写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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京都は毎日どこかでお祭りがあるといわれるほど行事が多くあります。この梅雨空の下でも中旬以降の主なものとして青葉祭(6/15智積院)、鞍馬寺竹伐り会(6/20鞍馬寺)、御誕辰祭(6/25北野天満宮)、夏越祓(6/25~30北野天満宮)、大祓式(6/30北野天満宮)、夏越祓(6/30貴船神社、上賀茂神社ほか各神社)などがあり、その後、1カ月にわたる京都の三大祭りのひとつ、祇園祭へと続きます。こうしたなかで鞍馬寺竹伐り会は華やかな派手さこそありませんが、平安時代から続いている京の中でも歴史のある行事です。
この竹伐り会は、本堂に大蛇にみたてた大竹四本を置き、根がついている二本を雌蛇、根のない方を雄蛇になぞらえられます。東西二組(近江座と丹波座)に分かれた法師四人が、導師の合図とともに、大竹を山刀で割り、室内に駆け入る早さを競います。
東が早いと、近江の勝ち、西が早いと、丹波を勝ちとしていますが、最近はそうした地域の競争よりも全体の五穀豊穣を祈願するムードが高くなった感じがします。この竹伐り会のいわれは平安時代に峰延〔ほうえん〕和尚(または峯延〔ぶえん〕上人ともいわれています)が、里人に害を与えていた雌雄の大蛇を退治し、蛇は法に服したのでこれを許して「この山は水に乏しいので水を与えよ」と命じて放したところ、以来、山に清水が湧くようになったともいわれています。
この故事にならって、和尚が法力で大蛇を退治した勇壮な所作を、竹を大蛇にみたてて竹伐り会が行われるようになったと寺では伝えています。
鞍馬寺は、正しくは「松尾山金剛寿命院」と号します。770年頃、鑑禎(がんじょう)上人が草庵を結んで安置したことがはじまりといわれています。その後、鑑禎上人の夢に鞍をつけた白馬が現れ、これを奇瑞(良いことが起こる前触れ)として鞍馬寺と号したともいわれています(文献によってこの辺の前後や話の内容が若干異なっています)。
ところで、鞍馬といえば、鞍馬山で牛若丸が剣術を修練した場所でしたが、小説鞍馬天狗の住処(すみか)として映画化され、バンツマ(板東妻三郎)、アラカン(嵐寛十郎)が演じて一世を風靡して一躍全国的に有名になりました。
その鞍馬山は京都市の中心部からはさほど遠くないのに、秘境・僧正ケ谷や樹木の根が地面に現れて異様な雰囲気のある「木の根道」などがあり、いかにも天狗が出ても不思議でない深山幽谷の感があります。
近隣には銘木雲珠桜、牛若丸の息つぎの水(修行中、喉がかれて飲んだ)、硯石、膝つき石、笛吹き桜の跡があるほか、数百年前、金星から地球を救うためにやってきたといわられるミステリアスな魔王尊がありますので、ハイキングがてら、鞍馬川沿いに鞍馬街道を歩いて散策してみるのも一考ではないでしょうか。鞍馬寺本殿からの眺望はまた格別です。ケーブルを利用する方法のありますが、やはり徒歩で行きたい場所です。
牛若丸と鞍馬の天狗、そして小説、映画など史実と小説が入り交じり、まことしやかに、諸説が作られている楽しい場所のひとつです。史実を明確にするためにも、一度、自身が尋ねてみてはいかがでしょう。
[鞍馬寺への交通アクセス]
JR京都駅より市バスで約30分、出町柳下車(京阪電鉄から乗り入れもあり)。叡山電鉄出町柳駅より鞍馬線終点鞍馬駅。徒歩約30分。ケーブルカーの便あり。
[問合せ先]
京都市観光協会 075-752-0225
鞍馬寺 075-741-2003
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