写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1997年8月9日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
夏は各地でさまざまな祭りが行われています。それぞれに風情があっていいものですね。8月14~15日にかけて、奈良では春日大社の万燈籠、高円山の大文字送り火があります。どちらも幽玄の世界を創って絶好の被写体を提供してくれます。
奈良の地形は盆地になりますので、昼間はかなり暑くなりますが、夕方を過ぎるとグーッと涼しくなります。
まず、春日大社は約1300年前、都が飛鳥の藤原から奈良の平城に遷った頃、都の守護と国民の繁栄を祈願するために、茨城県鹿島神宮の御祭神を平城京の当方の山、御蓋山に迎え、その後、称徳天皇が社殿を造営したまが始まりです。
その春日大社の万燈籠は、境内の 3,000に燈籠に一斉に灯がともります。この燈籠は 800年の昔から今日に至るまで、一般の人達から奉納されてきたものです。遠くは藤原氏からの燈籠もあって、その時代、時代の人達によって奉納され続けられ、ひとつひとつにさまざまな思いが籠もっているのでしょう。また、雨乞い祈願にも万燈籠が行われていました。昔は油料の続くかぎり、毎晩点燈されていましたが、明治以降は油料が途絶え、2月の節分と、この8月14~15日の両日の夜に限られています。廻廊沿いの御手洗川に映る灯影はまた一段の幻想の世界に誘ってくれることでしょう。8月14日は舞楽も演じられます。
高円山の大文字送り火は8月15日に行われ、奈良大文字送り火と呼ばれ、夏の夜空を飾る行事として、古都の情緒を堪能させてくれます。午後6時から祭典が行われ、午後8時、高円山に点火されます。行事の中心となる「大」の字は宇宙を意味し、人々にひそむ煩悩の焼却と諸霊の供養をし、清淨心を現します。大晦日の除夜の鐘は108鳴らされ、これも1年の煩悩を一つ一つ消してくれますが、大文字の「火床」もやはり108あります。
ところでこれらは夜間撮影になりますから、懐中電灯もしくはペンライトを持参すると便利です。それと忘れてならないのはカメラの電池です。暗いところでの長時間露出は電池の消耗が激しくなりますので、バッテリーチェックは是非行っておいて下さい。そろそろなくなる頃かなと思われる場合は、せっかくのシャッターチャンスを逃さないように予備を用意しておきたいものです。
〔春日大社への交通アクセス〕
JR・近鉄奈良駅→市内循環バス→春日大社表参道下車→徒歩8分
〔大文字の送り火への交通アクセス〕
JR・近鉄奈良駅より飛火野へ徒歩15分
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