写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成9年11月15日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
11月も中旬を過ぎますと「もうすぐ冬」のイメージが漂ってきて、花の被写体も限られてきますし、なんとなく侘しさを感じる時があります。そんな雰囲気を吹き飛ばしてくれるのが群馬県鬼石町の約5000本ある「桜」でしょう。現在、盛りを過ぎようとしている紅葉と桜が入り交じって幻想の世界を創っています。冬枯れの山々を背景に鮮やかに咲く桜、ひと目見ておく価値があるのではないでしょうか。
この桜は「冬桜」と呼ばれ、10月下旬からつぼみがふくらみ始め、12月上旬にかけて見ごろが続きます。春に咲く桜と比較してやや小ぶりで、白に近い薄い桃色がかった花です。日本書紀の中にも登場する別名「小葉桜」と呼ばれ、全国でもこの鬼石町の桜山公園でしか見ることができず、大変珍しい花として国の天然記念物に指定されています。
この桜は明治41年、当時の村長さんが春に咲かせようとソメイヨシノを植えたそうですが、そのなかにこの冬桜が混じっていたらしく、冬に桜が咲き出して村人を大変驚かせたそうです。その後、学者が調査して「冬桜」として確認されたとのことです。
また、この鬼石町はには御荷鉾山から流れ落ち不動の滝があって、紅葉に囲まれたこの滝見物に、江戸時代から観光客が絶えなかったそうです。
ところで「鬼石」と怖い名前がついていますが、その昔、御荷鉾山の鬼が暴れ回っており、これに困った村人は、通りがかった弘法大師にこの鬼退治を頼んだところ、弘法大師の念仏におどろいた鬼が、石を神流川のほとりに投げだした、その場所が現在の「鬼石町」の伝説が残っています。その石は今でも鬼石神社の本殿の床下に祀られています。
都会では季節があまり感じられなくなってきましたが、ここ鬼石町は季節感が残り、寺や神社が静かに点在し、聖徳太子ら歴史の人の足跡も残っています。
神流川につくられた下久保ダム(最近は大物のブラックバスが釣れることで有名になっています)の下流の渓流(三波石峡谷=国指定名勝)には、緑色片岩の青みのなかに石英が白く浮き出た美しい三波石の巨岩名岩が、約1kmにわたって景観をつくりだしています。これらの岩や石に名称が付けられています。日暮れ石、絹かけ石、座禅石、かぶと石、くだ石など、石の特徴をとらえていてユーモラスな感じを与えてくれます。
この三波石の地層は四国や九州まで伸びているそうです。以前に四国吉野川の大歩危小歩危の奇岩を紹介したことがありましたが、緑色の中に白い筋が入っているその岩の感じが非常によく似ています。この地層が山を越え、海を越えて、四国や九州までつながってると思うと、大きなロマンを感じるのですが、いかがでしょう。
鬼石町の特産品はその三波石。庭石としてかなり高級なようでお値段もそれなりにするそうです。
広大な園内を散策しながら、時季はずれのお花見が楽しめます。名物とっちゃなげ汁や祝い酒のサービス、アトラクションもいろいろ企画されています。
●日 時 12月1日(月) 午前10栫`
●場 所 桜山公園第3広場
●参加費 無料
[交通アクセス]
関越自動車道の本庄・児玉IC、藤岡ICから20分
[問合せ]
役場産業観光課 電話0274-52-3111
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