写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2010.11.12
デジタルカメラとフィルムカメラには、液晶モニターか、ファインダー、もしくは、その両方が搭載されています。この部品は、写真を撮影する性能そのものには関係ありませんが、シャッターを切る前と、シャッターを切った後で、画像を確認するときに、そのカメラの操作性を、決定的に左右します。では、液晶モニターやファインダーには、どのようなタイプがあって、それを、どう選べば良いのか? 今回は、意外と気が付きにくい、画像の確認方法に、スポットを当ててみましょう。
「液晶モニター」とは、撮影画像を確認する目的で使われる、フルカラー画面の表示装置のことで、デジタルカメラのボディ背面に、必ず付いています。一部の高級カメラで、ボディ上面部に付いている、撮影データなどの数値・記号を表示するだけの白黒画面は、「液晶パネル」もしくは「表示パネル」と呼ばれるので、撮影画像そのものを確認する「液晶モニター」とは区別されます。この液晶モニターが搭載されているのは、デジタルカメラだけで、フィルムカメラに液晶モニターはありません。つまり、フィルムカメラの場合は、フィルムを巻き戻して現像するまで、撮影結果は確認できませんから、露出や構図の決定には熟練を要します。
デジタルカメラの仕様を見たとき、数字と「型」(単位)で示されているのが、液晶モニターのサイズです。最近の主流は「3.0型」。数字が大きいほど、液晶モニターは大型になり、逆に、数字が小さくなるほど、液晶モニターのサイズも小さくなります。
液晶モニターには、アスペクト比が4:3の標準タイプと、ハイビジョンに対応した16:9という、横に長いワイドタイプがあります。ワイドタイプの液晶を採用している機種では、ハイビジョン動画モードを選んだ場合でも、表示映像が小さくならず、快適に撮影できるようになっています。
液晶モニターの性能は、表示される面積のサイズを表す「型」だけでなく、そのサイズ内に、どれだけ光のドット(ピクセル)を表示できるのか? という画面の細かさによっても、分けることができます。
いま発売されているデジタルカメラの場合、一般的な製品では、23万ドットが普通レベル。上位機種では、モニターそのものの外寸が同じ場合でも、46万ドットや、92万ドットといった表示性能を持っている製品があり、それだけ精細な画像が表示できることになります。
なお、液晶モニターの表示ドット数と、撮影に使う画像センサー(CCDやCMOSのこと)の有効画素数は、まったく別のスペックです。現状では、カメラ側の有効画素数よりも、液晶モニターの表示画素数のほうが格段に低いので、写っている画像本来の画質を間引きして、液晶に表示していることになります。したがって、撮影された1コマの画像上にあるすべての画素データを、液晶モニターが表示できるわけではないので、デジカメで撮った画像でも、写真として紙にプリントする必要があるのです。
液晶モニターに重ねて、タッチパネルを搭載している機種が、一部にあります。こうしたデジタルカメラの場合は、押しボタンに代えて、タッチパネルに触れることで、カメラを直感的に操作することができます。なお、タッチパネル搭載機は、コンパクトデジタルカメラで、ワイドタイプの液晶を搭載している製品に多く見られるようです。
カメラ製品全般には、基本的に、必ずファインダーが搭載されています。ただし、デジタルカメラのコンパクトタイプなどに限っては、液晶モニターがあるので、ファインダーを搭載しないことのほうが、現行機種では普通になりました。典型的なコンパクト機と、それ以外のカメラの違いは、ファインダーの有無で決まるといっても良いでしょう。ファインダーを搭載しているカメラの場合、そのファインダーにも様々な種類があり、撮影目的や好みによって、カメラ選びの参考材料にすることができます。なお、ファインダー搭載モデルでも、デジタルカメラであれば、液晶モニターが必ず付いています。
コンパクトデジタルカメラなどの場合、大半の機種では、仕様にファインダーという項目の記載がありません。これは、液晶モニター1つで、ファインダーの役割を代替しているという意味です。液晶モニター上に、常時、レンズを通して見た被写体像が表示されるので、それを確認して撮影します。ただし、電源を切ると、被写体像は見えない状態になります。
上位機種のコンパクトデジタルカメラでは、現行製品でも、光学ファインダーを搭載している場合があります。これは一眼レフとは違う、コンパクト機ならではの光学ファインダーで、「実像式」と呼ばれるタイプです。このファインダー像は、ファインダー専用のレンズ(単眼鏡のような構造)を使って見られるもの。撮影用の光学ズームレンズを操作すると、自動的に連動して、ファインダーの画角も変化します。ただし、撮影用レンズとファインダーは、それぞれに別々の像を結ぶので、至近距離では見た目の範囲に、微妙なズレが出てきます。また、光学ファインダーは、光学ズームには連動しても、デジタルズームには連動できないので、デジタルズームを併用した超望遠撮影の場合、光学ファインダー側だけでは正確な画角がわかりません。そのような場合は、光学ファインダーを使用せず、液晶モニターの画像を見て、デジタルズームが反映された状態の被写体像を確認してください。なお、フィルムを使うコンパクトカメラと、レンズ付きフィルム(使い切りカメラ)のファインダーも、すべて、このタイプの実像式です。
一眼レフの場合は、デジタルでもフィルム用でも、どちらも光学ファインダーを必ず搭載しています。これを正式には、「一眼レフ式光学ファインダー」といい、「レフ」という用語を使っていることが、光学ファインダーの搭載を意味します。だから、「一眼レフ」という用語と、「一眼カメラ」という用語は、ごちゃ混ぜにしないで、正確に使い分ける必要があるのです。一眼レフの光学ファインダーでは、撮影時とまったく同じ像を、ボディ内のミラー(鏡)で切り替えて、ファインダーに表示しています。そのため、コンパクト機に見られる実像式ファインダーと違って、至近距離でも、撮影用レンズとファインダーの間で、視野がズレてしまうことはなく、極めて正確なピント合わせが可能です。
ボディ内にミラーを搭載していない、ミラーレスタイプの一眼カメラや、一部のコンパクトデジカメの場合は、液晶モニターとは別に、電子式ファインダーを搭載している製品があります。電子式ファインダーは、ファインダーとしての機能を、小さな液晶画面で再現したもの。つまり、1台のデジタルカメラに、大小2つの液晶画面が内蔵されている設計になります。電子式ファインダーは、ボディ背面の大型液晶モニターがあれば、なくても良さそうに思えるかもしれませんが、光学ファインダーと同じ要領で、接眼レンズを覗いて使えるので、屋外の明るい場所でも、モニター表面の反射光を気にすることなく、より鮮明な状態で、画像を確認することが可能です。
ミラーレスタイプの一眼カメラや、一部のコンパクトデジタルカメラでは、本体に液晶モニターのみを内蔵し、別売りの周辺機器として、外付けファインダーを用意している例があり、その一つに、外付け式の光学ファインダーがあります。これは、原理的には、実像式の光学ファインダーですが、一眼カメラ用の場合、ズーム機能との連動はありません。したがって、規格が合う単焦点レンズとセットで、その専用ファインダーとして使うことになります。
外付けファインダーには、上記の光学式のほかに、電子式ファインダーもあります。これも、ミラーレスタイプの一眼カメラや、一部のコンパクトデジタルカメラで使う別売り品ですが、ファインダーの表示装置として小型液晶を使っているので、カメラ側のズーム機能と連動が可能。単焦点レンズだけでなく、各種のズームレンズも、電子式ファインダーであれば、まったく問題なく使用できます。
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