写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年7月11日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
埼玉県熊谷市の夏は内陸式気候となって、昼間の暑さは関東でもトップクラスになるほどです。毎年、梅雨が明けた7月20日~22日に『うちわ祭』が催されます。「暑い、暑い」といいながらの祭りです。熊谷地方ではこのうちわ祭が来ると、本格的な暑さのスタートとなります。もっとも、今年は例外で、7月に入ってからというもの、連日、温度計は35℃前後を指しています。熊谷は熊谷寺(ゆうこくじ)の門前町でもあり、宿場町としても昔からの街で、一時期、熊谷県を名乗っていたこともあります。明治16年には上野~熊谷間の鉄道が開通しており、早くから栄えていました。
うちわ祭は市街地全体で3日間にわたって行われ、熊谷では最大のお祭です。初日は神輿(みこし)の渡御祭(とぎょさい)、二日目の21日、午後から17号線(中仙道)を通行止めにして巡行祭があります。12台の山車・屋台が熊谷囃子とともに市街地を巡行します。そして最終日の夜、お祭り広場に山車や屋台が集結して「叩き合い」と呼ばれる笛、鉦(かね)、太鼓のお囃子が響きわたります。昼間の撮影には21日、夜間の祭を撮りたい人は22日が良いでしょう。
このうちわ祭は八坂神社の祭礼で、神社自体は小さな小さな神社ですが、山車の絢爛さから関東一の祇園祭と称されています。江戸時代の後半までは、お祭の日に買い物に来たお客さんに商店街の人達が赤飯を配っていたのですが、料亭の泉州が渋うちわ(柿の渋を塗ったちうわ)を配ったところ、丈夫で評判になり、いつしか周囲の商店もうちわを出すようになったと由来されています。
以前、埼玉県ではこの赤茶けた渋うちわがどこの家庭にもあって、電気、ガスがまだ乏しい頃、ご飯を炊くかまどや七輪で火をおこす時、必ず使用したものです。普通のうちわはすぐ壊れてしまったのですが、この渋うちわは丈夫で長持ちしたものです。最近では焼鳥屋さんで見かける程度になりましたけれど……。祭りに出掛けられたら、この渋うちわを探すのも一考でしょう。
熊谷には熊谷寺が有名です。源頼朝に「日本一の剛の者」といわしめた武蔵武士、熊谷次郎直実由来の寺で、高さ24メートル、総欅造りの大伽藍がありますが、残念ながら一般には開放されていません。
熊谷市の観光課によりますと「格調高い回遊式庭園、数奇屋感覚の建造物のある星渓園が撮影スポットになります。日本文化教養を養う場でもあります」とのことです。庭園には加藤清正が朝鮮より持ちかえったという『袖振り石、天柱石』もあるほか、庭石や灯籠、層塔、十王供養塔、宝筺印塔などが豊富にあります。
熊谷の夏は、このうちわ祭の後、花火大会、星川の灯ろう流しがあります。
なお、熊谷の名産としは五家宝(ごかぼう)があります。もちごめを棒上にして黄粉をまぶしたものですが、埼玉では、草加の煎餅、川越の芋菓子ととも三大銘菓といわれています。名称の由来は五穀豊穣の五穀が大切、家の宝からきているようです。
[交通アクセス]
JR高崎線 上野から約1時間、熊谷駅下車
うちわ祭の場所 中心市街地
[問合せ]
うちわ祭 熊谷市観光協会 0485(24)1111
星渓園 熊谷市教育委員会社会教育課 電話同上
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