写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年4月11日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
関東以西の平野部では桜も終わりを告げ、春の祭が盛んに行われるようになってきました。その春の代表的な祭としては、岐阜の高山祭(山王祭)が挙げられます。動く陽明門、屋台の陽明門ともいわれている豪華絢爛の屋台をはじめ神輿、獅子舞、闘鶏楽、雅楽、からくり人形、笠をかぶり裃(かみしも)を付けた行列、そして夜闇に浮かぶ灯りなどなど、子供から大人までが楽しめ、春の祭りとしてナンバーワンといわれるゆえんでしょう。日時は4月14~15日です。4月9日現在の桜は3分咲きで、祭の頃が丁度、満開になると予測されていますので、絢爛に花を添えることになるでしょう。
この高山の春祭りは、日枝神社(山王さん)の祭礼ですが、秋の高山祭りは八幡宮になります。春は高山市の南半分、秋は北半分の氏神祭りです。12台の屋台を従えて巡行する様は圧巻です。山里にこれほど豪華に屋台があるのは、元禄時代にカネに糸目をつけないで建造されているからです。
これらの屋台は飛騨の匠達の力作揃いで、3台には巧みな動きを披露するからくり人形があり、また闘鶏楽は鉦と締太鼓を打ちながら行進しますが、数十の曲目があって行列に興を添えてくれます。特異な衣裳がカメラマン達の恰好の被写体になりますが、獅子舞、神輿などどのイベントも撮影対象にはうってつけです。思い切ったアングルで挑戦してみてはいかがでしょう。
ところで、笠を被り裃を着た行列は警護の一団ですが、高山の各家では祭に奉仕するためにこの裃だけは持っているそうです。また、腰の印籠にも大金を投じる氏子さんも多くいると聞いています。祭の行われる地域では、簾(すだれ)や幔幕を掛けますが、これは神様に家の汚いものを見せないようにしているとのことです。以前は赤土を敷きつめて、神様の通り道を浄めていましたが、そうした風習は少なくなっています。
一方、高山は昔から飛騨の小京都といわれてきただけに、町は碁盤目に区画されており、東山、寺町といった名称も京都らしさをかもし出してくれます。町並みも時代を感じさせてくれますので、高山へ行ったことのない人はこの機会に訪れてはいかがでしょう。
個人的なこと恐縮ですが、飛騨での実感は街を散策していたら、しょうゆの焼けるような匂いに誘われて歩きながら食べた「みたらしだんご」のうまかったこと。その夜の民宿で朴葉(ほうば)みそと呑みやすい地酒(吟醸酒)がピッタリあっていたこと。そしてちょっと呑み過ぎた翌日、ブラリと入ったおそば屋さんでの手打ち蕎麦も印象的(飲食しか興味がなかったのか嘆かわしい)でした。
飲食以外にありました。民宿から出掛ける時、履物をピッタリと揃えるのではなく、履きやすいように若干、拡げて出してくれた民宿のお嬢さんのことも頭に残っています。
参考=朴葉みそ(焼き味噌)は炉のあつい灰あるいは炭火の上に朴葉を敷き、味噌、ねぎ、しいたけなどをまぜて、油をすこし加えたものです。焼きながら食べたら最高です。
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