写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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平成10年11月28日
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
ここ数年、暖冬が続いていましたが、今年は気象庁の発表によりますと「久方ぶりに冬らしい冬」が来ると予想されています。これを裏付けるように、例年よりも早い雪便りが聞かれ、北海道、東北地方では「11月の積雪としては測候所始まって以来」の言葉も再三聞かれました。こうした中で、北海道襟裳岬では、名物の波頭に起こる水飛沫に虹ができる現象がすでに生じています。
襟裳岬の周辺も冬の到来が早く、すでに湖が凍結して、渡り鳥を戸惑わせているそうです。というのも、襟裳にある悲恋湖は例年、白鳥などの渡り鳥が羽を休める小さな湖ですが、ここが凍結していて休むことができず、うらめしそうに通過しているとのことです。この襟裳岬は北海道にあっても、太平洋に突き出していますので、海の影響もあって、内陸部のように氷点下何十度になるようなことはほとんどないのですが、今年は例年になく、温度が低いようです。そのためか、襟裳で越冬するオジロワシの飛来も早かったそうです。
この襟裳岬での冬の現象として、波の間に間に起きる虹はそれは見事だそうで、地元の人にうかがうと「写真で表現することが非常に難しい」と語っています。この虹が見られるのは、岬の東側でよく起きるとのことで、条件としては、まず晴天であること、海が荒れていること、西風が強いこと、これらがうまく重なると、きれいな虹が次から次へと見られ、それが移動する様は何とも形容しがたいそうです。
ところで、襟裳岬は北海道の背骨といわれている日高山脈の先端がそのまま海へ没するところでもあり、いかにも荒々しさが感じられます。その荒々しさのためか、襟裳町は日本でも有数の強風地帯で、風速10m の風が年間 290日以上もあって、風速 10mは普通の風とのことです。強い風の証として、測候所などで見かける布製の吹流しも、1ケ月も持たずにズタズタになります。こうした実情から、町では「風の町」を標榜しており、「人と風とのコミュニケーション」をテーマに風の館を建設したり、観光の目玉にしています。また、この風を利用して風力発電も行われています。この発電による電力は 500世帯分をまかなっているそうです。
東から押し寄せる波に強い西風が当たって、しぶきとなり、波がしらに虹ができるこの現象は冬の景物になっています。写真で表現できにくい、この虹と冬の風に一度チャレンジしてみてはいかがでしょう。
[交通アクセス]
札幌から道南バス→3時間半→浦河からJRバス→30分→様似からJRバス→1 時間→襟裳岬
[問合せ]
えりも観光協会 01466-2-2241
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