写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年10月24日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
各市町村は、町おこし、村おこしのために「新幹線を通してくれ、高速道路を通してくれ」といった要望がよく出されますが、昔は鉄道が通ることに反対したケースがしばしばあったようです。蒸気機関車の煙が農作物に影響を与えるとの理由がほとんどであったようです。そんな町のひとつに兵庫県の日本海側に近い北東部に出石(いずし)町があります。そのおかげかどうか、まち並みは城下町の風情を失うことなく今に伝えられ、「但馬の小京都」と呼ばれています。
長野県上田市と姉妹都市を結んでいることから、その理由を探ってみますと、徳川幕府が1706年、上田地方を長期間、治めていた仙石家が出石藩に国替えを命じられたことから、歴史的に交流があったとのことです。それまでは室町時代に守護大名として山名氏が本拠を構えていましたが、その後、小出氏、松平氏そして仙石氏と城主がかわっています。また、関西では珍しく、そばの名産地で、出石の皿そばとして有名ですが、これも一説に上田のそば職人を仙石氏が連れてきたのがそのまま名産になったとも伝えられています。
このような変遷を経た5万8千石の城下町で、出石お城まつりが11月3日に催されます。スケジュールは、子供による鼓笛演奏でスタートし、民謡パレード、午後12時30分から子供大名行列、2時から大人の大名行列と続きます。また今年からは武者行列も予定されています。見ものは町の無形文化財の大名行列槍振りでしょう。独特のしぐさで槍を振る姿は被写体としておさめたいところです。これらの行事は城の周辺ですべて行われますので、バックに城壁をあしらって撮ると、一層、情感のこもった写真になることでしょう。
一方、名産ということでは、町の人口が約11,000人なのに40軒以上のそば屋さんがあるともいわれているそばに加えて、杞柳(竹や柳で編んだ工芸品)製品、絹のような繊細な焼き物として人気の高い出石焼きがあります。さらに、たくあんも挙げられますが、これは宗鏡寺(すきょうじ)を再興した沢庵(たくあん)和尚にちなんでの名産のようです。
また、出石を代表する建物として辰鼓櫓(しんころう)があります。今では時計台として住民に親しまれていますが、その櫓(やぐら)から江戸時代、辰の刻(午前8時)に太鼓で時間を知らせた名残です。出石に行った記念としてここでよく写真が撮られています。家々は但馬の小京都としてのたたずまいを見せる静かな町並みとお城まつりをこの秋に楽しんでみてはいかがですか。
[交通アクセス]
JR豊岡駅からバス約30分、出石営業所下車、出石城跡まで徒歩7分
[問合せ]
出石町役場商工観光課 0796-52-3111
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