写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1997年2月22日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
梅は桜と比較して地味なことから、今一つ人気がありませんが、三重県津市の結城神社にある“しだれ梅”を見たら、その認識を改める必要がありそうです。
そのしだれ梅も白、ピンク、紅梅と種類が豊富で、しかも一枝に咲く花の数が多いことが特徴として挙げられます。これだけの条件と種類が揃っているところは全国を探しても数少ないことでしょう。『華麗な』の言葉がピッタリくる『しだれ梅』ですが、それでいて梅特有の『わび、さび』を感じさせてくれます。梅ならでは味わいに写欲をそそられます。もちろん、写真を趣味にしていない人でも一見の価値はあります。
現在、3から4分咲きですが、このまだ咲ききらない、ふくらんだ蕾みがまた風情を感じさせますから、被写体としては充分魅力のある状態です。満開は3月10日前後と予想されています。人によって感じ方が異なりますが、地元の人にうかがうと「満開よりも8分咲き前後の方が生き生きしている」とも語っておられましたので、撮影期間は桜と違ってかなり長いといえます。
なお、撮影時には、柵の中に入ったり、通路に三脚を立てて一般客の通行の邪魔にならないように、注意しましょう。
ところで、この結城神社は、結城宗広公をまつっています。俗に「結城医王大明神」と、唱えて航海の安全、病気平癒に霊験あらたかだったそうです。結城宗広公は後醍醐天皇の皇子義良親王を奉じて、北畠親房らとともに海路を東国に向かう途中、台風に遭い、安濃津(現在の津市)漂着し、目的を果たすことなくこの地で、病没したといわれています。
一方、「伊勢は津で持つ、津は伊勢で持つ」と謳われた津市はこのほか様々な歴史を伝えている町でもあります。藤堂家32万石の津城跡、津偕楽公園(藤堂高猷の別荘跡)、堀をめぐらした三重県一の名刹『高田本山専修寺』(親鸞上人の直筆、山門など国宝、重要文化財多数)、日本で最初の五十音順国語辞典『和訓栞』の著者・谷川士清(たにがわことすが)の旧宅などなどがあります。「歴史のあるところ、文化あり」といわれていますが、津市は「穏やかな歴史と穏やかな文化資産のある町」です。穏やかさに抱かれての散策と撮影もまたオツなものではないでしょうか。
【結城神社への交通アクセス】
JR紀勢本線 津駅からバス(15分ごと)結城神社前下車20分
近鉄名古屋線 津駅からも同じ
【しだれ梅の問合せ】
結城神社 0592-28-4806
津市観光協会 0592-29-3170
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