写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年8月22日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
関東人と関西人とを比較してよく「関西人はガメツイ、ケチ」といわれますが、表現の違いで『合理的精神』が旺盛といえるのではないでしょうか。その代表的な存在が近江商人です。昔の言葉に『近江泥棒に伊勢乞食』がありました。どちらも聞こえは悪いのですが、近江商人は勤勉、倹約、正直、堅実をモットーにして財をなしてきたのてす。それと無駄を排するアイデアマンでもあったのです。『のこぎり商法』とちょっと物騒な表現ですが、これが近江商法の特徴です。郷里や上方の産物を持って地方へ行き、帰りは地方の産物を上方に売りさばく、行商の往復で仕入れと販売をやっていたわけです。このようにして儲けた財産を公共施設など社会に還元してきたのですが、この事実は見逃され、「商売ばかりに目がいっている」としか見られなかったために、近江泥棒などと、とんでもないレッテルが貼られてしまったのでしょう。
ところで、近江商人の中でも日野商人と呼ばれるグループがありました。滋賀県の南東部に位置する日野町近隣から出た商人達です。この日野商人の特徴は大型店よりも小型店が多く、関東に集中していること、店が中心部よりも地方都市にあることなどが挙げられています。これらの店は『日野千両店』と呼ばれ、千両ほどたまると他にも店を出すためにこの名称がつけられたようです。現在流でいうならば多店舗化を図っていたのでしょう。それと日野商人で忘れてならないのが『萬病感応丸』漢方薬の販売です。いかにも効能がありそうな名前で、こんなところにもアイデァが盛り込まれている感じです。荷が軽く、利益が大きかったといわれています。
この日野町には国指定無形民俗文化財の中山の『芋競べ祭』が9月1日にあります。丹精こめてつくった里芋の長さを競うユーモラスな祭りです。平安の昔から伝わる奇祭として知られています。昔から西が勝てば豊作、東が勝てば不作といわれていますが、東が勝つ時もあります。
当日は午後から熊野神社に集まって「これから戦いに向かいます」と、祈願する神事をを行うとともに身を浄めて野神山に向かいます。頂上に用意された祭場で午後2時頃から孟宗竹に縛った里芋を見せ合い「東の芋より西の芋は、一丈も二丈も三・四丈も五・六丈も長う打ちましてござる」と独特の言い回しで競い合います。昔そのままの長い歴史を持つ伝統行事です。今年はエルニーニョ現象やラニーニャ現象があって天候が不順で、農作物の被害が懸念されている時期だけに是非、西に勝ってもらいたいものです。
日野町は鈴鹿山系の西麓にあって丘陵、山地が多く、琵琶湖へ流れ込む日野川、佐久良川にそった緑の田園と山村のイメージのある町です。今は時期外れですが、4月末から5月上旬にかけては天然記念物「鎌掛谷のホンシャクナゲ群落」が有名です。
このほかの見所としては、百済から渡来した文化人鬼室集斯という高官の墓碑から神社の名前になった鬼室神社、蒲生氏の氏神である馬見岡綿向神社、聖徳太子の創建と伝えられ、本尊および脇侍は国重文の秘仏がある正明寺、境内に入ると樹齢300年を誇る梅の古木があり、天井に見事な龍の絵が描かれている蒲生家の菩提寺・信楽院、多数の中世の石仏が祀られて本尊の十一面観音(国重文、秘仏)は平安時代の古木像がある西明禅寺などがあります。また、近江商人を知りたい人には典型的な日野商人本宅の構え持つ歴史民俗資料館近江日野商人館(写真上)もあります。
日野観光写真コンクール募集
なお、日野町では第10回「日野観光写真コンクール」の作品を平成10年9月30日まで募集しています。日野観光協会事務局によりますと「第10回記念で例年よりも賞品は豪華です」とのこと。『芋競べ祭』に行って、推薦、特選を狙ってはいかがでしょう(詳細は日野観光協会まで)。
[交通アクセス]
JR近江八幡駅から近江バスで50分。JR米原駅から近江鉄道で日野駅まで1時間
車では名神八日市ICか名神竜王ICから車で20~25分
[問合せ]
日野町役場産業経済課か日野観光協会 0748-52-1211(代)
近江日野商人館 (0748)52-0007
(写真提供:日野観光協会)
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