ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー
今回はピント位置について話します。写真はどこにピントを合わせるかによって見せたいポイントが違ってきます。また、適切な場所にピントが合っていないとピンボケの失敗写真になってしまうこともあります。ピントはどこに合わせるかを考えてみましょう。
作例(2)と作例(3)はフレーミングを変えずにピント位置だけを変えてみました。こうしてみるとマカロンにピントを合わせた作例(2)ではマカロンが主役になり、かぼちゃにピントを合わせた作例(3)ではかぼちゃが主役になっていることがわかると思います。ピントが合っている被写体は写真を見る人の注意をひきつけます。ですから同じフレーミングでもピント位置が違うと主役が違う印象の写真になるわけです。
作例(2)と作例(3)ではピントによって主役が別のものになりましたが、これはどちらが主役になってもおかしくないフレーミングであったからどちらにピントをあわせてもおかしくなかった例です。実はピント位置をどこにするかはフレーミングとのバランスがとても大事です。主役にピントを合わせるという基本から行けば主役にピントを合わせるのが当然ですが、フレーミングが適切でないとピンボケっぽくなってしまいます。作例(4)では手前のお菓子にピントが合っていますが、写真全体を見たとき「ピンボケ」の印象がぬぐえません。これはなぜでしょう。このフレーミングでは手前のお菓子が主役になるようなフレーミングになっていないからです。このフレーミングではどちらかと言うと画面中央左の長靴の形をしたお菓子が主役です。ですからこちらにピントを合わせれば違和感のない写真になったはずです。手前の三日月型のお菓子を主役にするならそこにピントを合わせるだけでなくフレーミングをかえなければなりません。このようにピント位置とフレーミングのバランスはとても大事なので主役をはっきりさせるフレーミングを作った上で主役にピントを合わせれば写真の出来をランクアップさせることができます。
基本は主役にピント
基本的には主役にピントを合わせる、と言うのが原則です。人物が主役なら人物に、物が主役ならその物にピントを合わせます。大抵の場合はこれで大丈夫です。どこにもピントがあっていないとピンボケといわれる失敗写真・作例(1)になってしまいます(作意的にぼかす場合は別ですが)。また、主役でないものにピントがあっている場合もピンボケ写真の印象になってしまいます。この場合画面内の一部にピントは合っている場合でも明らかに主役ではないもの(背景とか)にピントが合ってしまっているため「ピンボケじゃん(主役が)」という印象になってしまう状態です。