写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年5月30日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
梅雨を間近にひかえて、田植え祭りがあちらこちらで催されていますが、代表的な祭りとして挙げられるのは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている広島県山県郡千代田町の[壬生の花田植]でしょう。毎年6月第1日曜日(今年は6月7日)に催されます。
田植え祭りはその昔の領主様や名主殿が「つらく、きつい田植えを楽しくしようではないか」と始めたものであり「働かせようとする手段である」の解釈もあるようですが、それはともかく、ズラリと並んだ早乙女による田植えはまた楽しいものではないでしょうか。
当日は10時から開発センターで、神楽の舞があります。もともと広島県下は神楽が盛んな地域ですが、特に千代田町は18もの神楽団があります。また11時30分頃から町内会による花笠踊りなどのパレードがあって、2時から4時過ぎまで花田植の催しと続きます。
花田植は早乙女が先頭になって歌いながら田植えを行い、後ろから鉦、太鼓で賑やかにお囃子を入れます。さらに牛を着飾っての農耕作業や街のなかを歩き回ったりして、ほかではちょっと見られない風景に出会えます。自然をバックに着飾った花田植や花笠踊り、牛も被写体としてもおもしろいでしょう。
花田植の歴史は明確ではありませんが、江戸時代の頃には田の神を祀って、無病息災、五穀豊穣を願う「囃し田」の行事があって、大地主が多くの人を集めて盛大に行われていたようです。早乙女が着飾り、農耕牛も造花で飾っていたことから、いつの日か「花田植」と呼ばれるようになったそうです。明治の中期に一時中断していましたが、街の商人たち(現壬生商工会)が集まって「由緒ある行事をなくしてはならない」と、伝承した話が残っています。
また、見所としては古保利薬師があります。弘法大師が自ら仏像を刻んで建立したと伝えられる古寺で、国の重要文化財に指定されている平安初期の本尊薬師如来座像や千手観音など12体の古仏像は見ごたえがあります。境内の大檜は千年を超す県下一の巨木といわれています。
さらに八王子神社には「よみがえりの水」と呼ばれている神泉があり、その昔、この泉の水が多くの病を直したといわれています。この水を科学的に分析すると「まれにみる清冽な軟水の名水」で、お茶、コーヒー、料理、飲用に最適の水質をしているそうです。水質検査もされていますので、一杯いかがですか。
なお、町内に養老温泉、千代田温泉があって、入浴だけなら250~300円で入れます。
[交通アクセス]
中国自動車道 千代田インターから千代田開発センターまで200m、花田植会場まではバスがピストン運転
バス 広島バスセンター(そごうデパート4F)8・9番の三次、松江方面行き千代田インターまで約40分、30~40分間隔で便があります。
[問合せ]
千代田観光協会 0826-72-6908
千代田町役場 0826-72-2111
花田植の写真2点は「づいちゃんの店」にご協力いただきました。楽しいお菓子屋さんです。
づいちゃんの店ホームページ http://www.urban.or.jp/home/zuichan/setumei.html
今年の気候は2週間ほど早く、天気予報も「梅雨の走り」のようなことを報道しています。また植物や虫も予定より早く咲いたり、姿を現したりで、いつもなら6月の始めに愛媛県大洲市では菖蒲の満開や蛍の乱舞があるのですが、取材しようとしたら「すでに盛りが過ぎています」とのつれない返事です。スイレンや紫陽花など花を撮ろうと予定している方は、早めに地元に問合せしたほうが良さそうです。
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