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【今回使用したカメラ】 Caplio G3 (RICOH)
花の色は千差万別。それぞれに美しいものです。しかし、色には「明るさ」という成分があり、それよって写真の写り方にちがいがあることを、あなたはご存知でしたか?今回は、その辺の理屈をひも解きながら、カメラ任せの撮影ではなく「スポット測光」で意図した通りに撮る方法のご紹介です。
たとえば、黄色い花と紫の花をそれぞれ画面いっぱいに撮った場合、黄色い花はアンダー気味に、紫の花はオーバー気味に写りやすくなります。
これは、色を明るさに置き換えると、「黄色=明るめ」「紫色=暗め」という理屈になり、それがカメラ任せの露出に影響を及ぼすからなのです。
■色による自動露出のちがい
カメラ任せに黄色い花を全面に撮ると、実際よりも暗め(露出アンダー)に写ります(↓)

一方、カメラ任せに濃い紫色の花を全面に撮ると、実際よりも明るめ(露出オーバー)に写ります(↓)


Step1で、まだちょっとわかりにくいと思った方は、写真から色を排除し、右図のように、色を明るさに置き換えて比較すると、わかりやすいですよ。
■色をなくして明るさだけで比較すると・・・
黄色は比較的明るい(↓) 濃い紫色はかなり暗い(↓)
もちろん、他の色も、このように色を排除して明るさに置き換えてみるとわかりやすいですよ。


さて、ここからが本題。
Step1では、「明るいものは暗めに、暗いものは明るめに写ってしまう」カメラのクセをご説明しました。
これは、カメラに内蔵された自動露出計がそのような傾向にあるからです。
その自動露出計とは、「マルチ測光」という測光方式で、画面に写った範囲を256分割して測光し、それによって露出を決定する方法です。
※「マルチ測光」は、カメラメーカーによって「マルチパターン測光」とか「多分割測光」とも呼ばれます。
■万能な「マルチ測光」には、少々クセがあります
つまり、この「マルチ測光」方式は、画面全体を多分割にして測光するため、占める割合の多い色(明るさ)に大きく影響を受けます。それによって「明るいものは暗めに、暗いものは・・・」となるわけです。


一方、カメラには標準の「マルチ測光」のほかに、「スポット測光」という測光方式も選べるようになっています。
これに変更すると、画面中心部の狭い範囲だけを測光して露出を決定するため、画面全体の色(明るさ)に干渉されず、一部の色(明るさ)から露出を決めることができます。つまり、意図したとおりの露出で撮ることができるのです。
※一部のエントリーモデルには、測光方式を変更できない機種もあります。
■「スポット測光」は、使い方によって効果を発揮します
この場合は、画面左端のやや上にある緑色のつぼみで測光し、露出を決定しています。


この「スポット測光」は、つねに画面中心部の狭い範囲を基準とするため、測光したい部分が画面中心からずれている場合は、右図のような方法で撮影します。
この操作をAEロックと言い、ほとんどのデジタルカメラではAFロックのやり方と同じです。
■どの位置でAEロックすればいいの?
AEロックは、中間的な明るさの位置で行うのが無難ですが、正確には、グレー18%(世の中の色をすべてゴチャ混ぜにするとそうなる)と言われています。画面の中でそれに相当する位置がわからないときは、掌の色で代用してもかまいません。
→もっと詳しく
この「スポット測光」は、つねに画面中心部の狭い範囲を基準とするため、測光したい部分が画面中心からずれている場合は、以下のような方法で撮影します。AFロックのやり方と同じですね。


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