写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
平成10年10月10日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
石仏で有名な大分県の国東(くにさき)半島は千年以上の昔から「神と仏が共に宿る」といわれていますが、最近でこそバスの便がよくなったものの、それでも半島の先端へ行こうとするならば、何回かバスを乗り換えなければなりません。海岸から山に向かうと、秘境を思わせるムードが漂い、先人が道や里を拓いた苦労がうかがわれます。岩石を彫り、石仏を刻み、寺を建て神仏混合の独特な信仰と文化がこの国東半島にはあります。奇岩の多い山間部と砂浜と磯が交互に現れる海岸線ともに景観を楽しませてくれます。
その国東半島の東端に位置する国見町に、古くから伝わる怪奇な火祭りケベス祭りが10月14日夕刻、岩倉八幡社であります。“ケベス”なんとも理解しがたい言葉です。その意味は地元でも説が分かれています。祭りでのケベスは悪霊の化身になっていますが、祝詞(のりと)に火を蹴る子(蹴火子)と書かれていることから、これが変化したものとも、恵比須(エビス)さんの意味ではないかともいわれ、良い者なのか悪者なのかもハッキリしません。以前は国東半島の各地で行われていたといわれいますが、それも定かではありません。こうした不明な点が多いことも奇祭といわれる所以かもしれませんネ。
祭りは闇夜となる午後7時頃から始まります。木製の不気味な仮面をつけたケベスが踊りながら神火と対決して敗れるまで、これが劇化されています。ケベスが火の中に突入してその火を蹴り回します。その火を白い装束に身を包んだ「トウバ」と呼ばれている人達がそれぞれ手にしたシダの束に火をつけ、多くの参拝者達に投げつける荒っぽい祭りです。
しかも火を投げつけられて善行を積んでいる人にとってはこの火の粉を浴びると無病息災がかなえられますが、「火傷する者は日頃の行いが悪いからだ。信仰が足らないからだ」というのですから、悪者にとっては大変なお祭です。
火を求めるケベスと守る側のトウバの争いが表現されていますが、これは海の組と山の組との火の取り合いともみられていますが、両者、槍を持っての押し合いする戦いは迫力充分です。その後、ケベスは境内3ケ所で槍の先に付いた“まきわら”で地面をたたき来年の豊作を占います。
国見町からきつね踊りで有名な姫島が望め、山に入ると赤根温泉があり、その近辺にある旧千灯寺周辺には石仏も散在しています。ケベス祭の前後に訪問して、アルバムの1ページを飾ってはいかがでしょう。(写真提供:大分県観光協会)
[問合せ]
国見町観光協会 0978-82-1113
国見町教育委員会 0978-82-1115
[交通アクセス]
JR日豊本線宇佐駅からタクシーで約40分。
宇佐駅からバスの便あり、但し途中3度乗り換え
大分空港からバス→国東行き→伊美行き
山口県徳山港からフエリー(2時間)→竹田津港(国見にある港)
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。