光学の泉コラム・ギャラリー
家族4人(+犬)が繰り広げる日常の出来事を、父親ならではの愛情あふれる視点で切り取った大人気ブログ『ダカフェ日記』。
光学の泉は、ダカフェ日記とシグマ(レンズ専門メーカー)がコラボしたレンズの紹介コラムです。
レンズ選びのご参考にご覧ください。
一眼レフカメラキットについている標準ズームの最短撮影距離は、大体30cm~40cmぐらいで、撮影倍率は0.25倍(1/4倍)ぐらいが標準的です。これは、大体ハガキが画面いっぱいに写せる倍率です。これでも十分といえば十分だと思います。
それよりも大きく写したいときには、マクロレンズに交換して撮影となりますが、旅先やちょっとした撮影では、交換するのが面倒ですね。気軽にマクロも撮れるズームレンズがあればなと思うときがよくあるのですが、探せばありました。シグマの17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO。このレンズは、最短撮影距離がズーム全域で20cm、撮影倍率は0.43倍です。70mmにした時のワーキングディスタンスは、何と3cmです。ここまで寄れるとマクロレンズも真っ青です。
今回は、このレンズを解説します。
DCの名称が付いているので、このレンズは、APS-Cサイズ専用レンズです。35mm換算でだいたい28-105mmの画角のレンズになります。このぐらいの画角の幅があると撮影の不満はないと思います。28-70mmぐらいの画角のキットレンズと比較すると、このレンズの便利さがわかると思います。しかも広角側がF2.8と明るく1ランク上のスペックです。そして一番の特徴である最短撮影距離20cmは、他を寄せ付けません。このレンズは、キットレンズよりも少しずつ上をいく万能レンズといえます。レンズ鏡筒には、各焦点距離(ズームリングに書いてある数値)の最短撮影距離に対応した、撮影倍率目盛も付いており、使い勝手も抜群です。キヤノン用、ニコン用、ソニー用、ペンタックス用、シグマ用の5マウント発売されているので、APS-Cデジタル一眼レフカメラのほとんどで使用することができます。詳しくは、こちらをご覧ください。
さて、肝心のレンズ性能は、非球面レンズを2枚、SLDガラスを1枚使用していて、非常に写りが良いものです。あれもこれも撮りたい方に、特にお勧めのレンズです。
このレンズの一番の特徴は、被写体にものすごく寄れる事です。たいていのレンズは、最短撮影距離30cm前後が多いのですが、このレンズはなんと20cmです。ちなみに20cmとは、センサーから被写体までの距離のことです。我々がイメージする撮影距離は、レンズ1面から被写体までの距離だと思いますが、その距離はなんと3cmです。この距離をワーキングディスタンスといいます。
付属のフードは、4cmちょっとあるので、マクロ撮影時は、フードを外さないと被写体にぶつけてしまいます。通常撮影時は、フードを付けていただきたいのですが、マクロ時は、外していただくほうが安全です。
ちなみにこんな感じです。驚きの寄りですね。
広角側で解放F値が2.8の明るいレンズです。解放F値が明るいとより速いシャッタースピードで撮影できたり、ファインダー内が明るいので、ピントの確認や構図の決定が容易だったり良い事が多いのです。更に浅い被写界深度を活かしてメインの被写体を際立たせたりする事もできます。被写界深度は、解放F値が明るいほど、カメラから被写体までの撮影距離が近付くほどに浅くなる特徴があるので、最短撮影距離20cmとF2.8を活用すれば、広角でも背景が大きくぼかした撮影が可能になります。 もちろん望遠側も被写界深度が浅いので、独特な撮影ができます。解放F値のみならず色々なF値を試して一番良いカットを選ぶのも良いと思います。
あのカメラ情報誌「CAPA」が毎年行っている、CAPAレンズ大賞に今年はこのレンズが選ばれました。受賞理由は、「記念写真やスナップはもちろん、庭の花木を撮る時も重宝し、幅広い層の人たちの1本目のレンズとしてマッチする。圧倒的な解像感が得られ、マクロレンズ並みに寄れる、操作性・描写力ともにハイレベルな、コストパフォーマンスの高いレンズである。」だそうです。やはり、このレンズは、幅広い人に対応できそうです。ただ、良い作品は、撮る人それぞれのセンスと粘りで決まるので、数多く撮影して良い作品を手にしてください。
このレンズは、シグマが配布している小冊子「ダカフェ日記のレンズ選びブック」で使用されています。このレンズの感想を撮影者の森友治氏がこう語っています。
「広角から中望遠までカバーするオールマイティーなズームレンズと思っていたら(実際そうなんですが)、マクロレンズとしての性能が他のズームレンズとは、ひと味違いました。
レンズと被写体が触れそうなくらいまで寄れ、緻密な解像感、落ち着いた背景ボケが印象的です。
家族のスナップも撮りつつ、気楽に花をマクロ撮影してみたい、そんなマクロ初心者(私もです)にぴったりだと思います。
納得ですね。
ちなみにこの小冊子には、この2点の作品が掲載されています。
この写真の他にもご覧になりたい方は、森氏の写真ブログ「ダカフェ日記」にアクセスしてください。
マクロレンズ並みの近接撮影が可能なデジタル専用大口径ズーム。
花形フード(LH780-04)付
対応マウント | 仕様 |
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シグマ、ニコン(HSM)、キヤノン、ソニー、ペンタックス | レンズ構成: 12群15枚 最短撮影距離: 20cm 最大倍率: 1:2.3 フィルター径: 72mm |
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。