写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2011.01.07
カメラを使って実際に撮影するときには、その搭載機能を一つ一つ、別々に使うことのほうが少なく、普通は、複数の機能を組み合わせて、同時に使うことのほうが多くなります。その場合、複数のパターンで、機能の組み合わせ方を覚えておけば、自動化されている機能を、より少ない回数のボタン操作で利用したり、操作ミスを防いだりすることも可能です。今回は、そのような操作技術の中から、幾つかの具体例を挙げて、実践で役立つ「小ワザ」を紹介します。なお、メーカーや機種によっては、ここで紹介した通りの結果にはならない、例外があるかもしれないので、一応、自分が持っているカメラの場合はどうなのか、試しに操作してみた上で、実践での撮影に応用してください。
一眼レフでは、ピント合わせの方法を、AFとMFで切り替え可能。AFモードで使用する場合は、さらに使用するAF測距点を選ぶことができ、この選択は、分割測光モードで自動露出機能を使うとき、特に効力を発揮します。それでは、MF(マニュアルフォーカス)モードに切り替えた場合は、どうでしょう? MFモードでは、ピント合わせは、レンズ側のピントリングを左手で回して行うので、AF測距点の選択は、まったく関係なさそうに思えます。しかし、もしMFモード使用中でも、AF測距点の選択機能が効くなら、一応は、ピントを合わせた位置に重なる測距点を、任意に選択しておいたほうが、分割測光モードで自動露出を使う場合には、露出制御が正確になるようです。逆に言うと、MFモードだからといって、直近で最後にAFモードを使ったときの測距点選択を放置しておくと、変な位置に露出が合ってしまうことがあり得るので、注意を要します。
AF測距点を選択するには、カメラの背面にある、十字型キーを使ってボタン入力します。その十字型キーの中央部には、中央にあるAF測距点を選ぶためのボタンが付いているので、単に、中央部で測距するだけなら、このボタンを使えば、十分であるように思えます。しかし、カメラのAF測距点選択モードには、中央部固定というモードが、わざわざ用意されている場合も。この中央部固定モード、いったい何のためにあるのかというと、測距点選択の誤操作防止ロックとしての役割を、割り当てられているようです。中央部固定モードにしておけば、十字型キーは、どの方向を押しても反応しません。だから、中央に固定したAF測距点が、不用意に解除される心配もありません。風景など、遠景にピントを合わせることが多い場合や、マニュアル露出モードなどで距離情報を露出に反映する必要がない場合には、こうしておくと便利かも。
AEは自動露出のことで、AEBは自動露出ずらし機能のことです。用語を字で書くと似ていますが、それぞれに違う役割を持つ機能となっています。なぜなら、AEBの機能は、自動露出モード選択中でも、マニュアル露出モード選択中でも、どちらの場合にも使えるから。AEBを使うと、露出計が指示した適正露出のほかに、誤差を考慮して、プラスとマイナスに、それぞれ露出補正した設定値のカットも、自動連写することが可能で、1回のシャッター操作で、適性、明るめ、暗めの写真を揃えて撮影します。絞りやシャッター速度の設定を、自分でボタンを押して変える必要がないので、撮影を中断せずに、同じシーンを露出補正した状態でも撮影できるわけです。このとき、普通のAE撮影で使う機能と、AEBの機能は併用可。例えば、あらかじめプラス方向に露出補正した状態で、さらにAEBを利用すると、連続撮影するコマ全部を、すべてプラス方向だけの補正にすることもできます。
AF機能が正常に動作するには、ある程度まで、被写体が明るいことが条件となります。特に、一眼レフに搭載されている位相差検出方式(光学ファインダー用のAF)の場合、暗闇ではピント検出が効きません。しかし、プロ用を除けば大半の一眼レフは、補助光源として小型フラッシュを本体に内蔵しているので、内蔵フラッシュを起動して、フラッシュ撮影モードにしておけば、フラッシュの機能に含まれるAF補助光を利用して、暗い場所でも、AFでピントを合わせることができます。もし、フラッシュが必要なければ、AF補助光だけ使ってピントを合わせた後、AFロックするか、MFに切り替えて、フラッシュをOFFにすれば、自然光だけでの撮影もできます。ただし、AF補助光は、その補助光が届く範囲しか効かないので、このテクニックは、被写体までの間隔が、数メートル程度の近距離でしか使えません。
室内などでのフラッシュ撮影が終わった後、内蔵フラッシュの格納を忘れていると、屋外でもフラッシュモードが有効な状態となるので、明るい自然光下での露出制御には、支障が生じることがあります。一眼レフの場合、内蔵フラッシュ使用時は、シャッター速度の設定範囲が、フラッシュ同調速度以下の低速のみに制限されるため、極端に明るい場所でも、高速シャッターが使えなくなるのです。普及機の場合は1/160秒前後、高級機の場合は1/250秒か1/300秒が、スペック上のフラッシュ同調速度ですから、ISO感度を高く設定している状態で屋外に出たような場合は、本来あるべき適正露出のシャッター速度がそれ以上となる状況でも、フラッシュを出している限り、高速シャッターには設定されず、写った画像は背景が露出オーバーになります。フラッシュ使用の有無と、ISO感度の設定は、ユーザーの操作が最優先するので、フラッシュの格納を忘れた場合、カメラは、あくまでフラッシュの使用を大前提とする条件で露出制御を行いますから、この点には注意が必要です。
デジタル一眼レフをライブビューモードで使用中に、そのままシャッターを切ると、まず一旦ミラーを下げて、シャッター幕を閉じた状態に戻してから、改めてシャッター幕を動かして、本番の露光を実行するという流れになります。そのため、光学ファインダーだけを使用して撮影する場合よりも、わずかにシャッターが切れるタイミングが、遅れることがあります。ただし、最新機種では、ライブビュー状態から、電子シャッターを併用することで、いきなり本番の露光を実行できるようになった例もあり、その場合はタイミングが遅れることなく、すみやかな撮影が可能です。なお、ソニーαの場合(透過ミラー方式ではないAマウント仕様の従来型一眼レフ)は、ライブビュー機能の導入当初から、その構造が他社とは異なり、撮影用の画像センサーと、ライブビュー用の画像センサーを分けているので、例外的に、シャッターのタイミング遅れは、ありません。
AF機能には、止まっている被写体に使うワンショットAF(シングルAF)と、動いている被写体に使うコンティニュアスAF(サーボAF)という、2つのモードがあります。ともに、シャッターボタンの半押しで動作しますが、ワンショットAFは、分割測光モードで自動露出を使う条件のときに、半押しを続ける限りAFロック(ピント位置固定)と、AEロック(露出値固定)状態を維持。その一方で、コンティニュアスAFでは、半押しした場合のAF・AEの動作が異なり、被写体が動く前提でピントを追い続けるため、そもそもAFロックがなく、そのため、AFロックに連動するAEロックもかかりません。したがって、コンティニュアスAFのとき、露出値だけ任意の状態に固定したい場合は、AEロックボタンを先に自分で押しておくか、あるいは、マニュアル露出モードを使う必要があります。
一眼レフでは、露光中にファインダー像が見えません。これと同様に、コンパクトデジカメでも、数秒以上にわたる超低速シャッターでの露光中には、背面の液晶モニターに被写体の状況が表示されず、消灯して真っ暗になります。コンパクトデジカメならば、液晶画面で被写体を見ながらでも、長秒時露光ができそうな気がしますが、実際には、そうではありません。ただし、動画モードの場合なら、液晶モニターに被写体を映した状態で、継続的に動画撮影することができますから、通常の静止画写真モードと、動画専用モードでは、液晶モニターの使い勝手が微妙に異なるわけです。したがって、静止画写真を超低速シャッターで撮影するようなときは、手ブレ対策に限らず、構図のズレを防ぐためにも、やはり三脚はあったほうが安心でしょう。ちなみに、最近のコンパクトデジカメでは、実像式光学ファインダーがない、液晶モニターのみ搭載の機種が多くなっています。
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