写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2011.01.28
カメラを買うとき、機種ごとの値段の差を判断材料にしている方は多いと思いますが、そのカメラが「なぜ安いのか?」という理由を、詳しく聞いたことはあるでしょうか? もし、カメラの性能が、全メーカー・全機種とも完全に同レベルであったなら、値段の相場だけを見ていれば良いかもしれませんが、実際には違います。カメラは、メーカー・機種ごとに、それぞれの性能が違うので、単に需給関係としての売値の相場だけで販売価格が決まるのではなく、安いものには必ず「安い理由」があるのです。だとすれば、安くて高性能な掘り出し物のカメラを見つけるためには、カメラの値段がどのように区分されるか、あらかじめ知っておいたほうが、買い物の際には役に立ちますね? 今回は、「カメラの値段が下がってから買おう」と思って、購入のタイミングを待っている人にも気になる予備知識として、いろいろな値下がり要因を、具体的に挙げてみましょう。
デジタルカメラでは、各メーカーとも、性能に違いのある機種をラインアップしていて、高級機・中級機・普及機などのように、複数の機種をグレード別に分けて、発売しています。グレードの差は、そのまま価格の違いとなり、値段は高級機のほうが高く、普及機のほうが安くなります。このほか、デジタル一眼レフ(またはミラーレス一眼カメラ)を作っているメーカーの場合は、コンパクトデジカメよりも、レンズ交換式のデジタル一眼レフのほうが、価格は高くなります。高級機と普及機の主な違いは、搭載されている部品1つ1つの性能と、ボディの耐久性です。
デジタルカメラの場合は、製品仕様の更新が比較的、頻繁に行われているので、1年間に1回か2回のサイクルで、各メーカーとも新製品を発表・発売します。その都度、新製品となる機種は、すでに発売されている、同じメーカーの同等グレード機に対する後継となるので、新製品の発売日当日になると、同等グレードの旧製品(前日までの現行製品)は販売を終了します。
ここで確認しておきたいのは、新製品の「発表日」と「発売日」が違うことです。発表日は、マスコミに対して新製品情報の一般公開(記事掲載)を解禁する日。発売日は、その新製品が、実際にカメラ店の店頭に並び、ユーザーが買うことができる日となります。だから、新製品の発表日と発売日には、一定の開きがあるわけです。どうしてこうなるかというと、カメラの新製品情報は、複数誌あるカメラ雑誌での誌面掲載として発表されることが昔からの慣例で、そのカメラ雑誌は大半が毎月刊行の月刊誌ですから、そのカメラ雑誌の書店発売日にタイミングを合わせるため、雑誌編集部の取材・編集期間を逆算して、実際にカメラ店でカメラ製品が発売されるより、少し早めの時期に、新製品の情報だけがカメラメーカーから発表されるのです。
新製品発売の予定がメーカーから発表されると、その時点で、カメラ店の店頭で発売中の旧製品(新製品発売の当日までは現行製品)は、「型落ち」になることが確定。以後、その旧製品はメーカーからの出荷が止まって、カメラ店の店頭に在庫として残っている分だけが、最終販売分となります。すると、販売店の店頭では、在庫品を売り切るために、値段が下がることが多くなるようです。
ということは、「性能は十分だから値段が下がったら買おう」と思っている人は、メーカーから、次の新製品の発売が予告発表された後、現行製品が店頭から完全に消え去るまでの時差を狙って、しっかり購入しておくのが作戦としては有効でしょう。もし、このタイミングを逃すと、現行製品(しばらくすると旧製品)が、店頭でも次の新製品に置き換わってしまうので、買うタイミングを逃します。ただし、その時点で、次の新製品の情報もわかるので、その新製品のほうが良いと思うなら、旧製品は見送って、新製品の発売日まで購入を待つという選択もあります。メーカーが新製品の市場投入サイクルを早める理由の一つは、価格を値崩れさせないため。だから、いつまでも値下がりを待ち続けたところで、結局、値段は平行線をたどることになりますから、ほどほどのところで購入に踏み切るのが良さそうです。
メーカーの新製品投入は、ラインアップしている全グレードの機種について、一斉に行われることはほとんどなく、通例、高級機や普及機といった各グレードごとに分けて、1機種ずつ順番に行われます。ただし、この場合でも、市場投入される新製品の順序に明確な基準はないので、プロ用のフラッグシップモデルなどの上位グレード機から優先して、新製品に切り替わるとは限りません。むしろ、売れ筋で実売台数が見込める中級機や普及機など、やや低いグレードの機種から先に、新製品が投入される場合もあり得ます。
その場合、仕様に書かれている機能を、細かく分けて部分的に比べると、下のグレードの最新製品が、少し上のグレードの現行機種より、優れた部品性能を持つことが、まれにあります。そのような場合、上位機種の性能的な見劣りを反映して、その上位機種の販売価格が、下のグレードの新製品発売とともに、少し下がることがあります。
とは言っても、1年間を通じて見れば、いずれ近いうちには必ず上位グレードにも、搭載される部品の性能を高めた新製品が登場することは確実。それゆえ、下のグレードが、上のグレードに勝るという逆転現象が起こる期間は、日数にすれば、さほど長いわけではありません。
しかし、そういったタイミングに出会ったら、性能が向上して、しかも、もともと安い値段である下のグレードで最新製品を選ぶか、それとも、上のグレードにこだわって、現行機種の値下がりを待つか、それとも値段は問題とせずに性能重視で、上のグレードの新製品登場を待つべきか、いろいろな選択肢を挙げて、自分なりに判断する必要があります。
デジタルカメラ、特にコンパクトデジカメや、ミラーレス一眼では、カメラのボディ(きょう体)のデザインが、ほとんど同じでありながら、中味の部品性能や、ファームウェア(電子制御のソフト)だけを少し変えて、2機種以上を一緒にラインアップしている場合があります。つまり、見た目が同じでも中味は違う、姉妹機が存在するわけです。その場合、外観デザインと価格だけを見て判断すると、買ったカメラが、実は性能的には少し低めの廉価モデルだったということがあり得ます。このような性能の違いは、機種別に価格と性能の関係を、よく確かめた上で、納得して買ったなら何も問題はありません。しかし、そうではなかった場合、「後になって気が付いたら、本当に欲しいカメラではなかった」ということにならないよう、十分に注意しておきたいものです。勘違いしないための対策としては、商品の値段だけ見て飛びつくのではなくて、カメラメーカーのカタログや、公式ホームページなどで、十分に性能を確認することが重要と言えます。
あるカメラメーカーが新製品を発表・発売すると、そのしばらく後には、同じような機能を持った、違うメーカーの新製品も発売されます。そこでは、同一グレードで、まったく同じようなユーザー層を想定したカメラが、いくつも出揃うことになるので、カメラ販売店の店頭では、必ずメーカー間の競争状態になります。この場合、性能的にはほとんど同じ製品が、横並びで市場競争することになりますから、購入時の値段が下がりやすくなる傾向はあるでしょう。ユーザーの立場で考えるなら、メーカーどうしの競争が激化すればするほど、性能の良いカメラを安く買える条件が整うと言えるのかもしれません。
画像センサーのCMOSが裏面照射型ではないとか、有効画素数が少し低めとか、使えるメモリーカードの種類が限られるなど。このようにカメラの性能を、違うメーカーの同グレード製品と比較したとき、その一部だけが見劣りするような場合も、カメラの価格は下がる例があります。しかし、部品の種類によっては、ごく普通の撮影ならば、少しくらい古くても何ら問題がない場合もあるもの。だから、納得して購入するなら、そういった機種は、むしろ掘り出し物とも言えるでしょう。
販売店の店頭で、商品見本として展示されていたカメラが、そのまま販売されるときは、「現品価格」として相応の安い値段で売り出されます。このような例は、新製品と旧製品の端境期などに、よく見られます。展示現品は、見本として店に置いてあるだけで、人手に渡ったことはないカメラですが、それでも、多くの来店客が触って空シャッターを切っているので、それなりに稼動履歴はあります。したがって、新品は新品でも、実質的には中古品に近い扱いになるので、店頭に長く展示されたカメラは安くなるのです。中古品でも気にならないなら、展示現品の放出があれば、値段的には狙い目かもしれません。購入時には、一応、保証書が付きますので、使っていて何か問題があったときにも、修理の対応は可能です。
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