写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年7月18日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
馬追い、流鏑馬(やぶさめ)などの行事は各地にありますが、馬にちなんだ行事ではスケールからすると、相馬野馬追いが日本一ではないでしょうか。500~600頭が参加する様は豪快そのものです。この馬追いは7月23~25日にかけて福島県原町市で開催されます。東北地方はその昔、大和朝廷の頃、現代でいうなら未開発の地方であり「道の奥」または「未知の国」といわれ、それが「みちのく=陸奥」と呼ばれるようになりましたが、太平洋岸に位置する相馬の原町はなんとなく「道の奥」に感じられない雰囲気があります。また福島県は会津地区、中通り地区、浜通り地区に分けられ、それぞれに風土が異なり、中でも浜通りの相馬の中でも陽性のイメージが強いようです。こうしたムードが反映してか、馬追いも明るく、豪壮なお祭となっています。
この祭の歴史は古く、平将門の時代(920年代)にまでさかのぼります。多くの兵を集めての軍事訓練として、野性の馬を敵と想定して追わせたのが起源とされています。その後、江戸時代では大田神社、中村神社、小高神社などが中心となって恒例の神事となったと伝えられています。
祭は23日の中村城からの出陣式から始まり、流鏑馬、甲冑(かっちゅう)競馬、神旗争奪戦、野馬掛けなどの行事が3日間にわたって展開されます。
メインのハイライトは24日、2日目の神旗争奪戦です。広大な雲雀ケ原に甲冑で身を硬め、太刀をはらい、旗差し物を背にした若者たちが騎馬武者に扮して続々と集まります。法ら貝の合図で、花火とともに打ち上げられる赤、青、黄に染め分けられた妙見三社の旗を、500~600もの騎馬武者たちが、野原を疾駆して神旗を奪いあいます。鎧(よろい)、甲冑の触れあう音、雄たけび、人馬が激突する様子は戦国時代にいるのではないかと、錯覚するほどです。
25日は、竹で囲った柵のなかに、騎馬武者が、裸馬を追い込み、白装束の勢子が、竿につけた細縄で、神馬にする馬を捕まえる野馬掛けと呼ぶ行事が行なわれます。
ところで、祭を見ていると、よくこれだけの馬を集められるものだと感心させられますが、この馬追いのために、約250頭ほどは常時、飼育しているそうです。ほかは周辺から集めるとのことで、原町には乗馬センターがありますが、ここの馬も駆り出され、この3日間は休みになって乗馬はできません。
当日の市内は指定道路以外、車の乗り入れは禁止されます。博物館が駐車場になっていますので、歴史の勉強かたがた、ここに駐車してはいかがでしょうか。但し、メイン会場の雲雀ケ原までは若干の距離があります。なお、雲雀ケ原の入場料は 1,000円です。
[交通アクセス]
JR常磐線原ノ町駅下車。
[問合せ]
原町市役所 0244-22-2111
原町市立博物館 0244-23-6421
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