写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年6月20日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
今年の梅雨はエルニーニヨ現象のためか、梅雨の晴れ間もスッキリと晴れることがなく、例年に比べ日照時間が少ないようです。また、台風1号の発生も遅れているようで、やはり異常気象なのでしょうか。そんな中にあっても季節は確実に歩み続けています。関東以西では田植えを終え、蛙の声が聞こえたり、蛍が舞ったりと、田んぼもなんとなく賑やかな感じがします。この時期にもなりますと「お田植え祭り」もだんだんと少なくなってきますが、三重県志摩郡磯部町で伊雑宮(いざわのみや)御田植祭が6月24日に行われます。この伊雑宮御田植祭は大阪府の住吉大社、千葉県の香取神宮とともに日本三大田植え祭りのひとつとして挙げられています。
人口1万人にも満たない小さな町の田植祭りですが、そのいわれは約2千年前に逆上ります。地主が天照大神の供物を探しているときに、鶴が見事な稲穂を落としたそうで、これがおこりになって磯部の御神田ができたそうです。その地主によって天照大神(あまてらすおおみのかみ)を祀ったお宮を建てられたのが伊雑宮(伊勢神宮の別宮)といわれていますから、歴史的に見ても日本三大田植え祭りのひとつに挙げられても「納得」しますね。もっとも祭りそのものが文献にあらわれたのが南北朝時代(1330年頃)になってからのこと。祭りの由来はやはり豊作祈願、吉凶を占う、重労働に対しての「うさ晴らし」のようです。また、明治時代に神宮改革で中断されましたが、地元住民が虫除け祈願として復興させたいわれもあります。
祭りは午前11時からスタートします。平安朝の古式ゆかしい衣装をまとった田道人(たちど)、早乙女達に太鼓打、楽人が加わって賑やかに始まります。お祓いのあと田道人、早乙女らの苗取りが終わると、田のなかで、地元の漁師さんら青年達による泥んこになっての勇壮な「竹取行事(大きな団扇を奪い合う)」が始められます。田楽に合わせての田植え姿、おどり込みの行事があって夕刻に終えます。
祭りの内容が平安朝ののどかさ、勇壮な竹取、楽しいおどりと変化に富んでいますので、祭りの被写体としても申し分ないでしょう。
なお、この祭り、農家に関連の深い田植え行事ですが、多くの漁師さんの参加が特筆されます。この関係か、伊雑宮は古くから地元の漁師や海女たちの信仰を集めています。
祭りの場所は伊雑宮周辺となります。
ところで、磯部町には「天の岩戸」のいわれが残っている場所(日本の名水百選のひとつにもなっています)や遠方の声が巨大な岩のこだまによって聞こえるという不思議な「おうむ岩」があり、また渡鹿野園地からの眺めは絶景といわれています。このほか志摩スペイン村「パルケエスパーニャ」もあります。
[交通アクセス]
近鉄特急で大阪上本町から約2時間10分、名古屋から約1時間50分、志摩磯部駅下車
[問合せ]
磯部町役場 企画観光課 05995-5-3607
磯部町観光協会 05995-5-3553
志摩スペイン村 05995-7-3333
白黒写真は磯部町郷土資料館提供
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