写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年8月15日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
エジプトのピラミッドが崩壊の危機に面し、数年をかけて崩れないように補強し、過日、一応の修復を終えましたが、世界最古のピラミッドは日本にあると唱えられたのが、昭和9年。その提唱者は酒井勝軍氏。その場所は広島県庄原市の葦獄山(あしたけやま)です。この山は比婆山系のいっかくにある三角形の山で、基底部から頂上まで高さ約150m、どこから見ても三角に見えること、明らかに人工的に積み重ねられたと思われる石の階段があちらこちらに露出していること、高さ8m、重さ100トンの鏡石は一面約10畳の広さがある、また、本殿の葦獄山と向い合った鬼叫山の南面には高さ7mもある石柱が数本立っており、これはピラミッドの拝殿だとしています。さらに地元では「神武天皇の墓」と言い伝えられているなどから、酒井氏が「2万3千年前に建てられた世界最古のピラミッド」と発表したようです。比婆山系にある庄原市の葦嶽山は日本の太陽神殿としてのピラミッドの典型であり、もっともその特徴を備えているとのことです。
ところで、この葦獄山がある比婆山系は1,200m級の山々が連なり、人工的に岩を彫ったと思われる不思議な巨岩が数多く発見されています。この岩々には幅5~10cm、深さ2~5cmの溝が規則正しく刻まれているケースが多く、これらは条溝石と呼ばれています。また 国生みの神、イザナミ・イザナギノミコトにまつわる伝説が多くあります。さらに最近では岩石の溶解状況から、これを古代の核戦争によるものとする飛躍した見解やUFOが飛来するという話も出てくるなど、その真意は別にして想像をたくましくして眺めるのも一考でしょう。
この庄原市は広島県の北部、中国山地の中央に位置し、その歴史は古く周辺には横穴式石室の鍬寄古墳など千を越える古墳があります。産業・文化が発達していたひとつの裏付けとして古代製鉄の遺跡も残っていますが、山陰と山陽を結ぶ要衝の地で昔から勢力争いも絶えなかった歴史も秘めています。緑と水に囲まれたこの土地は森林資源にも恵まれ、多くの人達にとって魅力があったのでしょう。無論、現在も山紫水明はその昔と変わりなく、訪れた人達を魅了してくれます。
ところで、この時期になりますと、各地で行われていた夏の行事もほぼ終了して静けさを取り戻す頃ですが、この庄原市では全国の夏祭りのフィナーレを飾るように毎年8月の第4土、日曜日(今年は8月22、23日)、“庄原よいとこ祭”が開催されます。昭和56年から催されるようになり、その歴史はまだ浅いのですが、参加してみますと、各団体が趣向を凝らした山車やパレードのほか、地域の特産物が販売されるなど、市民による手作りを感じさせる、ほのぼのとした祭りの印象が残ります。
また、夏に欠かせない打ち上げ花火を見逃してしまい「今年はもう見られないだろう」と思っている人にとっては、ラストチャンスの花火大会があります。昨年は上野公園が改装中のため国営公園の備北丘陵公園で開催されましたが、今年は例年通り上野公園で花火が打ち上げられます。
庄原市の名所として、地元では「もんがくさん」と親しまれている文覚堂があります。文覚上人を祀った堂ですが、子授け、安産、乳もらい、病気回復、精力増進、おねしょ封じ、合格祈願など多くの願いを聞いてくれます。参道に2本の大杉(県天然記念物指定)と天を向いている珍しい石州焼の獅子、狛犬(こまいぬ)のあるは蘇羅比古(そらひこ)神社、唐様仏殿の正統な形式を備え、天井に雪舟が描いたといわれる竜の絵がある円通寺、『出家とその弟子』で有名な倉田百三の文学館などがあります。
この夏の祭りの総決算として、謎をよぶ古代のロマン、花火大会、そして数々のご利益を求めて、この庄原の地を訪問してはいかがでしょう。
[交通アクセス]
JR広島駅より芸備線「備後庄原駅」で下車。
[問合せ]
商工観光課 08247-3-1178
備北公園管理センター 08247-2-7000
庄原田園文化センター 08247-2-1159
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