという意味で、いつでも必ず発光するということではありません。したがって、「自動発光」というモードにセットしておけば、暗い場所のみで発光し、明るい屋外でカメラを使用する場合は、自動的にフラッシュ発光なしの撮影として制御されます。すべてのコマについて、必ずフラッシュを発光させるモードには、「強制発光」という名前が付いているので、自動発光とは区別されます。
撮影する被写体によって、フラッシュが発光するか・しないかの区別は、被写体にカメラを向けて、シャッターボタンを半押しした状態のときに、カメラの表示をよく見ていればわかります。フラッシュが自動発光する場合、コンパクトデジカメでは、液晶モニター上にフラッシュのマークが出現。デジタル一眼レフでは、内蔵フラッシュが自動的に立ち上がり、発光可能な状態になればファインダー内にマークが出るほか、シャッター速度表示が、X同調速度以下に制限されるので、実際の撮影より前に、フラッシュ発光の有無を知ることができるのです。発光しない場合は、こうした変化がカメラに見られません。
このようなフラッシュの自動発光機能は、通常の撮影だけなら便利ですが、フラッシュを使いたくない場合、あるいは使ってはいけない場合は、ユーザーの意思に反して動いてしまう、「おせっかいな」機能にも、なり得ます。このようなとき、フラッシュを使わないで撮るためには、ユーザー自身が機能設定ボタンを操作して、フラッシュの自動発光を解除しなくてはなりません。(一旦解除した自動発光モードを、元に戻す場合も、自分自身で操作することになりますから、設定方法を覚えておいてください。)
昔の旧式フィルムカメラでは、オプション機能は外付けだったので、ユーザーが自分でセットしない限りは、まったく作動しなかったものですが、現在のカメラでは、自分でセットした覚えがない機能まで、カメラがフルオートで勝手に設定してしまいます。そのため、シャッターを切った瞬間に、予想しなかったような動きをして、驚かされることもあります。このようなことがあるので、いまのカメラを使いこなすには、ユーザーが自分で考えて、機能を付け足していくことよりも、むしろ、カメラの過剰な動きを、ユーザーが抑制することのほうが、重要になっているわけです。その中でも、最も設定を変える機会が多い箇所がフラッシュの発光設定なので、初心者の方は、まず、ここから覚えてみてください。
原則として、コンパクトデジカメでは、以下のような操作を行うことで、フラッシュ発光のON/OFFを選択します。
使用している機種の取扱説明書を参照し、フラッシュ発光モードの設定方法を確認してください。フラッシュの発光は、自動発光・強制発光・発光停止の3つから選択できます。フラッシュ撮影が禁止されている場所では、発光停止(発光禁止)モードに設定しましょう。ちなみに、フラッシュ撮影が禁止された場所を出るときには、自動発光モードに、自分で操作して戻す必要があります。戻す操作を忘れると、フラッシュ発光が必要なときでも、フルオートではフラッシュが光りません。フラッシュ発光モードの設定ボタンは、頻繁に使用するので、使い方を暗記しておくと便利です。
フラッシュを使わない設定にすると、カメラは、シャッター速度を下げることで、被写体に露出を合わせようとします。そこで、手ブレを防止するために、手ブレ補正機能がある機種なら、補正ONの状態に設定しておきましょう。
フラッシュを使わない場合は、ISO感度を上げれば、ある程度までは、シャッター速度の低下を防ぐことができます。暗い場所でフラッシュを使わずに撮影するときは、ISO感度のモード設定を操作して、「自動(オート)」か「高感度オート」に設定しましょう。このほか、ISO感度を数字で設定するモードもありますが、必要以上に感度が高いと、撮影した画像にノイズが入りやすいので、数字で設定するなら、明るさに応じて手ブレしない程度のISO感度を選ぶのがコツです。これも使い終わったら、元通りの感度設定に戻しておきましょう。
デジタル一眼レフの場合、フラッシュの自動発光を停止する必要があるのは、小型フラッシュを内蔵しているタイプのみ。つまり、普及機と、中級機だけです。プロ用の高級機の場合、カメラ本体にはフラッシュが付いていないので(外付けフラッシュのみ)、発光モードの選択という操作を、行う必要そのものがありません。内蔵フラッシュの発光モードを選ぶときの、具体的な操作方法は、次のようになります。
通例、カメラボディの上面部にある、撮影モードダイヤルを操作して、「フラッシュ発光禁止モード」を選択します。この状態では、フラッシュを使わない点を除けば、フルオートで撮影できることになります。もとの標準的なフルオート設定に戻したいときも、撮影モードダイヤルを操作するだけで済みます。
普及機や中級機で、フラッシュ発光まで含めたフルオート撮影ができる機種の場合は、通例、「全自動モード」を選択したときだけ、フラッシュが必要に応じて自動発光します。発光しない状態にしたい場合は、カメラボディ上面部の撮影モードダイヤルを操作して、「全自動モード」を解除。すると、フラッシュ発光は、ユーザーの任意で設定できる状態になるので、内蔵フラッシュは格納したまま、普通に撮影すれば発光はしません。このとき、全自動モード以外で、被写体に適したシーンモードがあれば、それを選択。もし、なければプログラムAEなどの露出モードを選択し、シャッター速度と絞り値を確認してから、撮影する手順となります。
このときの注意点として、撮影モードダイヤルで、全自動とシーンモード以外を選択すると、つまり、プログラムAE・絞り優先AE・シャッター速度優先AE・マニュアル露出の、いずれかの露出モードを使う場合は、パラメーターと、ホワイトバランスについても、任意設定が可能な状態になるので、それらが適切かどうか、自分で確認する必要があります。パラメーター設定(JPEGの画像仕上げ)について、標準・風景・ポートレートなどから適切なモードを選び、またホワイトバランスについても、自動設定、あるいは被写体に応じた適切なモードを選択しましょう。ただし、RAWモードで撮影する場合に限れば、これらの設定は省略することもできます(後でパソコンを使って補正)。
もとのフルオート設定に戻したいときは、基本的に、撮影モードダイヤルを操作するだけで構いませんが、パラメーターやホワイトバランスの設定を変えた場合には、一応、それらも自分で元の設定に戻しておいたほうが、次の機会に使うとき、よりスムーズに操作できます。
フラッシュを格納して撮影すれば発光しないので、何も特別な操作は、必要ありません。
手ブレ補正機能がある機種なら、補正ONの状態に設定しておきましょう。一眼レフの場合では、カメラボディ側に手ブレ補正機能が搭載された機種であれば、レンズの種類に関係なく、補正が利用できます。しかし、レンズ側に手ブレ補正機能を搭載するタイプの機種では、装着するレンズに手ブレ補正機能が付いていなければ、手ブレ補正は使えません。ちなみに、単焦点レンズについては、手ブレ補正機能がない例も多いので、現行機種の場合、基本的にはズームレンズを選んだほうが、手ブレ補正機能を手軽に使いやすくなるでしょう。ただし、単焦点レンズは開放F値が明るいので、絞りを開いて使えば、ある程度までは、シャッター速度を高めにセットすることも可能です。それでもブレる場合は、三脚を使用しましょう。
暗い場所でシャッター速度が低くなり、手ブレして撮りにくい場合は、ISO感度を高めに設定してください。その新たに設定した感度で、適正露出となるように、絞り値とシャッター速度をセットすれば、まったく問題なく撮影できます。一眼レフの場合は、露出データの表示を見ることができるので、ブレもなくノイズも少ない適切な感度を、容易に決めることができます。ただし、滅多に使わないような高感度で撮影した後は、解除を忘れないうちに、ISO感度を普段よく使う設定値に戻しておきましょう。
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