写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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今年の気候は全国的に不順というより、異変に近い状態を呈していたようで、これは日本ばかりではなく、世界的な傾向といえ、異常渇水や何日も続く大雨のニュースが毎日聴かされた感じがします。とはいえ、昨今は確実に冬に向かっており、日々、気温が低下し、温暖な土地が羨ましい今日この頃です。その温暖な土地として挙げられるのが宮崎県でしょう。特に太平洋側は暖流の黒潮が接近している関係で、冬の温暖は旅人にとってありがたいものですが、さらに目を楽しませてくれるのが赤いポインセチアです。
このポインセチアはクリスマスの花としてシンボル的に親しまれていますが、正確には赤くなっている部分は花ではなく、枝の先の葉が赤く染まっているのです。宮崎市の堀切峠(ほりきりとうげ)で、今を盛りと赤く咲いています。堀切峠からは洗濯岩(板)で有名な青島やそれを取り巻く白波と紺碧の海の景観が素晴らしいところです。峠の頂上から若干下がった南側に位置するフェニックスドライブンインを中心に、海に向かっての斜面に5万本が植えられ、群生しています。そのドライブインの方にうかがいますと「霜が下りるまで大丈夫」とのことで、その霜がいつ来るか分かりませんが、20日から天皇誕生日の23日ぐらいまでが丁度、見頃だそうです。南国の植物、フェニックスと赤いポインセチアの群落、そして素晴らしい景観が訪れる人を酔わせてくれること受けあいです。
ところで、このポインセチアは別名、猩々木(ショウジョウボク)といいます。ちなみに「猩々」とは人間の言葉を解する想像上の獣の名称で、時として「大酒飲み」のことも指します。花言葉も「燃えている心」で、寒い季節に温暖な土地でポインセチアと周辺の景色に、お酒と一緒に酔うとなったら、心身共に暖かくなって最高でしょうね。但し、クリスマスの花とあって、メキシコでは、形がベツレヘムの星に似ていることから「聖夜の花」と呼ばれていますので、清い心で眺めたいものです。念のため。
宮崎県人が語るのを聞いていますと「あまの岩戸や神話、古事記には日向のことが多くあって、神楽も代々伝わり、史実、伝説などから総合すると神の国、大和つまり日本は宮崎県から誕生したのだ」と、日本発祥の地といわんばかりです。もっともこの話、宮崎を訪れるとまったく根も葉もないことではなさそうな気がしてくるから不思議です。神武天皇以来、とよく使われる言葉も宮崎神宮に神武天皇を奉っているからだそうで、神宮周辺の深い森や樹齢 400年とも 500年ともいわれる大白藤(おおしらふじ)、白木の寝殿を眺めていると、県人が語ることが真実のように思われてきます。
また、周囲を海に囲まれている日本では海の伝説にはこと欠きませんが、青島神社の海神(わだつみ)、浦島太郎の元になった伝説など、古代の歴史探訪には外せない土地といえるでしょう。
白波と青い海をバックにフェニックスとポインセチアが入り交じる景色を、師走を尻目に撮影できたら、なんと幸せなことでしょう。
[交通アクセス]
JR宮崎駅→日南行きバス30分→堀切峠
[問合せ]
フェニックスドライブイン 0985-65-0101
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