写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1997年5月31日
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徳島県といえば阿波踊りを思い浮かべる人も多いことでしょうが、忘れてならないのが、人形浄瑠璃、鳴門のうず潮です。その人形浄瑠璃の阿波十郎兵衛まつりが6月7~8日(土~日曜日)に行なわれます。
いたいけな巡礼、お鶴に紅涙をしぼる浄瑠璃の作者は近松半二、「傾城阿波の鳴門」の主人公坂東十郎兵衛は阿波の国、宮島浦の庄屋に生れ、父の隠居後、十郎兵衛を襲名、宮島浦と鶴島の庄屋として苗字帯刀を許され、任侠に富み、藩主より望まれて「他国米積入れ川口裁判改め役」の重職を命じられていました。
当時、阿波の国では藍と製塩の二第産業を奨励したため、米が不足し、他国から輸入しなければなりませんでした。江戸幕府は兵器、食料を集めることを禁じていましたので、密輸入となりますが、十郎兵衛は輸入米の検査をする役目でした。この輸入米を巡り、部下の不正が発覚し、お家騒動となり、これが公となって藩と幕府の板挟みに陥ります。藩も罪状を明らかにできぬまま、刑状の露と消えました。幕府の隠密政策の犠牲になったのですが、外様大名の蜂須賀藩25万7千石の礎石となった話です。十郎兵衛の妻お弓は娘おつるに罪がかかることを恐れ、親子の名乗りができない場面が有名です。
阿波十郎兵衛屋敷跡には阿波木偶(でこ)人形や浄瑠璃の資料が展示され、まつりでは阿波人形の浄瑠璃や木偶人形の制作実演が行なわれるほか、藍染めのハンカチなどの染色もあって通常ではなかなか体験できないコーナーもあります。この屋敷跡には「鶴亀の庭」がありますが、黒松と自然石を配置した純日本式の庭園で、元禄様式を伝えています。梅雨時のしっとりした庭園を撮りたいところです。
万葉集にも詠まれた眉山(びざん)は標高約230mの秀峰で、麓から山頂までロープウエイで7分で行けます。晴れていますと、頂上の展望台から徳島市内はもちろん、淡路島、和歌山まで眺望できます。ドライブウエイ、ハイキングコースとしても最適です。
一方、鳴門のうず潮は大潮の時が見ごろですが、6月7~8日のお昼頃の干潮時に大きな渦が見られます。大鳴門橋をバックにした大うず潮は是非、シャッターに納めたい場面ですね。また大鳴門橋架橋記念館では巨大な人工うずを海底から見ている気分になります。
ちなみに阿波の国の味として鳴門の渦で育ったわかめ、すだち、竹ちくわ、たらいうどん、阿波牛などに舌鼓を打ちたいですね。
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