写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年2月21日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
東京の武蔵野といえば、晴天の冬には雪をかぶった富士山を早朝、霜柱を踏みながらどこからでも眺められたものです。最近は家やビルが建ち並び、そうした景色もなかなか見つけるのは難しくなりました。とはいえ、まつりごとは今でもここかしこ息づいています。東京都調布市の深大寺は蕎麦が有名です。その昔、大きな神社のあるところ、豆腐屋さんと蕎麦屋さんはつきものであったそうで、深大寺蕎麦もそのひとつの名残と思われます。
また、もう一つの名物はだるま市です。「日本三大だるま市」のひとつに挙げられています。ちなみに三大だるま市は深大寺(東京)、高崎(群馬県)、毘沙門天大祭(富士市)で、深大寺と毘沙門天大祭とは春を呼ぶ行事として住民に親しまれています。だるまは七転八起の縁起の良さと、災いを転じて福となすの功徳が現代にも生きているといえるでしょう。毎年3月3~4日に開かれる「だるま市」は慈恵大師の大祭で、厄難消除、諸願成就の護摩供養が行なわれ、多くの人出で賑わいます。
また、この深大寺は都内では浅草寺に次いで古く、奈良時代白鳳期の作といわれる関東最古の白鳳仏・釈迦如来像、重文の梵鐘などがあります。深大寺のある調布市は高級住宅地ですが、深大寺周辺は武蔵野の面影を残してくれています。境内には湧き水が出て、近隣には深大寺城跡が残っています。
深大寺城は天文六年(1537年)に上杉朝定が小田原北条軍の北進に備えて築いた城ですが、北条軍が深大寺城を迂回して川越城を攻め、隙をつかれた上杉軍は敗走、築城後数ヶ月で廃城となっています。そんな昔の城跡が本丸を取り囲む土塁、空掘や二の丸跡ととして残っています。
だるま市を尋ね、撮影した後、深大寺蕎麦に舌鼓を打ってはどうでしょうか。また、調布には花の神代公園や新選組局長・近藤勇の史跡があるほか、六つのお寺が静かな趣を見せる寺町、「仲良きことは美しきこと哉」と残し、この街を愛した武者小路実篤の旧屋、実篤公園と実篤記念館(実篤の原稿や長年、彼が収拾した書画、陶磁などの愛蔵品を展示もあります。
早春の一日、七転八起、歴史を忍び、実篤の小説を思い出しながらの散策も楽しいものでしょう。
[交通アクセス]
深大寺 京王帝都京王線新宿駅→つつじヶ丘駅→深大寺行きバス終点下車
[問合せ]
深大寺 0424-86-5511
武者小路実篤記念館 03-3326-0648
(実篤記念館入場料=実篤公園と共通 大人200 円、小・中学生100= 円。65歳以上は無料)
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