写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1997年6月16日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
能登輪島といえば、雪がチラつく中での冬の朝市を思い浮べる方も多いことでしょう。しかし、能登には歴史を刻んだ建造物、地域住民に密着した祭り、また夏ならではの風物詩などが多く残っています。千体地蔵祭りもその一つで、毎年6月24日、地元の人達でひっそりと行なわれていますが、こうした隠れた祭りを求めているカメラマンには知る人ぞ知る存在です。
この千体地蔵と岩倉山自然遊歩道について記された地元誌「そそぎ」から一部を抜粋して紹介してみましょう(原文に沿って分かりにくい部分のみ一部修正してあります)。
国道249号線、曽々木本町バス停、遊歩道東口より蓑捲坂を登る道路狭く、急傾斜で、路面は悪く昔の人の草鞋履きが最適かのごとく思われる。
往古の人達が冬の高波の時、波瀬の街道(波の花みち)を往来できず、この蓑捲坂を登り、身に付けていた雨具は蓑で装い、日本海から吹き揚げる亜比利亜風(シベリア風)に来ている蓑の毛竝みは逆立ちのこどくなり、故にその名が付けられしとの事。
坂の中腹の道路標識が立てられている。真ッ直ぐ登れば岩倉山、岩倉寺へ。右へ行けば千体地蔵に至る道標である。
右の道を行けば、ロップ張りの危険なところがある。そのロップを頼りに登り、少し下れば千体地蔵に至る。丁度、岩倉山の中腹の海岸に面し、水垂川の上流二条の谷に囲まれ、、一面屏風のごとく、その岩肌に一列横帯型の断層を重ね、大小の差は無く、無数の仏像が竝びこれ即ち千体地蔵である。土地の一部の古老達が幻の千体地蔵と口伝えがありしも、昭和四十八年五月十五日実物が発見され、以来、六月二十四日に千体地蔵祭りが催おされるようになった。
前方を俯瞰すれば、天然記念物の窓岩、曽々木町の家並み、湾曲の海岸線、遠く日本海を望むれば、日本海の真っ只中に七つの島が浮かび、天候がよければ軸倉島も見え、一軸の絵に納まる。俗世を離れ、世の変遷を眺め、大自然を擁護しているかのごとく、霊山の、山の中腹に何がため、自然の神が求めたものならんや。
周辺は自然に恵まれ、春一番に雪割り草、万作、椿、三ツ葉つつじ、山百合、秋は紅葉。
春一声、鴬より始まり、時鳥、山鳥、野鳥の声を聞きながら、ゼンマイ、ワラビ採り、松茸狩りと四季を通じて慰めて呉れる。世は幾千年と変われども、千古に変わらぬこの千体地蔵は古の物語りを秘めている。
荒風に 揉まれて枯るる松あれど 何時に変らぬ 千体地蔵
……と記されています。
夏の能登には砂が五色に変わる五色ケ浜、日本百景の一つ九十九湾(内浦町)を始めとして景観のすばらしい場所があるのに加え、7から8月は多くの祭りが順次繰り広げられます。
写真:千体地蔵
(写真と資料提供 輪島市商工観光課)
[輪島へのアクセス]
北陸本線 金沢駅→七尾線→のと鉄道→輪島 所要時間約1時間20分
[千体地蔵まつり問合せ]
輪島市商工観光課 0768-23-1146
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