写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1997年8月16日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
富士山は春夏秋冬、その顔は季節ごと、毎日、時間ごとに異なり、その魅力にとりつかれて写真に、絵画に、山登りに、歴史探索に、信仰にと、日本の霊峰にふさわしくさまざまな方面から多くの関心を持たれています。その富士山麓に富士吉田市があります。
富士五湖の山中湖と河口湖の中間にある富士吉田市は、海抜750mに市街地を擁する高原都市です。北麓にあって富士山信仰の町と栄えてきました。富士山の自然と調和を保った都市といえます。
ところで富士周辺にはいろいろな名物がありますが、富士吉田の名物は富士山の「湧き水」です。地下150mからくみ上げた湧き水は、一説に「富士山の自然のフィルターに磨かれ、80年の歳月を経て現代の我々に与えてくれている」ともいわれています。
その昔、源頼朝が巻狩りを行った時、のどが渇いたものの、周囲は火山灰地で一滴の水もありません。そこで神に祈り、持っていた杖を大地に突き刺したところ、そこから清冽な水が湧きだしたといわれているのが「泉瑞=せんずい」です。富士周辺にはこうした話があちらこちらに残っていますが、いずれにしても、富士へ行ったらこの湧き水を味わってみたい一つです。
日本三奇祭をご存じですか。静岡県島田の帯祭り、愛知県国府津市のはだか祭り、そして富士吉田市の火祭りです。この火祭りは北口本宮冨士浅間神社と境内社諏訪神社の秋祭りであるとともに富士山のお山じまいの祭りでもあります。この祭りは、火防、安産、商売の守護神として奉じられている無戸室(うつむろ)の猛火の中で、皇子を安産した祭神、木花開耶姫命(このはなさくやひめ)の故事に基づくといわれています。
火祭りは8月26日の午後4時頃、大神輿と御影(おやまさんと呼ばれ、赤富士を模した重さ1トンの神輿)が浅間神社威勢よく出発し、町中を練り歩き、夕闇が迫る頃に、御旅所に奉安されます。御旅所へ到着同時に市中に立てられた直径90cm、高さ3mの大たいまつに、一斉に点火され、町中は火の海と化します。
さらに27日の午後、御旅所において発輿祭が行われ、この日の神輿渡御が始まります。市中での神事のあと、神社境内にある高天原(たかまがはら)と呼ばれる所をすすきの穂を持った氏子を従えて7廻りし、御影は3度地面に落とされて祭りが終わりを迎えます。 なお「すすき祭り」と銘打たれていますが、まだ青々としたすすきを持っての行事であって、枯れたすすきを撮影の被写体として考えるにはちょっと早い時期です。ちなみに富士山をバックにしてのすすきの撮影地は富士吉田市の忍賜林組合(おんしりんくみあい)辺りが適しています。
冨士浅間神社は富士山を背に諏訪の森に鎮座しており、富士のお山開きは神社の鳥居に張られた注連縄(しめなわ)を切らなければ始まらないとされ、また、この秋祭りがお山じまいの行事となります。現在の本殿は1615年に再建(1688年に社殿を造修)されていますが、桃山時代の高荘な建築物として重要文化財にも指定されています。
〔富士吉田への交通アクセス〕
JR中央線大月駅→富士急行乗換→富士吉田(東京、新宿から直通あり)
〔富士吉田市の問合せ〕
0555-22-1111(観光課)
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