写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成9年10月18日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
JR北陸本線が福井県から石川県に入って直ぐに加賀温泉駅がありますが、“加賀温泉”があるのではなく、片山津、山代、山中の三温泉を総称しての名称です。海に近いのが片山津で、一番の山手にあるのがその名のとおり山中温泉です。紅葉を「見たい、撮りたいが、山奥に行くには面倒、気軽に行けて温泉があったなら……」と、思っている方には打ってつけのところが、この山中温泉でしょう。時期としては11月5日から中旬にかけてが、見ごろのようです。年によって異なりますので、確認をとって下さい。
その昔、ここを訪れた松尾芭蕉は「山中や 菊は手折らじ 湯の匂ひ」(奥の細道)と詠んでいます。
山中温泉の歴史は、国分山医王寺所蔵の「加賀山中温泉縁起」によると、今から約1300年前にさかのぼります。北陸行脚で菅生神社に参拝中の僧行基が、辰巳の方角に紫雲のたなびくのを見て訪ね、出会った老僧に教えられ温泉を発見したとされています。仮の庵を結び湯げたをつくらせたところ、夢の先に老僧が現われ自分は薬師如来で霊泉あらたかなることをつげたので、そこに国分寺を建立、薬師の尊像を安置したと伝えています。その後、兵乱のため温泉は一時荒廃しましたが、文治年間(1185~1190年)、一羽のサギが傷めた脚を流れに浸しているのを能登の人、長谷部信連が見つけ、霊泉がわき出ることを知り、温泉を再興。芦間から行基の作であろう薬師如来像を掘り出し、国分山医王寺を創建。湯本に12軒の湯舎を営み宿としたとされたてます。
紅葉と一見したい場所としては次の名勝地が挙げられます。
*こおろぎ橋=鶴仙渓に架かる総ひのき造りの橋で、四季を彩るその風情に日本の情緒が伝わって来る山中温泉を代表する名勝地。こおろぎ橋から黒谷橋にかけて1.3km に渡る鶴仙溪V歩道の溪谷は、奇岩怪石・淵などに紅葉が映えそうです。
*あやとりはし=草月流家元・勅使河原宏氏が“鶴仙渓を活ける”というコンセプトのもとでデザインしたユニークなS字型の橋。美しい紅紫色のモダンと紅葉が映える景色は見物です。夜はライトアップされます。
*鶴ヶ滝=しぶきをあげる二筋の滝の姿があたかも鶴を思わせるように白く清美であることから鶴ヶ滝と名付けられたとか。春の若葉、夏の清流、秋の紅葉と四季折々に美しい。温泉街から若干離れて、山中バスターミナル、車で10分の所です。
*栢野の大杉=菅原神社の境内にそびえる神木で樹齢約2300年といわれ、周囲が11m で大人が7 人位で手を継ぐほど。高さ52m にも及び国の天然記念物である。
*国分山医王寺(薬師寺)=京都の蛸薬師、出雲の一畑薬師と並ぶ日本三薬師のひとつ。行基開創による朱塗りの多宝塔を持つ寺院です。
*菊の湯=温泉の発見以来、温泉街の中心・湯の曲輪にある天平風の優雅な造りで情緒あふれる総湯(共同湯=年中無休で早朝より入浴可)が造られています。昔はこの周りに宿が軒を並べ浴客は菊の湯の香りと効能を味わったそうです。
漆器や温泉に興味のある方には次の館があります。
*山中漆器伝統産業会館=山中漆器の名品の展示・ロクロ技術の実演・ビデオによる製造工程の紹介など山中漆器のすべてがわかります。入館料 大人200 円・年末年始休館。
*山中温泉観光資料館=山中温泉の由来・風俗・名勝・旧跡の紹介から大獅子や神輿も展示。入館料大人200 円・水曜定休。
[交通アクセス]
北陸本線加賀温泉駅から、バス山中温泉行(約20分)終点下車
[問合せ]
山中温泉観光協会 Tel 07617-8-0330
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