写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年6月6日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
富士山の頂上の雪が6月1日には消えてしまい、例年よりも1カ月早いそうです。また関東地方でも紫陽花(アジサイ)の最盛期が近く、加えて撮り見ごろの期間が短いのではないかとも推測されています。気温によって早く咲いたり遅くなったり、開花期間が長くなったり短くなったりと天候に大きく左右されるものですね。
蛍の最盛期も西日本では過ぎ去ろうとしていますが、山間部では今が丁度良いようです。四国は徳島県山城町で6月13~14日に“蛍まつり”が催されます。「蛍が乱舞していますか」の質問に、町役場では「多分、大丈夫だろう」と、語っていたものの、ヒヤヒヤしているとのことです。時間が許すなら祭りを待たずに行かれるのも一考でしょう。
昨年の始めにこの山城町の景勝地、吉野川の大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)の奇岩を紹介しましたが、この町は山また山で、山城とはよくいったものだと感心させられます。城は田尾城で、そばまで行くと僅かに城跡らしきものが感じられる程度です。また、町は急な四国山脈の中にあって、山の中腹に家がポツリポツリとあって、かなり顎を上げて見上げなければなりません。そのためそれらの家の灯りを星と見間違える人もいます。また昼間は「あんな所によく家が建てられるものだ」「人間の力とは凄い」と感心させられます。
ところで“蛍まつり”は塩塚高原の麓にある黒川谷で催されますが、ここの蛍はゲンジボタルです。隣村に源氏が攻めてきたらいつでも橋を切り落とせるようにと、ツタで造ったかづら橋で有名な平家の村(西祖谷山村=にしいややまそん)があるのにゲンジボタルとはなんとなく皮肉ですね。
それはともかく、このゲンジボタルに対してヘイケボタルがあります。いずれも誰が名付けたのかは不明ですが、野々口立圃が『かがり火も 蛍も光る 源氏哉』と、歌っているように「大きく強い光のゲンジが先に命名され、後から小さく光の弱いヘイケが名付けられたのであろう」と、多くの学者も支持しています。しかし、どちらが「したたか」といいますと、ヘイケです。ゲンジは水がきれいでなければ、生きてはいけませんが、ヘイケは水田、浅い湿原でも繁殖します。とはいえ、いずれも少なくなったのは確かです。ホタルの住める環境が狭まる一方で、水路がコンクリート化されるなどホタルだけでなく、餌になるカワニナがいなくなり、メダカやトンボ(ヤゴ)、ミズスマシなどなどの水生生物が連鎖的に少なくなっています。
こうしたなかで、ここ山城町では自然が多く残っている証明の一つとしてゲンジボタルの乱舞が見られるわけです。当日は生バンドが入ったり、草餅を売る夜店が出たり、カラオケ大会もあります。また釣り好きな方には「あめご釣り大会」があります。
黒川谷ほたる祭り場所 山城町頼広 塩塚高原途中 ほたるの里公園付近
螢は曇天の暖かい日が特によく飛び交う、見ごろは午後6~8時前後です。
なお、山城町の夏はパラグライダー、四国カヌーフェスティバルin吉野川など緑の山間に色とりどりの華が咲きます。
[交通アクセス]JR土讃線阿波川口駅下車 黒川谷まで谷深い伊予川に沿って徒歩約1時間30分(交通の便数が少なく車が便利です) 車ではR32号線か309号へ 高知自動車道は新宮IC から塩塚高原方面へ
[問合せ] 山城町産業経済課 TEL(0883)86-2432
日本は四季が明確で、その時々の風情が得られるのは幸せです。梅雨もうっとうしいと感じるのではなく、雨を楽しむ気持ちで過ごしたいものです。
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